住宅金融支援機構
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は住宅金融支援機構法 4 条(目的)、13 条(業務の範囲)、
19 条(貸付けの条件)、25 条(業務の委託)。
2026-08-01 に e-Gov の条文原文と突合済み。
0. どういう制度か
かつての住宅金融公庫は、国が直接お金を貸していた。いまの機構は違い、
民間金融機関が貸せるように後ろで支えるのが本業である。
| 何をするか | |
|---|---|
| 証券化支援事業(本業) | 民間の長期固定金利住宅ローン債権を買い取り、それを担保に債券(MBS)を発行する |
| 直接融資(例外) | 民間では対応が難しい分野に限って、機構が自分で貸す |
| 住宅融資保険 | 民間ローンが焦げ付いたときの保険を引き受ける |
| 団体信用生命保険 | 債務者が死亡等したときに残債を弁済する |
原則は買い取り、例外が直接融資という関係をつかんでおけば、
「これは機構が直接貸すか?」という設問はほぼ判断できる。
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 賃貸住宅の建設・購入資金の債権は、証券化支援事業の買取りの対象にならない
- 金利や返済期間を決めるのは、買い取る金融機関のほう(機構ではない)
- 貸付金の回収は金融機関に委託できる
1. 証券化支援事業
根拠: 住宅金融支援機構法 13 条 1 項 1 号・2 号
民間の銀行は、預金という短期の資金で貸しているので、35 年の固定金利では貸しにくい。
機構が債権を買い取って市場に流せば、銀行は資金を回収できる。これが証券化支援事業である。
証券化支援事業(買取型)で、機構が買い取る債権は?
自ら居住する住宅、または自ら居住する住宅以外の親族が居住する住宅の
建設・購入に必要な資金の貸付けに係る債権
賃貸住宅の建設・購入資金の貸付債権は買取りの対象にならない。
買い取った債権について、機構は何をする?
その債権を担保として債券(MBS)を発行し、
資金を調達する
これにより、民間金融機関は長期固定金利の住宅ローン(フラット 35)を提供できる。
証券化支援事業(買取型)の住宅ローンの金利は、誰が決める?
貸し付ける金融機関が決める
機構が一律に決めるのではないので、金融機関によって金利が異なる。
証券化支援事業には、買取型のほかに何がある?
保証型
民間金融機関の住宅ローンについて、機構が住宅融資保険を引き受け、
そのローンを担保として発行される債券等の元利払いを保証する仕組み。
2. 直接融資業務
根拠: 住宅金融支援機構法 13 条 1 項 5 号〜11 号
直接融資が残っているのは、民間ではリスクが取れない分野があるからである。
災害・高齢者・マンション共用部分といった顔ぶれは、この理由で説明できる。
機構が直接融資を行う主な分野は?
- 災害復興建築物の建設・購入、災害予防関連の工事
- 合理的土地利用建築物の建設・購入
- マンションの共用部分の改良
- 子育て世帯・高齢者世帯向けの賃貸住宅の建設・改良
- 高齢者の家庭に適した住宅とするための改良(バリアフリー・耐震)
高齢者向けのバリアフリー改良工事の融資に特有の仕組みは?
死亡時一括償還制度(高齢者向け返済特例)
生存中は利息のみを支払い、死亡時に相続人が元金を一括して返済する。
機構は、災害により住宅が滅失した場合に融資できる?
できる(災害復興建築物の建設・購入資金)
このほか、災害により住宅が滅失した場合の土地の取得資金、
地すべり等関連事業に係る住宅の建設資金も対象。
3. その他の業務
根拠: 住宅金融支援機構法 13 条 1 項 3 号・4 号、19 条、25 条 1 項
団体信用生命保険業務とは?
住宅ローンの債務者が死亡または重度障害となった場合に、
機構が保険金で残債務を弁済する業務
これにより、遺族は残債を負わずに住宅を維持できる。
機構は、貸付けを受けた者が返済困難になった場合に何ができる?
貸付条件の変更または延滞元利金の支払方法の変更ができる(19 条)
災害や失業などにより元利金の支払いが著しく困難となった場合が対象。
機構は、貸付金の回収を自分で行う?
金融機関に委託できる(25 条)
貸付けの決定、資金の交付、回収その他の業務の一部を
金融機関等に委託することが認められている。
機構が行う情報提供業務とは?
住宅の建設・購入・改良・移転をしようとする者、または住宅を建設・購入して
賃貸しようとする者に対し、必要な資金の調達・良質な住宅の設計・建設等に関する
情報の提供、相談その他の援助を行う業務