マグマの分化と火成岩
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学」の内容 (2) ア (ア) ㋒「火成活動」。
告示が求める「マグマの発生と分化及び火成岩の形成」のうち、分化と火成岩を扱う。
0. どういう論点か
1 種類のマグマ(玄武岩質)から、なぜいろいろな火成岩ができるのか。
答えは結晶分化作用——固まる順番が決まっているからです。
| 冷え方 | 組織 | 例 | |
|---|---|---|---|
| 火山岩 | 地表付近で急に冷える | 斑状組織(細粒の石基+斑晶) | 玄武岩・安山岩・流紋岩 |
| 深成岩 | 地下でゆっくり冷える | 等粒状組織 | 斑れい岩・閃緑岩・花こう岩 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 冷える速さが組織を決める(組成ではない)
- 同じ組成でも、火山岩と深成岩で名前が違う(玄武岩と斑れい岩は同じ組成)
- 早く晶出するのは融点の高い鉱物(かんらん石・輝石)で、残るマグマは SiO₂ に富む
1. 結晶分化作用
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(ア)-㋒
結晶分化作用とは?
マグマが冷える途中で、晶出した結晶が分離し、残りのマグマの組成が変わっていくこと
1 種類のマグマから多様な火成岩ができる仕組み。
マグマが冷えるとき、最初に晶出する主な鉱物は?
かんらん石(次に輝石)
融点が高く、Mg・Fe に富む鉱物から晶出する。
晶出した結晶が沈むと、残ったマグマの SiO₂ 量はどうなる?
増える(よりねばい、流紋岩質に近づく)
Mg・Fe が結晶として抜けていくため。
玄武岩質マグマから安山岩質・流紋岩質マグマができる順を説明すると?
玄武岩質 → (かんらん石・輝石が晶出して分離)→ 安山岩質 → さらに分化 → 流紋岩質
残るマグマの量は減っていく。
有色鉱物(かんらん石・輝石・角閃石・黒雲母)が多い火成岩は、何色で密度は?
黒っぽく、密度が大きい
塩基性(苦鉄質)の岩石。
無色鉱物(石英・長石)が多い火成岩の特徴は?
白っぽく、密度が小さい。SiO₂ に富む
酸性(珪長質)の岩石。
2. 火成岩の分類
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(ア)-㋒
火成岩を火山岩と深成岩に分ける基準は?
マグマが冷えた場所と速さ(地表付近で急冷か、地下でゆっくりか)
化学組成ではない。
斑状組織とは?どちらの岩石に見られる?
大きな結晶(斑晶)が細かい部分(石基)に埋まった組織。火山岩
急冷されて成長できなかった部分が石基になる。
等粒状組織とは?どちらの岩石に見られる?
同じくらいの大きさの結晶がすきまなく並ぶ組織。深成岩
ゆっくり冷えて全部の結晶が成長できた。
SiO₂ の量による区分(塩基性・中性・酸性)と、火山岩・深成岩の名前を対応させると?
塩基性: 玄武岩/斑れい岩 中性: 安山岩/閃緑岩 酸性: 流紋岩/花こう岩
縦が組成、横が冷え方の表になる。
玄武岩と斑れい岩は何が同じで何が違う?
化学組成はほぼ同じで、冷え方(組織)が違う
玄武岩は火山岩、斑れい岩は深成岩。
花こう岩をつくる主な鉱物は?
石英・カリ長石・斜長石(+黒雲母)
無色鉱物が多く、白っぽい。
かんらん岩は火成岩の分類でどこに入る?
超塩基性(超苦鉄質)岩
マントルをつくる岩石で、SiO₂ が 45 % 以下。
3. 火成岩体と地下での固まり方
根拠: 学習指導要領 地学-(2)-ア-(ア)-㋒
マグマが地下で固まってできた大きな岩体を何という?
深成岩体(バソリス=底盤)
花こう岩からなるものが多い。
地層を切って板状に貫入した火成岩体、地層に平行に入った火成岩体を、それぞれ何という?
岩脈(切って入る)と岩床(平行に入る)
貫入の形で呼び名が違う。
貫入している岩体と、貫入された地層のどちらが古い?
貫入された地層のほうが古い
地層の新旧を決める手がかり(貫入の法則)になる。
マグマが急冷されてガラス質になった岩石の例は?
黒曜石(流紋岩質のガラス)
結晶ができる時間が無いとガラスになる。