住宅瑕疵担保履行法
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は履行確保法 2 条(定義)、11 条(資力確保措置)、12 条(届出)、13 条(契約締結の制限)、
15 条(供託所の所在地等の説明)、品確法 94 条・95 条(10 年間の瑕疵担保責任)。
2026-08-01 に e-Gov の条文原文と突合済み。
0. どういう制度か
品確法は、新築住宅の売主に引渡しから 10 年間の瑕疵担保責任を負わせている。
ところが売主が倒産すれば、責任があっても払えない。そこで
あらかじめ資力を確保させておくのがこの法律である。営業保証金と同じ発想を、
新築住宅の 10 年責任に向けて置いたもの。
資力確保の方法は 2 つで、どちらかを選ぶ(併用も可)。
| 方法 | 中身 |
|---|---|
| 住宅販売瑕疵担保保証金の供託 | 主たる事務所のもよりの供託所に、供給戸数に応じた額を供託 |
| 住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結 | 保険金額 2,000 万円以上、10 年以上有効な保険 |
日付は 3 つだけ覚える。基準日は毎年 3 月 31 日、届出は基準日から 3 週間以内、
届け出ないと基準日の翌日から 50 日を経過した日以後は新たに売れなくなる。
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 義務を負うのは「自ら売主となる業者」だけ(媒介・代理では負わない)
- 買主が宅建業者なら義務を負わない(8 種制限と同じ線引き)
- 供託所の説明は「契約を締結するまで」(37 条書面の交付時ではない)
1. 誰が、どの住宅について負うか
根拠: 履行確保法 2 条 1 項・2 項、11 条 1 項・2 項
対象を「新築住宅」に絞っているのは、構造の欠陥が隠れたまま渡るのが新築だから。
中古は買主が現況を見て判断でき、10 年責任そのものが課されていない。
資力確保措置の義務を負うのは誰?
自ら売主として、宅建業者でない買主に新築住宅を売る宅建業者
媒介・代理をするだけの業者は義務を負わない。
買主が宅建業者である場合も義務を負わない。
この法律でいう「新築住宅」とは?
建設工事の完了の日から 1 年を経過しておらず、かつ、まだ人の居住の用に供したことがない住宅
築 1 年以内でも、一度でも人が住めば新築住宅ではない。
資力確保措置がカバーする瑕疵の範囲は?
構造耐力上主要な部分と雨水の浸入を防止する部分の瑕疵(品確法 95 条)
引渡しの日から 10 年間の責任。設備や内装の不具合は対象外。
2. 資力確保措置の方法
根拠: 履行確保法 11 条 1 項、2 条 6 項・7 項
資力確保措置の 2 つの方法は?
① 住宅販売瑕疵担保保証金の供託
② 住宅販売瑕疵担保責任保険契約の締結
両方を組み合わせてもよい。物件ごとにどちらかを選べる。
供託する保証金の額はどう決まる?
基準日前 10 年間に引き渡した新築住宅の戸数に応じて決まる
このとき、床面積 55 平方メートル以下の住宅は 2 戸をもって 1 戸と数える。
供託先は主たる事務所のもよりの供託所。
住宅販売瑕疵担保責任保険契約の要件は?
- 国土交通大臣の指定を受けた住宅瑕疵担保責任保険法人と締結する
- 保険金額が 2,000 万円以上
- 有効期間が引渡しから 10 年以上
- 業者が保険料を支払うもので、業者が責任を履行できないときは買主が直接請求できる
3. 届出と、届出を怠ったときの制限
根拠: 履行確保法 12 条 1 項、13 条
届出は「資力が本当に確保されているか」を役所が確かめる唯一の機会である。
出さなければ確かめようがないので、新たに売ること自体を止めるという強い効果が付いている。
資力確保措置の状況は、いつ届け出る?
基準日(毎年 3 月 31 日)から 3 週間以内に、免許権者へ届け出る
基準日は年 1 回。届出先は免許権者(供託所ではない)。
届出をしなかった業者はどうなる?
基準日の翌日から起算して 50 日を経過した日以後、
新たに自ら売主となる新築住宅の売買契約を締結できない
すでに締結済みの契約が無効になるわけではない。
4. 買主への説明
根拠: 履行確保法 15 条
保証金を供託した業者は、買主に何をいつ説明する?
供託所の所在地・名称等を、売買契約を締結するまでに、書面を交付して説明する
37 条書面の交付時ではなく契約前である点に注意。
買主の承諾があれば電磁的方法で提供できる。
保険で資力を確保した場合も、供託所の説明は必要?
不要
15 条の説明義務は、供託によって資力を確保した場合の話。
保険の場合は、保険契約の内容が 35 条書面の説明事項となる。