マグマの発生
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (2) ア (ア) ㋒「火成活動」。
告示は「島弧-海溝系における火成活動の特徴を,マグマの発生と分化及び火成岩の形成と
関連付けて理解すること」を求めている。
0. どういう論点か
この単元でいちばん大事な論点です。 「熱くなったから溶ける」だけでは、
火山がなぜ特定の場所にあるのかを説明できません。溶ける理由は 3 通りあります。
| 溶け方 | 起こる場所 | 仕組み |
|---|---|---|
| 圧力が下がる(減圧融解) | 海嶺・ホットスポット | 上昇すると融点が下がる |
| 水が加わる | 沈み込み帯(島弧) | 水が融点を下げる |
| 温度が上がる | 下部地殻 | 上がってきたマグマに熱せられる |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- マグマは岩石の一部が溶けたもの(全部溶けるのではない=部分溶融)
- 水が加わると融点は下がる(上がるのではない)
- 圧力が上がると融点は上がるので、上昇=減圧で溶ける
1. 部分溶融
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(ア)-㋒
マグマとは何?
岩石が溶けた高温の流体(溶けた液体と、溶け残りの結晶・ガスを含む)
地表に出れば溶岩、地下で固まれば深成岩になる。
部分溶融とは?
岩石の一部だけが溶けること
鉱物によって融点が違うので、低いものから溶ける。
かんらん岩が部分溶融すると、どんな組成のマグマができる?
玄武岩質マグマ(もとの岩石より SiO₂ に富む)
溶けやすい成分から溶けるため。
マグマがまわりの岩石より上昇するのはなぜ?
溶けると密度が小さくなるから(浮力が働く)
割れ目を伝って上昇し、マグマだまりをつくる。
マグマだまりとは?
地殻の中でマグマが一時的にたまっている場所
ここで冷える間に成分が変わる(→ マグマの分化と火成岩)。
2. 圧力と水が融点を変える
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(ア)-㋒
圧力が高くなると、岩石の融点はどうなる?
高くなる
だから深部の高温でも溶けずにいられる。
マントル物質が上昇すると溶けるのはなぜ?
圧力が下がって融点が下がり、温度が融点を上まわるから(減圧融解)
温度はほぼそのままでも溶ける。
海嶺でマグマができる仕組みは?
プレートが左右に離れ、その隙間を埋めるようにマントルが上昇して減圧融解する
玄武岩質マグマが大量にできる。
水が加わると、岩石の融点はどうなる?
下がる
同じ温度でも溶けるようになる。
沈み込み帯で水はどこから来る?
沈み込む海洋プレートが含んでいた水(含水鉱物として運ばれた水)
深くなると圧力・温度が上がり、水が放出される。
沈み込み帯のマグマ発生を順に説明すると?
①プレートから水が放出される ②上にあるマントルの融点が下がる ③部分溶融してマグマができる
だから海溝からある距離だけ離れたところで火山ができる。
3. マグマの性質を決めるもの
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(ア)-㋒
マグマのねばりけ(粘性)は、何で大きく変わる?
SiO₂(二酸化ケイ素)の量と温度
SiO₂ が多く温度が低いほどねばりけが大きい。
玄武岩質マグマと流紋岩質マグマでは、温度と粘性がどう違う?
玄武岩質は高温(約 1200 ℃)で流れやすく、流紋岩質は低温(約 900 ℃)でねばい
SiO₂ の量が 50 % 前後と 70 % 前後で違う。
マグマに含まれる揮発性成分(火山ガス)の主成分は?
水蒸気(次に二酸化炭素、二酸化硫黄)
圧力が下がると発泡し、噴火の原動力になる。
ねばりけの大きいマグマで爆発的な噴火が起こりやすいのはなぜ?
ガスが抜けにくく、圧力がたまってから一気に放出されるから
流れやすいマグマではガスが静かに抜ける。
大陸地殻の下でマグマができるとき、地殻の岩石が溶けて混ざることがある。何が起こる?
マグマの SiO₂ が増え、より流紋岩質(ねばい)になる
大陸の火山で爆発的な噴火が多い理由のひとつ。