オゾン層破壊
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「地学基礎」の内容 (2) ア (イ) ㋐「地球環境の科学」。
内容の取扱いは、オゾン層破壊にも触れることを求めている。
0. どういう論点か
地球温暖化 と並べて出されるので混ざりやすいのですが、別の問題です。
原因の物質も、起きている場所も、効くしくみも違います。取り違えを防ぐには、この表を先に置くこと。
| 地球温暖化 | オゾン層破壊 | |
|---|---|---|
| 主な原因 | 二酸化炭素など | フロン |
| 起きる場所 | 対流圏(地表付近の気温) | 成層圏(オゾン層) |
| 何が困るか | 気温上昇・海面上昇 | 紫外線が地表に届く |
| 対策の効き | 時間がかかる | 規制で回復に向かっている |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- オゾン層破壊と温暖化は別問題(フロンは温室効果ももつので、無関係ではないが原因は別)
- オゾンホールは南極の春(9〜10 月ごろ)に大きくなる(冬ではない)
- フロンは安定だからこそ成層圏まで届く(分解されにくいことが害になっている)
1. オゾン層は何をしているか
根拠: 学習指導要領 地基-(2)-ア-(イ)-㋐
オゾン層があるのは、大気のどの層?
成層圏(高さ 20〜30 km 付近)
ここでオゾンが濃くなっている。
オゾン層は、生物にとってどんなはたらきをしている?
有害な紫外線を吸収し、地表に届く量を減らしている
これがあるから陸上で生物が生きられる。
オゾン層ができたことは、生物の歴史の上で何を可能にした?
生物の上陸
酸素が増えてオゾン層ができたことが、上陸の条件だった(→ 単元 04)。
成層圏で気温が高さとともに上がるのは、オゾンの何によるもの?
紫外線を吸収し、その熱で大気を暖めるから
オゾン層は温度の面でも成層圏をつくっている。
2. 何が破壊しているか
根拠: 学習指導要領 地基-(2)-ア-(イ)-㋐
フロンは、無毒で燃えず安定しているという「便利な性質」ゆえに広く使われました。
その安定さのために分解されずに成層圏まで届く——長所がそのまま害になった例です。
オゾン層を破壊する主な物質は?
フロン(クロロフルオロカーボン類)
冷媒や噴射剤、洗浄剤として広く使われていた。
フロンが成層圏まで届いてしまうのはなぜ?
化学的に安定で、対流圏では分解されないから
安定であることが、かえって害になった。
フロンは成層圏で、どうやってオゾンを壊す?
強い紫外線で分解されて塩素が放出され、その塩素がオゾンを次々に分解する
塩素は繰り返しはたらくので、少量でも大量のオゾンを壊す。
南極上空でオゾンが極端に少なくなる現象を何という?
オゾンホール
1980 年代に発見され、急速に拡大した。
オゾンホールが大きくなるのは、南極のいつごろ?
春(9〜10 月ごろ)
冬のあいだに極域の雲の上でたまった塩素が、日射が戻ると一気にはたらくため。
オゾン層が薄くなると、何が起きる?
地表に届く紫外線が増え、皮膚がんや白内障、農作物や植物プランクトンへの影響が心配される
生物全体に関わる問題になる。
3. 対策とその結果
根拠: 学習指導要領 地基-(2)-ア-(イ)-㋐
オゾン層破壊は、国際的な取り決めで実際に改善に向かった数少ない環境問題です。
「原因が 1 つの物質に絞れたこと」「代わりの物質があったこと」が効きました。
温暖化との違いを説明するときの材料になります。
フロンの製造や使用を規制した国際的な取り決めは?
モントリオール議定書(1987 年採択)
オゾン層を守るための国際的な枠組み。
規制の結果、オゾン層はどうなっている?
大気中のフロンが減り、回復に向かっていると見られている
ただし、もとに戻るには長い時間がかかる。
オゾン層破壊への対策が比較的うまくいったのはなぜ?
原因の物質が限られ、代わりの物質に置き換えられたから
原因が広く経済活動全体にある温暖化とは、そこが違う。
フロンの代わりに使われた物質にも、別の問題がある。それは?
温室効果が大きいものがあること
オゾン層は守れても、温暖化には効いてしまう。
オゾン層破壊と地球温暖化を、ひとことで区別すると?
破壊されるのは成層圏のオゾン(原因はフロン)、温暖化は対流圏の気温上昇(原因は温室効果ガスの増加)
場所も原因も別の問題である。