固定資産税
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は地方税法 341 条(定義)、343 条(納税義務者)、349 条(課税標準)、
349 条の 3 の 2(住宅用地の課税標準の特例)、350 条(税率)、351 条(免税点)、
359 条(賦課期日)、362 条(納期)、364 条(徴収)、415 条・416 条(縦覧)、
432 条(審査の申出)、地方税法附則 15 条の 6。2026-08-01 に e-Gov の条文原文と突合済み。
0. どういう制度か
不動産を持っていること自体に、毎年かかる市町村税である。
道路や上下水道といった行政サービスの受益に応じた負担、という考え方で組み立てられている。
日付が制度の骨格になっている。
| いつ | 何が決まるか |
|---|---|
| 1 月 1 日(賦課期日) | その年度の納税義務者(この日の所有者) |
| 基準年度(3 年ごと) | 評価額の評価替え |
| 4 月 1 日 〜 最初の納期限(または 4 月 20 日のいずれか遅い日以後) | 縦覧の期間 |
年の途中で売っても、その年度の納税義務者は 1 月 1 日の所有者である。
売買のときに日割りで精算するのは当事者間の約束であって、税法上の話ではない。
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 納税義務者は 1 月 1 日現在の所有者(登記簿または課税台帳に登録された者)
- 住宅用地の特例は 200 平方メートルまでが 6 分の 1、超える部分が 3 分の 1
- 新築住宅の減額は「税額の 2 分の 1」(課税標準の特例ではない)
1. 納税義務者と課税標準
根拠: 地方税法 343 条 1 項・2 項・9 項、349 条 1 項、359 条
台帳に登録された者を納税義務者にしているのは、市町村が誰から取ればよいかを
1 月 1 日の時点で確定させるためである。実際の所有者を追跡していては課税事務が回らない。
固定資産税の納税義務者は?
賦課期日(1 月 1 日)現在の固定資産の所有者
具体的には、登記簿または土地補充課税台帳・家屋補充課税台帳に
所有者として登記・登録されている者。
1 月 20 日に土地を売却した。その年度の固定資産税は誰が払う?
売主(1 月 1 日現在の所有者)
売買契約で日割り精算をするのは当事者間の取り決めであり、
市町村に対する納税義務者は変わらない。
質権や地上権が設定されている土地の納税義務者は?
- 質権が設定されている土地 … 質権者
- 存続期間が 100 年を超える地上権が設定されている土地 … 地上権者
いずれも土地を実際に支配しているため。
固定資産税の課税標準は?
固定資産課税台帳に登録された価格(適正な時価)
価格は 3 年ごとの基準年度に評価替えされ、
原則として第二年度・第三年度は据え置かれる。
2. 特例と免税点
根拠: 地方税法 349 条の 3 の 2 第 1 項・2 項、351 条、附則 15 条の 6
住宅用地を優遇するのは、住むための土地に重い税をかけると生活を圧迫するからである。
小規模な部分ほど手厚いのも同じ理由。
住宅用地の課税標準の特例は?
- 小規模住宅用地(住宅 1 戸につき 200 平方メートルまで) … 価格の 6 分の 1
- 一般住宅用地(200 平方メートルを超える部分) … 価格の 3 分の 1
家屋の床面積の 10 倍を超える部分には適用されない。
新築住宅に対する固定資産税の減額は?
新築後 3 年度分(中高層耐火建築物は 5 年度分)、
床面積 120 平方メートルまでの部分について、税額が 2 分の 1 に減額される
要件は、床面積が 50 平方メートル以上 280 平方メートル以下であること
(貸家である共同住宅等は 40 平方メートル以上)。
課税標準の特例ではなく税額の減額である点に注意。
固定資産税の免税点は?
同一の市町村の区域内に同一の者が所有する固定資産の課税標準額の合計が
- 土地 … 30 万円未満
- 家屋 … 20 万円未満
- 償却資産 … 150 万円未満
であるときは課税されない。
3. 税率と納期
根拠: 地方税法 350 条 1 項、362 条 1 項、364 条 1 項
固定資産税の標準税率は?制限税率はある?
100 分の 1.4(1.4%)が標準税率。
制限税率は定められていない(かつての 2.1% の上限は廃止済み)。
市町村は条例でこれと異なる税率を定められる。
固定資産税の納期は?
4 月・7 月・12 月・翌年 2 月中において市町村の条例で定める(362 条 1 項)
ただし、特別の事情がある場合には、これと異なる納期を定めることができる。
徴収方法は普通徴収。
4. 台帳の縦覧と不服申立て
根拠: 地方税法 382 条の 2、415 条 1 項、416 条 1 項、432 条 1 項
自分の土地の評価額が高いかどうかは、他の土地と比べなければ分からない。
そのために、期間を切って他人の価格も見られる縦覧の仕組みが置かれている。
固定資産課税台帳の「縦覧」とは?
納税者が、同じ市町村内の他の土地・家屋の価格と比較できるよう、
土地価格等縦覧帳簿・家屋価格等縦覧帳簿を縦覧に供する制度。
期間は 4 月 1 日から、4 月 20 日または最初の納期限の日のいずれか遅い日以後の
日までの間。
固定資産課税台帳の「閲覧」は誰ができる?
納税義務者、借地権者・借家人、その他一定の者が、
自己に関係する部分について、いつでも閲覧を請求できる(382 条の 2)
縦覧が期間限定であるのに対し、閲覧は期間の制限がない。
台帳に登録された価格に不服があるとき、どこに申し立てる?
固定資産評価審査委員会に審査の申出をする(432 条)
公示の日から 3 か月以内。
価格以外の事項(納税義務者の認定など)については、市町村長に対する審査請求による。