みならいノート

宅建 2027年度版

借地借家法(借地)

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

根拠は借地借家法 2 条(定義)、3 条(存続期間)、4 条(更新後の期間)、5 条(更新請求)、
6 条(正当事由)、7 条(建物の再築)、8 条、10 条(対抗力)、13 条(建物買取請求権)、
14 条、17 条(借地条件の変更)、19 条(賃借権の譲渡・転貸の許可)、
22 条〜24 条(定期借地権等)。2026-08-01 に e-Gov の条文原文と突合済み。

0. どういう制度か

土地を借りて家を建てると、期間が切れたときに建物を壊して出ていくことになる。
それでは借りる側の投資が守られない。そこで、期間を長くとり、更新を原則とし、
出ていくときは建物を買い取らせる、という三重の保護が置かれている。

期間の数字は「最初は 30 年、あとは 20 年 → 10 年」と覚える。

存続期間
当初 30 年(これより長い定めは有効、短い定めは 30 年になる)
最初の更新後 20 年以上
2 回目以降の更新後 10 年以上

定期借地権は、この保護をあらかじめ外す代わりに要件を厳しくしたものである。

種類 期間 方式 用途
一般定期借地権(22 条) 50 年以上 書面(公正証書でなくてよい) 制限なし
事業用定期借地権(23 条) 10 年以上 50 年未満 公正証書に限る 事業用に限る
建物譲渡特約付借地権(24 条) 30 年以上 方式の定めなし 制限なし

引っかけの分かれ目は次の 3 つ。

1. 借地権と存続期間

根拠: 借地借家法 2 条 1 号、3 条、4 条、9 条

借地借家法が適用される「借地権」とは?

建物の所有を目的とする地上権または土地の賃借権(2 条 1 号)

資材置場・駐車場・ゴルフ場など、建物の所有を目的としない土地の賃貸借には
借地借家法が適用されない(民法だけが適用される)。

借地権の存続期間は?

30 年。契約でこれより長い期間を定めたときはその期間(3 条)

30 年未満の定めをしても 30 年になる。
借地権者に不利な特約は無効(9 条)。

更新後の存続期間は?

  • 最初の更新後 … 20 年
  • 2 回目以降の更新後 … 10 年

これより長い期間を定めることはできるが、短くはできない(4 条)。

2. 更新と正当事由

根拠: 借地借家法 5 条 1 項・2 項、6 条

更新を原則にしたうえで、地主が拒むには正当事由を要求する。
正当事由の中身を条文が列挙しているのは、地主の一方的な都合で追い出されるのを防ぐためである。

借地契約が更新されるのはどんな場合?

① 借地権者が更新を請求したとき(建物がある場合に限る)
② 期間満了後に借地権者が土地の使用を継続しているとき(同じく建物がある場合)
③ 当事者の合意

①②は、借地権設定者が遅滞なく異議を述べ、その異議に正当の事由があれば更新されない。

借地契約の更新拒絶に必要な「正当の事由」は、何を考慮して判断される?

  • 借地権設定者および借地権者が土地の使用を必要とする事情(主たる要素)
  • 借地に関する従前の経過
  • 土地の利用状況
  • 借地権設定者が申し出た財産上の給付(立退料)

立退料はあくまで補完的な要素で、それだけで正当事由にはならない。

3. 建物の再築と滅失

根拠: 借地借家法 7 条 1 項・2 項、8 条 1 項・2 項

建物は途中で建て替わるのが普通なので、残存期間を超える建物を建てたときに
期間を伸ばす仕組みが置かれている。承諾を要求するのは、地主にも影響があるからである。

存続期間中に建物が滅失し、借地権者が再築した。期間はどうなる?

借地権設定者の承諾があれば、承諾の日または再築の日のいずれか早い日から 20 年間存続する。

設定者が、通知を受けてから 2 か月以内に異議を述べなければ、承諾したものとみなす(7 条 2 項)。

更新後に建物が滅失した場合、借地権者は何ができる?

地上権の放棄または土地の賃貸借の解約の申入れができる(8 条 2 項)。

設定者の承諾を得ずに再築したときは、設定者が解約の申入れをでき、
いずれも申入れから 3 か月の経過で借地権が消滅する。

4. 対抗力と建物買取請求権

根拠: 借地借家法 10 条 1 項・2 項、13 条 1 項、14 条

賃借権の登記は地主の協力が要るので現実的でない。そこで自分だけでできる建物の登記を
対抗要件にした。出ていくときの建物買取請求権も、投資を無駄にしないための仕組みである。

借地権を第三者に対抗するには?

借地上に借地権者名義で登記された建物を所有していること(10 条 1 項)

賃借権の登記は不要。表示に関する登記でも足りる(判例)。
ただし他人名義(配偶者や子の名義)の登記では対抗できない。

借地上の建物が滅失した場合、対抗力はどうなる?

土地の上の見やすい場所に、建物を特定するために必要な事項・滅失日・再築する旨を
掲示すれば、滅失の日から 2 年間は対抗力が続く(10 条 2 項)

2 年以内に建物を築造して登記すれば、その後も対抗できる。

契約が更新されずに終了した。借地権者は何を請求できる?

建物買取請求権(借地権設定者に対し、建物等を時価で買い取るよう請求できる・13 条)

形成権なので、請求すれば売買契約が成立する。
借地権者の債務不履行で解除された場合には行使できない(判例)。

借地上の建物を買った第三者は、何を請求できる?

借地権設定者が賃借権の譲渡を承諾しないとき、
建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るよう請求できる(14 条)

5. 裁判所の許可と定期借地権

根拠: 借地借家法 17 条 1 項、19 条 1 項、22 条、23 条 1 項・2 項、24 条 1 項

借地権設定者が賃借権の譲渡・転貸を承諾しない。借地権者はどうできる?

裁判所に、承諾に代わる許可を求められる(19 条 1 項)

第三者が賃借権を取得しても設定者に不利となるおそれがないときに、
裁判所が許可を与える。

一般定期借地権(22 条)の要件は?

  • 存続期間 50 年以上
  • 更新しない・再築による期間延長をしない・建物買取請求をしない旨の特約
  • 書面(または電磁的記録)ですること

公正証書である必要はない。用途の制限もない。

事業用定期借地権(23 条)の要件は?

  • 専ら事業の用に供する建物の所有を目的とすること(居住用は不可)
  • 存続期間 10 年以上 50 年未満
  • 公正証書によってすること

期間 30 年以上 50 年未満なら更新等の排除特約を定める方式(23 条 1 項)、
10 年以上 30 年未満なら 3 条〜8 条・13 条が当然に適用されない(23 条 2 項)。

建物譲渡特約付借地権(24 条)の要件は?

借地権の設定から 30 年以上を経過した日に、
建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めること

書面である必要はない(口頭でも成立しうる)。
建物譲渡により借地権は消滅するが、建物の使用を継続する借地権者等が請求すれば、
期間の定めのない建物賃貸借が成立したものとみなされる。

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