南アジア
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領「地理探究」B (2) ア (ア) の「諸地域に見られる地域的特色や地球的課題などについて理解すること」を、南アジアを例に扱います。
季節風(モンスーン)の雨の多少が作物の地域差を生み、インドは 1991 年からの経済自由化で ICT 産業などが成長した、という流れが地域的特色の柱です。
サイクロンによる水害や、急速な人口増加と貧困は、この地域の地球的課題です。
0. 何を押さえるか
| 地域 | 降水 | 主な作物 | 理由 |
|---|---|---|---|
| アッサム地方・スリランカの高地 | 多い | 茶 | 多雨で水はけのよい斜面 |
| ガンジス川下流・デルタ | 多い | 稲、ジュート | 高温多雨の低地 |
| デカン高原 | やや少ない | 綿花 | 肥沃な黒色土のレグール |
| パンジャブ地方(インダス川上流) | 少ない | 小麦 | 灌漑で補う |
取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。
- 雨をもたらすのは夏の南西季節風。風上の西ガーツ山脈の西側やアッサム地方で多雨、山脈の風下のデカン高原は少雨
- ガンジス川の下流は稲とジュート、上流からパンジャブは小麦。東ほど雨が多く、西ほど乾燥する
- インドは宗教ではヒンドゥー教中心、パキスタン・バングラデシュはイスラーム中心。1947 年の独立で宗教の違いにより分かれた
1. 季節風と自然
根拠: 学習指導要領 地理探究-B-(2)-ア-(ア)
南アジアは北をヒマラヤ山脈に区切られ、夏にインド洋から吹く南西の季節風が大量の雨をもたらします。
雨季の雨の量と時期は、農業の収穫を左右します。
南アジアで、6 月ごろから雨季をもたらす風は?
南西(夏)の季節風(モンスーン)
インド洋から湿った空気を運ぶ。冬は大陸から乾いた北東の季節風が吹き、乾季になる。
インドのデカン高原が、同じ緯度の西海岸より降水量が少ないのはなぜか?
南西季節風に対して西ガーツ山脈の風下になるから
湿った風は山脈の西側の斜面で雨を降らせ、山を越えると乾いた風になる。
ベンガル湾で発生し、バングラデシュの低いデルタに高潮による大きな被害をもたらしてきた熱帯低気圧を何という?
サイクロン
ガンジス川のデルタは標高が低く、人口も密集しているため、被害が大きくなりやすい。
2. 季節風と農業
根拠: 学習指導要領 地理探究-B-(2)-ア-(ア)
雨の多い東部では稲やジュート、乾燥する西部では灌漑による小麦、高原では綿花というように、降水量の差が作物の地域差になっています。
インドのデカン高原が綿花の産地になっている、土壌の条件は何か?
玄武岩が風化してできた、保水性がよく肥沃な黒色土(レグール)が分布すること
デカン高原は西ガーツ山脈の風下で雨がやや少ないが、この土が水を保つ。
ガンジス川下流のデルタで栽培され、袋や敷物の繊維の原料となる作物は?
ジュート
高温多雨で水の豊かな低地に向く。インド東部とバングラデシュが主な産地。
インド北西部からパキスタンにかけてのパンジャブ地方で、少ない雨を補い小麦の栽培を支えているのは?
灌漑
インダス川の水系を使った用水路が整備されている。緑の革命で高収量品種が広まり、生産が大きく伸びた。
インド北東部のアッサム地方やスリランカの高地が、茶の産地となっているのはなぜか?
雨が多く、水はけのよい丘陵や斜面があるから
茶は多雨を好むが、根が水につかるのを嫌う。イギリスの植民地時代にプランテーションが開かれた。
インドで 1970 年代以降に進められた、牛乳の生産と流通を大きく増やした取組を何という?
白い革命
菜食の人が多いインドでは、牛乳や乳製品が重要なたんぱく源になっている。
3. インドの産業と ICT
根拠: 学習指導要領 地理探究-B-(2)-ア-(ア)
インドは独立後、国営企業を中心とする保護的な経済を続けましたが、1991 年から経済自由化に転じ、外国企業の進出が増えました。
とくにソフトウェアの開発などの ICT(情報通信技術)産業が成長しました。
インドが規制をゆるめ、外国の資本を受け入れる方向へ経済政策を転換したのは何年からか?
1991 年
経済自由化の後、自動車などの製造業や ICT 産業に外国企業が進出した。
インド南部のベンガルール(バンガロール)に ICT 産業が集まった、都市としての条件は?
標高が高めで気候が比較的過ごしやすく、大学や研究機関が多いこと
「インドのシリコンバレー」とも呼ばれる。インド全体の条件としては、英語を使える技術者の多さやアメリカ合衆国との時差もある。
インドで ICT 産業が成長した条件として挙げられるものは?
英語を使える技術者が多いこと、アメリカ合衆国との時差を生かして仕事を引き継げること
理数系の教育を受けた人材が豊富で、賃金も比較的安い。新しい職業のため、カーストによる職業の結び付きにしばられにくいともいわれる。
4. 宗教と言語
根拠: 学習指導要領 地理探究-B-(2)-ア-(ア)
南アジアは宗教・言語ともに多様で、それが国の分かれ方や民族の対立にも結び付いてきました。
インドとパキスタンの間には、カシミール地方の帰属をめぐる対立が続いています。
1947 年にイギリスから独立するとき、インドとパキスタンが別々の国に分かれた主な理由は?
宗教の違い(ヒンドゥー教徒が多い地域とイスラームの信者が多い地域)
当時のパキスタンは東西に分かれており、東パキスタンは 1971 年にバングラデシュとして独立した。
インドで、ヒンディー語と並んで、公的な場面や異なる言語の人どうしで広く使われている言語は?
英語
インドでは多くの言語が使われ、ヒンディー語が連邦の公用語、英語が準公用語とされる。北部はインド・ヨーロッパ系、南部はドラヴィダ系の言語が中心。
スリランカで長く対立が続いた、多数派の仏教徒の民族と、少数派のヒンドゥー教徒の民族は?
シンハラ人とタミル人
タミル人は南インドとのつながりが深い。内戦は 2009 年に終結した。