土地
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
この論点には根拠となる条文がない(地形・地盤に関する一般的知識からの出題)。
記述は国土地理院の土地条件図・治水地形分類図の地形分類、および国土交通省
「宅地防災マニュアル」に依拠している。verify:pack の条文突合の対象外なので、
内容の確認は人が行うこと。2026-08-01 に上記資料と突合済み。
0. どういう地形が宅地に向くか
判断の軸は 1 本しかない。水がたまるか、抜けるかである。
高いところは水が抜けて安定し、低いところには水と細かい土が集まって軟弱になる。
| 地形 | 宅地への適性 | 理由 |
|---|---|---|
| 台地・段丘 | 最も適する | 地盤が安定し、水はけがよく、洪水の危険が小さい |
| 扇状地 | 条件付き | 水はけはよいが、土石流の危険がある |
| 自然堤防 | 比較的良好 | 周囲より高く、砂質で水はけがよい |
| 後背湿地・旧河道・三角州 | 適さない | 軟弱な粘性土。液状化・不同沈下・浸水 |
| 谷底低地・埋立地・干拓地 | 適さない | 軟弱地盤。干拓地は海面より低いことが多い |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 台地でも、縁辺部(へり)は崖崩れの危険がある
- 埋立地は干拓地より安全(干拓地は海面下になりうる)
- 液状化は、地下水位が浅い砂質の緩い地盤で起きる(粘性土では起きにくい)
1. 高いところの地形
根拠: 国土地理院の地形分類(法令に基づく規定ではない)
台地・段丘は宅地に適する?
適する
地表は比較的平坦で、地盤が安定し、水はけもよく、洪水の危険も小さい。
ただし縁辺部(へり)の斜面は崖崩れの危険があり、
台地上の浅い谷は豪雨時に地表水が集まりやすい。
丘陵地を造成するとき、注意すべきことは?
切土部分と盛土部分にまたがる敷地では、地盤の強度が違うため
不同沈下が生じやすい。
盛土部分は自重による圧密沈下も起こる。
また、切土・盛土の境界には排水施設を設けて地下水を処理する。
扇状地はどんな地形で、何に注意する?
山地から平地に出るところに、土砂が扇状に堆積した地形。
砂礫質で水はけがよく、比較的宅地に適する。
ただし土石流の危険があり、扇頂部・谷の出口付近は特に注意が必要。
2. 低いところの地形
根拠: 国土地理院の治水地形分類図(法令に基づく規定ではない)
自然堤防と後背湿地の違いは?
- 自然堤防 … 河川の氾濫で流路沿いに砂が堆積した、周囲より高い微高地。
水はけがよく、比較的宅地に適する - 後背湿地 … 自然堤防の背後の低地に粘土・シルトが堆積したところ。
軟弱地盤で、水はけが悪く、宅地には適さない
旧河道とはどんな土地?
かつて河川が流れていた跡で、周囲より低く、細長く連なる地形。
軟弱で水はけが悪く、液状化や不同沈下が起こりやすい。
地震時・洪水時ともに危険が大きい。
三角州(デルタ)は宅地に適する?
適さない
河口部に細粒の土砂が堆積してできた低平地で、地盤が軟弱。
標高が低く、高潮・洪水・液状化の危険が大きい。
干拓地と埋立地では、どちらが危険?
干拓地のほうが危険
干拓地は海面より低いことが多く、高潮や津波による浸水の危険が大きい。
埋立地は一般に海面より数メートル高く造成されるため、
干拓地より安全とされる(ただし液状化には注意)。
3. 災害と地盤
根拠: 国土交通省「宅地防災マニュアル」(法令に基づく規定ではない)
液状化が起こりやすい条件は?
- 地下水位が浅い
- 緩く堆積した砂質土(粒径がそろっている砂)
- 埋立地・旧河道・三角州など、比較的新しい堆積地盤
粘性土の地盤では液状化はほとんど起こらない。
地すべり地形の特徴は?
比較的緩やかな斜面で、過去に地すべりが起きた跡が
波状の地形・湧水・小さな池などとして残る。
滑動が再発する可能性があるため、宅地には適さない。
上部に滑落崖、下部に押し出した堆積地形が見られる。
崖崩れが起こりやすいのはどんなとき・どんな場所?
豪雨の直後や融雪期に、急傾斜地で起こりやすい。
崖の上端からの水平距離が崖の高さの 2 倍以内の範囲、
および崖下の一定範囲は危険が大きい。
崖の下端から傾斜角 30 度以上・高さ 5 メートル以上の斜面は、
急傾斜地崩壊危険区域に指定されうる。
がけ地に盛土をして宅地を造成するとき、どうする?
盛土のすべり面を防ぐため、段切り(既存地盤を階段状に削る)を行い、
盛土と地山を密着させる。
盛土は十分に締め固め、排水施設を設ける。