地殻変動と活断層
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (2) ア (ア) ㋑「地震と地殻変動」。
内容の取扱いは「地震活動の特徴」については地震災害にも触れ、「地殻変動」については
活断層と地形との関係にも触れることを求めている。
0. どういう論点か
地殻変動は「地震のときに一度に起こる動き」と「長い時間をかけてたまる動き」の
2 つの時間スケールで見ます。
| 時間 | 何が見えるか | 測り方 |
|---|---|---|
| 地震の瞬間 | 隆起・沈降・水平移動 | 測量、GNSS、干渉 SAR |
| 数十〜数百年 | ひずみの蓄積 | GNSS の連続観測 |
| 数万〜数十万年 | 段丘・変位地形 | 地形と地層の観察 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 活断層は「今後も動く可能性がある断層」(現在動いている断層ではない)
- 同じ向きの変位がくり返されるので地形に現れる(1 回の地震では数 m)
- 地震災害は揺れだけではない(津波・液状化・土砂崩れ・火災)
1. 地殻変動の測り方
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(ア)-㋑
現在の地殻変動を広い範囲で連続的に測る方法は?
GNSS(GPS)の連続観測
日本では全国に電子基準点が置かれ、数 mm の動きが分かる。
人工衛星の電波で地表の変動を面的に捉える方法は?
干渉 SAR(合成開口レーダー干渉法)
地震や火山活動に伴う地表の上下変動が縞模様として描ける。
地震の前に、プレート境界にはどんな変化が蓄積している?
陸側のプレートが引きずり込まれ、ひずみがたまる(沈降・水平短縮)
地震のときに反発して隆起する。
プレート境界がゆっくりずれ、地震波をほとんど出さない現象を何という?
スロースリップ(ゆっくりすべり)
GNSS でしか捉えられない。
2. 活断層と変位地形
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(ア)-㋑
活断層とは何?
最近の地質時代にくり返し動き、今後も動く可能性がある断層
数十万年以内に活動した証拠があるものを指すのが一般的。
活断層は、どのように見つける?
地形のずれ(変位地形)と、地層のずれを直接掘って調べる(トレンチ調査)
くり返しの時期と平均的な間隔が推定できる。
活断層によってつくられる地形の例を 3 つ挙げると?
断層崖、河川の屈曲(横ずれによる食い違い)、段丘や尾根のずれ
同じ向きの変位がくり返されるので地形に残る。
河川が活断層のところで急に横へ屈曲しているのは、何を示す?
横ずれ断層がくり返し動いて、流路をずらしてきたこと
ずれの量と年代から平均変位速度が求まる。
活断層の平均活動間隔が分かると、何が言える?
次の活動までのおおよその見通し(長期評価)
ただし間隔にはばらつきがあり、日付は決められない。
1 回の地震で活断層が動く量はどれくらい?
数十 cm〜数 m
これを何千回もくり返して、大きな地形の変位になる。
断層が地表に現れたものを何という?
地震断層(地表地震断層)
1891 年の濃尾地震の根尾谷断層のように、段差が残る。
3. 地震災害
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(ア)-㋑
地震災害は揺れそのものだけではありません。二次的な現象まで含めて押さえます。
地震災害を、揺れ以外に 4 つ挙げると?
津波、液状化、斜面崩壊(土砂災害)、火災
ライフラインの断絶も含む。
液状化はどんな場所で起こりやすい?
地下水を多く含む、ゆるく堆積した砂の地盤(埋立地・旧河道)
揺れで砂粒がばらばらになり、地盤が液体のようにふるまう。
液状化が起こると何が生じる?
建物の沈下・傾き、地面からの噴砂・噴水、マンホールの浮き上がり
地盤の支持力が失われるため。
同じ震源からの地震でも、場所によって揺れの強さが大きく違うのはなぜ?
表層の地盤の硬さで揺れが増幅されるから
やわらかい堆積層では揺れが大きくなる。
長周期地震動が問題になるのは、どんな建物?
高層ビルなどの、固有周期が長い建物
ゆっくりした揺れと共振して大きく揺れる。
津波から身を守る行動として、まず何が大切?
強い揺れや長い揺れを感じたら、すぐ高い場所へ避難する
第一波が最大とは限らず、くり返し押し寄せる。
地震のときの被害を減らす備えとして、地盤の情報はどう使われる?
揺れやすさや液状化の危険度を示したハザードマップとして使われる
活断層の位置や過去の地震の記録も合わせて作られる。