島弧-海溝系の火成活動
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (2) ア (ア) ㋒「火成活動」。
告示は「島弧-海溝系における火成活動の特徴」を理解することを求め、
内容の取扱いは火山災害にも触れることを求めている。
0. どういう論点か
日本の火山は「どこにでもある」わけではなく、海溝と平行な帯に並びます。
その並び方が、マグマのでき方(→ マグマの発生)の証拠になっています。
| 観察される事実 | 何を示すか |
|---|---|
| 火山が海溝から一定の距離より内側にしかない | プレートが一定の深さに達して初めて水を出す |
| 火山の分布の海溝側の限界がはっきりしている | それが火山フロント(火山前線) |
| 島弧の火山は安山岩質が多い | 地殻の物質が混ざり、分化も進む |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 火山は海溝の上(すぐ陸側)ではなく、100 km 以上内側から始まる
- 火山フロントより海溝側には火山が無い
- 火山の形はマグマのねばりけで決まる(噴出量ではない)
1. 火山フロントと島弧の火成活動
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(ア)-㋒
島弧-海溝系とは何?
海溝とそれに平行な弧状の列島(島弧)が対になった地形の組み合わせ
日本列島と日本海溝が代表例。
火山フロント(火山前線)とは?
火山の分布の、海溝側の境界線
これより海溝側には火山が無い。
火山フロントが海溝から 100〜300 km 内側にあるのはなぜ?
沈み込んだプレートが深さ 100 km 前後に達して初めて水を放出し、マグマができるから
浅いところではまだマグマができない。
島弧の火山の並びは、海溝に対してどうなっている?
海溝とほぼ平行な帯状に並ぶ
東日本では奥羽山脈沿いに火山が並ぶ。
島弧に安山岩質のマグマが多いのはなぜ?
マントルでできた玄武岩質マグマが、地殻の岩石を溶かしこんだり分化したりするため
「安山岩(andesite)」の名はアンデス山脈に由来する。
海嶺の火成活動と島弧の火成活動は、マグマの性質がどう違う?
海嶺は玄武岩質が主、島弧は安山岩質が主(流紋岩質も出る)
水が関わるかどうかで違いが出る。
2. 噴火の様式と火山の形
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(ア)-㋒
火山の形は主に何で決まる?
マグマのねばりけ(粘性)
流れやすいほど平たく、ねばいほど盛り上がる。
盾状火山・成層火山・溶岩ドームは、それぞれどんなマグマでできる?
盾状火山は玄武岩質(流れやすい)、成層火山は安山岩質、溶岩ドームは流紋岩質(ねばい)
日本の多くは成層火山。
成層火山とは?例を挙げると?
溶岩と火山砕屑物が交互に積み重なった円錐形の火山。富士山・浅間山
噴火の様式が変わるため層になる。
カルデラはどうやってできる?
大量の噴出物を一気に出したあと、空いた地下の空間に向かって陥没してできる
阿蘇・屈斜路・姶良など。
火砕流とは?
高温の火山灰・軽石と火山ガスが混ざり、高速で斜面を流れ下る現象
数百 ℃ で時速 100 km を超えることもあり、もっとも危険。
火山砕屑物(テフラ)を粒の大きさで 3 つに分けると?
火山灰(2 mm 以下)・火山礫(2〜64 mm)・火山岩塊(64 mm 以上)
軽石やスコリアは、多孔質のものの呼び名。
3. 火山災害と噴火の予測
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(ア)-㋒
火山災害は、噴火そのものより「離れた場所まで届くもの」が問題になります。
火山災害を 5 つ挙げると?
火砕流、火山灰の降灰、溶岩流、火山泥流(土石流)、火山ガス
山体崩壊や噴石も含む。
火山灰が広い範囲に降ると、どんな被害が出る?
農作物の被害、交通(航空機)の停止、送電・水道の障害、健康被害
風に乗って数百 km 運ばれる。
溶岩流と火砕流では、避難のしかたがどう違う?
溶岩流は遅いので避難できるが、火砕流は速すぎるため近づかないことが唯一の対策
火砕流は時速 100 km に達する。
噴火の後、雨が降ると起こりやすい災害は?
火山泥流(土石流)
積もった火山灰が流されるため、噴火が収まっても危険が続く。
噴火の前兆として観測されるものを 3 つ挙げると?
火山性地震・微動の増加、山体の膨張(地殻変動)、火山ガスの量と組成の変化
これらを常時観測して警戒レベルが判断される。
火山ハザードマップは何を示す?
噴火したときに、どの範囲にどんな現象が及びうるか
過去の噴火の記録と地形から作られる。