クーリングオフ
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は宅建業法 37 条の 2、同 78 条 2 項(業者間取引の適用除外)、施行規則 16 条の 5(「事務所等」の範囲)、
同 16 条の 6(告知書面の記載事項)。
過去問の文言は使わず、条文上の要件を「間違えやすい分かれ目」ごとに 1 枚に割っている。
2026-08-01 に e-Gov の条文原文と突合済み。
1. 誰に適用されるか
根拠: 宅建業法 37 条の 2 第 1 項、78 条 2 項
クーリングオフが使えるのは、どんな当事者どうしの売買契約か?
売主が宅建業者で、買主が宅建業者でない場合の売買
いわゆる「自ら売主制限(8 種制限)」の一つ。
業者どうしの取引には適用されない。
売主が業者でなく、業者が媒介しているだけの取引にも適用されない。
2. どこで申し込んだか(場所の要件)
根拠: 宅建業法 37 条の 2 第 1 項、施行規則 16 条の 5
事務所で買受けの申込みをし、後日ホテルのロビーで契約を結んだ。クーリングオフできる?
できない
判断の基準は「買受けの申込みをした場所」。
申込みが事務所等であれば、契約の場所が事務所等以外でも撤回できない。
喫茶店で買受けの申込みをし、後日その業者の事務所で契約を結んだ。クーリングオフできる?
できる
見るのは申込みの場所だけ。
契約を事務所で結んでいても、申込みが事務所等以外なら撤回できる。
喫茶店で買受けの申込みをした。クーリングオフできる?
できる
喫茶店・ホテルのロビーなどは「事務所等」に当たらない。
場所が事務所等かどうかで決まり、誰がその場所を指定したかは関係ない。
買主が「喫茶店で説明を聞きたい」と申し出て、その喫茶店で買受けの申込みをした。クーリングオフできる?
できる
買主が申し出れば「事務所等」になるのは、自宅と勤務先だけ。
喫茶店・レストランは、買主が指定しても事務所等にならない。
買主が自ら「自宅で説明を聞きたい」と申し出て、自宅で買受けの申込みをした。クーリングオフできる?
できない
条文の要件は「その自宅または勤務先において売買契約に関する説明を受ける旨を申し出た場合」。
このとき、その自宅・勤務先は「事務所等」として扱われる。
業者のほうから頼んで買主の自宅を訪問し、その場で買受けの申込みを受けた。クーリングオフできる?
できる
「事務所等」になるのは買主が申し出た場合の自宅・勤務先だけ。
業者側から持ちかけた訪問は含まれない。
土地に定着しないテント張りの案内所で買受けの申込みをした。クーリングオフできる?
できる
「事務所等」に当たる案内所は土地に定着するもの(かつ専任の宅建士を置くべき場所)。
テント張りのような仮設のものは含まれない。
売主業者から媒介の依頼を受けた別の宅建業者の事務所で、買受けの申込みをした。クーリングオフできる?
できない
売主業者から媒介・代理の依頼を受けた宅建業者の事務所等も「事務所等」に含まれる。
3. いつまでできるか(期間の要件)
根拠: 宅建業法 37 条の 2 第 1 項 1 号、施行規則 16 条の 6
クーリングオフができなくなるのは何日経ったとき?その日数はいつから数える?
撤回できる旨とその方法を書面で告げられた日から起算して 8 日を経過したとき
初日を算入して数える(告げられた日が 1 日目)。
業者からクーリングオフについて書面で告げられておらず、引渡しも代金の支払いもまだ。契約から 1 か月経った。まだできる?
できる
8 日の期間は「書面で告げられた日」から進む。
告知が無ければ期間は進行しないので、1 か月後でも撤回できる。
ただし期間とは別枠で「引渡し+代金全部」でも撤回できなくなる。
告知が無くても、決済まで済んでいればもうできない。
書面で告げられたが、その書面に法定の記載事項が欠けていた。8 日を過ぎたらもうできない?
できる(8 日は進行しない)
告知は、施行規則が定める記載事項をすべて載せた書面を交付して行う必要がある。
不備のある書面は適法な告知にならないので、期間の起算が始まらない。
4. 履行が進んだ場合
根拠: 宅建業法 37 条の 2 第 1 項 2 号
期間内であっても、クーリングオフができなくなる「履行」の条件は?
買主が物件の引渡しを受け、かつ、代金の全部を支払ったとき
「かつ」が分かれ目。
引渡しを受けただけ、あるいは代金を全額払っただけでは、まだ撤回できる。
5. やり方と効果
根拠: 宅建業法 37 条の 2 第 1 項・2 項・3 項・4 項
クーリングオフはどうやって行い、いつ効力が生じる?
書面で行い、その書面を発した時に効力が生じる(発信主義)
到達した時ではない。
8 日以内に発していれば、業者に届いたのが 9 日目でも有効。
クーリングオフされた業者は、受け取った手付金をどうする?損害賠償は請求できる?
受領した手付金その他の金銭を速やかに返還しなければならない。
損害賠償や違約金の請求はできない
撤回されたことを理由に業者側が金銭を請求することは認められていない。
「クーリングオフができる期間を 5 日とする」と合意した。この特約は有効?
無効
申込者等に不利な特約は無効。
逆に「10 日とする」のような買主に有利な特約は有効。