人口分布と人口転換
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領「地理探究」A (4) ア (ア) の「人口,都市・村落などに関わる諸事象」と、「人口,居住・都市問題の現状や要因,解決に向けた取組」。
このノートは、人が地球のどこに住んでいるか(人口分布)と、出生と死亡の変化で人口がどう移り変わるか(人口転換)、それを形で表す人口ピラミッドを扱います。
0. 何を押さえるか
人口は、出生率と死亡率の組み合わせで 3 つの段階を移っていきます。
| 段階 | 出生率 | 死亡率 | 人口の増え方 | 人口ピラミッドの型 |
|---|---|---|---|---|
| 多産多死 | 高い | 高い | 小さい | 富士山型(ピラミッド型) |
| 多産少死 | 高い | 下がる | 急に増える(人口爆発) | 富士山型(すそが広い) |
| 少産少死 | 低い | 低い | 小さい、やがて減る | 釣鐘型 → つぼ型 |
世界や各国の人口の数、人口の多い国の順位は動くので、このノートでは扱いません。
取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。
- 死亡率が先に下がり、出生率はあとから下がる。その間のずれが人口爆発を生む
- 自然増加は出生と死亡の差、社会増加は転入と転出の差。都市の人口は社会増加で増えやすい
- 星型は人の集まる都市、ひょうたん型は若者が出ていく農村。生産年齢人口の出入りで形が決まる
1. 人口分布とエクメーネ
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(4)-ア-(ア)
人が住めるかどうかは、気温・水・標高などの自然条件で大きく決まります。人は住みやすい所に偏って集まっています。
人が日常的に住み、生活している地域を何というか? 反対に、人が住んでいない地域は?
エクメーネ(居住地域)とアネクメーネ(非居住地域)
アネクメーネは、寒すぎる極地、水の無い砂漠、高すぎる山地などに広がる。
人が住める範囲の限界を決める自然条件を 3 つ挙げると?
寒さ(寒冷限界)、乾燥(乾燥限界)、標高の高さ(高距限界)
技術の進歩でエクメーネは広がってきた。灌漑は乾燥限界を、寒さに強い作物の開発は寒冷限界を押し広げた。
世界の人口が特に集中している、アジアの季節風の影響を受ける地域を何というか? なぜ人口が多いのか?
モンスーンアジア。夏の雨を生かした稲作で、狭い土地から多くの食料が得られるから
東アジア・東南アジア・南アジアの平野に人口が密集している。
2. 人口の増え方と人口転換
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(4)-ア-(ア)
人口の増減は、生まれる・亡くなる(自然増減)と、移り住む(社会増減)の 2 つに分けて考えます。
出生数から死亡数を引いた人口の増減と、転入数から転出数を引いた人口の増減を、それぞれ何というか?
自然増加(自然増減)と社会増加(社会増減)
大都市は、若者が流れ込む社会増加で人口が増えやすい。過疎地は両方とも減りやすい。
人口が「多産多死」から「多産少死」を経て「少産少死」へ移っていくことを何というか?
人口転換
先進国は 19 世紀から 20 世紀にかけてこの道をたどった。発展途上国の多くは、いま多産少死から少産少死へ移る途中にある。
人口転換で、死亡率が出生率より先に下がるのはなぜか?
医療・衛生・栄養の改善は比較的早く効果が出る(発展途上国では先進国の技術を取り入れて進められる)から
出生率が下がるには、教育の普及や女性の社会進出、子どもを働き手とみなす考え方の変化など、社会の変化を待つ必要がある。
多産少死の段階で人口が急激に増えることを何というか?
人口爆発
第二次世界大戦後、アジア・アフリカ・ラテンアメリカの発展途上国で起きた。
3. 人口ピラミッドの型
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(4)-ア-(ア)
男女別・年齢別に人口を積み上げたグラフが人口ピラミッドです。形を見れば、その国や地域の人口の段階が分かります。
すそが広く、上に行くほど急に細くなる人口ピラミッドを何型というか? どんな段階の国に多いか?
富士山型(ピラミッド型)。出生率が高い発展途上国
子どもの数が多く、高齢になるまでに亡くなる人も多いので、上ほど細い。
子どもから中年まではほぼ同じ幅で、高齢になってから細くなる人口ピラミッドを何型というか?
釣鐘型
出生率と死亡率がともに低く、人口がほとんど増えも減りもしない段階。
すそが狭く、中ほどが膨らんだ人口ピラミッドを何型というか? 人口はこれからどうなるか?
つぼ型。子どもが少ないので、人口は減っていく
出生率が人口を保てる水準より下がった国に見られる。日本や多くのヨーロッパの国がこの型。
若い働き手が流れ込む都市と、若者が出ていく農村では、それぞれどんな形の人口ピラミッドになるか?
都市は星型(生産年齢人口が膨らむ)、農村はひょうたん型(生産年齢人口がくびれる)
国全体の型とは別に、人の移動によって地域ごとの形が変わる。
4. 出生と高齢化を測る目安
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(4)-ア-(ア)
少子化と高齢化の進み具合は、決まった指標で比べます。
1 人の女性が一生の間に産む子どもの数の平均にあたる指標を何というか? 人口を保つにはおよそどれくらい必要か?
合計特殊出生率。およそ 2.1
2.1 を人口置換水準という。2 ではなく少し上なのは、大人になる前に亡くなる人がいるため。
全人口に占める 65 歳以上の割合が 7 % を超えた社会、14 % を超えた社会、21 % を超えた社会を、それぞれ何というか?
高齢化社会(7 %)、高齢社会(14 %)、超高齢社会(21 %)
日本は 7 % から 14 % までの期間が短く、世界でも速く高齢化が進んだ国とされる。