不動産取得税
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は地方税法 73 条の 2(納税義務者)、73 条の 7(非課税)、73 条の 13(課税標準)、
73 条の 14(住宅の課税標準の特例)、73 条の 15(税率)、73 条の 15 の 2(免税点)、
73 条の 24(住宅用土地の減額)、地方税法附則 11 条の 5。
2026-08-01 に e-Gov の条文原文と突合済み。
0. どういう制度か
不動産を手に入れたという一回きりの事実に対してかかる道府県税である。
毎年かかる固定資産税と対にすると、性格の違いがそのまま数字の違いになっている。
| 不動産取得税 | 固定資産税 | |
|---|---|---|
| 課税主体 | 道府県 | 市町村 |
| いつかかるか | 取得したとき(1 回) | 毎年 1 月 1 日現在の所有者 |
| 標準税率 | 4%(住宅・土地は 3%) | 1.4% |
| 徴収方法 | 普通徴収 | 普通徴収 |
| 免税点 | 土地 10 万円/新築 23 万円/売買 12 万円 | 土地 30 万円/家屋 20 万円 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 相続による取得には課税されない(取得したという実感がないため)
- 登記をしていなくても、現実に取得すれば課税される
- 課税標準は固定資産課税台帳の登録価格(実際の売買価格ではない)
1. 納税義務者と非課税
根拠: 地方税法 73 条の 2 第 1 項・2 項、73 条の 7
課税されるのは「新たに自分のものになった」場面だけである。だから、
もともと自分の家族の財産だったもの(相続)や、形が変わっただけのもの(合併・分割)には
かからない。
不動産取得税の納税義務者は?
不動産を取得した者(個人・法人を問わない)
有償・無償を問わず、登記の有無にもかかわらず課税される。
相続によって不動産を取得した。不動産取得税はかかる?
かからない(非課税)
包括遺贈、被相続人から相続人への遺贈も非課税。
一方、相続人以外への特定遺贈は課税される。
非課税となるのはほかにどんな取得?
- 法人の合併・一定の分割による取得
- 共有物の分割による取得(自己の持分を超える部分を除く)
- 国・地方公共団体等による取得
- 土地区画整理事業の換地、宅地造成事業の一定の取得
家屋を新築したが、まだ誰も使っていない。いつ課税される?
新築の日から 6 か月を経過しても最初の使用・譲渡がないときは、
その 6 か月を経過した日に、家屋の所有者が取得したものとみなす(73 条の 2 第 2 項)
宅地建物取引業者等が新築した住宅については、この期間が 1 年に延長される。
2. 課税標準と免税点
根拠: 地方税法 73 条の 13 第 1 項、73 条の 14 第 1 項、73 条の 15 の 2 第 1 項、附則 11 条の 5
課税標準を評価額にしているのは、実際の売買価格だと当事者の事情で大きくぶれるからである。
免税点は「そこまで小さければ徴収の手間に見合わない」という線。
不動産取得税の課税標準は?
不動産を取得した時における不動産の価格
=固定資産課税台帳に登録された価格(固定資産税評価額)
実際の売買価格や建築工事費ではない。
宅地を取得した場合の課税標準の特例は?
宅地および宅地比準土地の取得については、
課税標準が価格の 2 分の 1 となる(附則 11 条の 5)
土地の取得を促すための特例。
新築住宅を取得した場合の課税標準の特例は?
1 戸につき 1,200 万円を価格から控除する(73 条の 14 第 1 項)
要件は、床面積が 50 平方メートル以上 240 平方メートル以下であること
(貸家である共同住宅等は 1 戸あたり 40 平方メートル以上 240 平方メートル以下)。
認定長期優良住宅は 1,300 万円。
不動産取得税の免税点は?
- 土地 … 10 万円
- 家屋の建築(新築・増築・改築) … 23 万円
- 家屋の売買・交換・贈与等 … 12 万円
課税標準となるべき額がこれ未満であれば課税されない。
3. 税率と徴収
根拠: 地方税法 73 条の 15、73 条の 17、附則 11 条の 2
不動産取得税の標準税率は?
100 分の 4(4%)
ただし特例により、土地および住宅の取得については 100 分の 3(3%)。
住宅以外の家屋(店舗・事務所等)は 4% のまま。
不動産取得税の徴収方法は?
普通徴収(納税通知書によって徴収する)
申告納付ではない。
標準税率を超える税率を定めることはできる?
できる
標準税率は「通常よるべき税率」であって上限ではない。
不動産取得税に制限税率は定められていない。