ケッペンの気候区分
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領「地理探究」A (1) ア (ア) の「地形,気候,生態系などに関わる諸事象を基に,それらの事象の空間的な規則性,傾向性や,地球環境問題の現状や要因,解決に向けた取組などについて理解すること」。
このノートは、世界の気候を植生の違いに着目して分けたケッペンの気候区分を扱います。基準の数値と記号の意味を押さえれば、雨温図から気候区を判定できます。
0. 何を押さえるか
ケッペンは、まず樹木が育つかどうかで気候を分け、次に気温と降水の季節配分で細かく分けました。
| 気候帯 | 記号 | 基準 | 樹林 |
|---|---|---|---|
| 熱帯 | A | 最寒月平均気温 18℃以上 | 樹林あり |
| 乾燥帯 | B | 年降水量が乾燥限界より少ない | 樹林なし |
| 温帯 | C | 最寒月平均気温 −3℃以上 18℃未満 | 樹林あり |
| 冷帯(亜寒帯) | D | 最寒月平均気温 −3℃未満、最暖月平均気温 10℃以上 | 樹林あり |
| 寒帯 | E | 最暖月平均気温 10℃未満 | 樹林なし |
取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。
- A・C・D は最寒月、E は最暖月の気温で決まる。樹木が育つには夏に 10℃以上が要る
- 小文字の w は「冬に乾燥」、s は「夏に乾燥」。s は summer ではなく「夏に少雨」と結び付ける
- D(冷帯)は北半球にしかない。南半球には、それに当たる緯度に大きな陸地がない
1. 区分の考え方と記号
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(1)-ア-(ア)
ケッペンは、植物の分布が気候をよく映すと考えて、植生の境目に合う気温と降水量の値を区分の基準にしました。
ケッペンの気候区分で、樹林が育つ気候(樹林気候)と育たない気候(無樹林気候)に当たる記号は?
樹林気候は A・C・D、無樹林気候は B・E
B は水が足りず、E は暖かさが足りずに樹木が育たない。
ケッペンの記号の 2 文字目、f・w・s はそれぞれ降水のどんな特徴を表すか?
f は年中湿潤、w は冬に乾燥(冬季少雨)、s は夏に乾燥(夏季少雨)
たとえば Cw は冬に雨が少ない温帯、Cs は夏に雨が少ない温帯(地中海性気候)。
ケッペンの区分にはもともと無く、のちに加えられた、標高の高い地域の気候を何というか?
高山気候(H)
緯度のわりに気温が低い。低緯度の高山では、年較差が小さく日較差が大きい。アンデス山脈やチベット高原などに分布する。
2. 熱帯と乾燥帯
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(1)-ア-(ア)
熱帯は一年中暑く、降水の季節による違いで区分されます。
乾燥帯は、気温で決まる「乾燥限界」の降水量を下回るかどうかで決まります。
熱帯雨林気候(Af)とサバナ気候(Aw)の違いは何か?
Af は一年中雨が多く、Aw は雨季と乾季がはっきりしている
Af は赤道付近に分布し、密林が茂る。Aw はその外側に分布し、疎林と長い草の草原になる。
熱帯モンスーン気候(Am)は、Af・Aw と比べてどんな気候か?
短い(弱い)乾季があるが、年降水量が多く樹林が育つ気候
Af と Aw の中間の性格をもつ。季節風の影響を受ける地域に多い。
乾燥帯のうち、ステップ気候(BS)と砂漠気候(BW)は、何で分けられるか?
年降水量が乾燥限界の半分以上なら BS、半分未満なら BW
BS には短い草の草原(ステップ)が広がり、BW は植生がほとんど見られない。BS は BW の周りに分布することが多い。
乾燥限界の値は、気温が高い地域ほど大きくなる。なぜか?
気温が高いほど蒸発する水の量が多いので、同じ降水量でも乾燥しやすいから
そのため同じ年降水量でも、寒い地域では樹林が育ち、暑い地域では草原や砂漠になることがある。
3. 温帯と冷帯
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(1)-ア-(ア)
温帯は、降水の季節配分と夏の暑さで 4 つに分かれます。
冷帯は冬の寒さが厳しく、降水の季節配分で 2 つに分かれます。
温暖湿潤気候(Cfa)と西岸海洋性気候(Cfb)は、何で分けられるか?
最暖月平均気温が 22℃以上なら Cfa、22℃未満なら Cfb
どちらも年中湿潤。Cfa は夏が暑い大陸東岸(日本の大部分など)、Cfb は夏が涼しい大陸西岸(西ヨーロッパなど)に分布する。
地中海性気候(Cs)と温暖冬季少雨気候(Cw)は、雨の多い季節がどう違うか?
Cs は冬に雨が多く夏に乾燥、Cw は夏に雨が多く冬に乾燥
Cs は大陸西岸の緯度 30〜40 度付近、Cw は季節風の影響が強い中国南部やインド北部などに分布する。
冷帯冬季少雨気候(Dw)が分布するのは、世界のどの地域か? なぜ冬に雨が少ないか?
ユーラシア大陸の北東部(シベリア東部から中国東北部)。冬にシベリア高気圧が発達して乾燥するから
冬は極めて寒く、気温の年較差が非常に大きい。Df(冷帯湿潤気候)は、北アメリカ北部とユーラシア大陸北部に広い。
冷帯(D)が北半球にしか分布しないのはなぜか?
南半球では、冷帯になるはずの緯度帯に大きな陸地がないから
冷帯は冬に大陸が強く冷えてできる気候。南半球のその緯度帯はほとんど海で、海洋の影響で冬の寒さが和らぐ。
4. 寒帯
根拠: 学習指導要領 地理探究-A-(1)-ア-(ア)
寒帯は夏でも気温が低く、樹木が育ちません。短い夏に地表がとけるかどうかで 2 つに分かれます。
ツンドラ気候(ET)と氷雪気候(EF)は、何で分けられるか?
最暖月平均気温が 0℃以上 10℃未満なら ET、0℃未満なら EF
ET では短い夏にだけ地表の氷がとけ、コケ類や地衣類が生える。EF は一年中氷と雪に覆われる(南極大陸・グリーンランド内陸)。
ツンドラ気候の地域で、地中が一年中凍ったままの層を何というか?
永久凍土
夏にとけるのは地表の浅い部分だけで、水が地下にしみ込めず湿地ができる。建物の熱で凍土がとけて傾かないよう、高床にする工夫がある。