日本の気候と風水害
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領「地理総合」C (1) ア (ア) の「地域の自然環境の特色と自然災害への備えや対応との関わり」。内容の取扱いは、地震や津波と並んで
風水害を取り上げるよう求めています。このノートは、日本の気候がなぜ大雨・強風・大雪をもたらすのかと、
それが急な地形と重なったときにどんな災害になるのかを扱います。
0. 何を押さえるか
日本はユーラシア大陸の東の縁にあって、夏と冬で風向きが入れ替わる季節風(モンスーン)の影響を強く受けます。
そこに梅雨前線と台風が加わり、雨が一時期に集中します。山がちで川が短く急なので、降った雨は一気に下流の平野へ集まります。
| 風水害 | 主な原因 | 起こりやすい土地 |
|---|---|---|
| 洪水(外水氾濫) | 大雨で川の水があふれ、堤防を越えたり壊したりする | 川沿いの低地、旧河道、後背湿地 |
| 内水氾濫 | 大雨を排水しきれず、堤防の内側に水がたまる | 都市の低い土地、地下街・地下道 |
| 土砂災害 | 大雨や地震で斜面が崩れる | 山地の斜面、谷の出口、扇状地 |
| 高潮 | 台風などで海面が持ち上がる | 湾の奥、海抜ゼロメートル地帯 |
| 雪害 | 冬の季節風がもたらす大雪 | 日本海側の山沿い |
取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。
- 外水氾濫は川の水が堤防の外へあふれる、内水氾濫は堤防の内側の雨水が排水できずにたまる。内水氾濫は川があふれていなくても起こる
- 高潮は気圧と風で海面が上がる現象、津波は海底の変動で起こる現象。原因がまったく違う
- 冬に日本海側で雪が多いのは、北西の季節風が日本海で水蒸気を補給し、山地にぶつかるから。太平洋側はその風が山を越えたあとなので乾いた晴天になる
1. 日本の気候の特色
根拠: 学習指導要領 地理総合-C-(1)-ア-(ア)
季節風は、大陸と海洋の温まり方・冷え方の違いから生まれます。日本では夏は太平洋から南東の季節風が、冬は大陸から北西の季節風が吹きます。
日本で、夏と冬に吹く季節風の向きは?
夏は南東の季節風、冬は北西の季節風
夏は海洋から湿った風が吹き、冬は大陸から冷たい風が吹く。
冬に日本海側で雪が多くなるのはなぜか?
北西の季節風が日本海を渡るあいだに水蒸気を得て、脊梁山脈にぶつかって雪を降らせるから
山を越えた太平洋側では乾いた風になり、晴れの日が多い。日本海側の山沿いでは大雪による雪害やなだれが起こる。
初夏に日本付近に停滞して長雨をもたらす前線を何という?
梅雨前線
北の冷たい気団と南の暖かく湿った気団の境にできる停滞前線。北海道では梅雨がはっきりしない。
熱帯の海上で発生した熱帯低気圧のうち、北西太平洋にあって最大風速がおよそ 17 m/s 以上に発達したものを何という?
台風
夏から秋に日本付近へ北上し、大雨と強風、高潮をもたらす。
2. 洪水と河川
根拠: 学習指導要領 地理総合-C-(1)-ア-(ア)
日本の川は、大陸の川と比べて短く、流れが急です。雨が降ると水位が短い時間で上がり、下流の平野にある都市が洪水にさらされます。
大陸の大河と比べたときの、日本の川の特色は?
長さが短く、流れが急
降った雨が短い時間で海まで流れ下るため、大雨のあと水位が急に上がりやすい。
大雨のとき、川の水が堤防を越えたり堤防を壊したりしてあふれる氾濫を何という?
外水氾濫
氾濫した水は、川沿いの低地や旧河道、自然堤防の背後の後背湿地に広がりやすい。
大雨のとき、市街地に降った雨が川や下水道へ排水しきれずに、堤防の内側にあふれる氾濫を何という?
内水氾濫
川そのものはあふれていなくても起こる。
都市化で地表がアスファルトやコンクリートに覆われると、なぜ水害が起こりやすくなるのか?
雨水が地面にしみこまず、短い時間で下水道や川に集まるから
こうした水害を都市型水害という。地下街や地下駐車場は浸水の危険が大きい。
3. 土砂災害と高潮
根拠: 学習指導要領 地理総合-C-(1)-ア-(ア)
山地が国土の多くを占め、雨が集中する日本では、土砂災害が毎年のように起こります。海沿いでは、台風が高潮をもたらします。
土砂災害の 3 つの種類は?
がけ崩れ・土石流・地すべり
土石流は谷の土砂が一気に流れ下るもの、地すべりは斜面の広い範囲がゆっくり動くもの。
台風や発達した低気圧が近づいたとき、海面が異常に高くなる高潮が起こる 2 つの原因は?
気圧が下がって海面が吸い上げられること(吸い上げ効果)と、強い風で海水が海岸に吹き寄せられること(吹き寄せ効果)
湾の奥や、海面より低い海抜ゼロメートル地帯で被害が大きくなる。
短時間の強い雨を同じ場所に降らせ続ける、次々と発生した積乱雲が列になって停滞する雨域を何という?
線状降水帯
数時間にわたって同じ地域に大雨が続き、洪水や土砂災害を引き起こす。