みならいノート

古典探究 2027年度版

文章の構成と展開

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

0. どういうまとまりか

1 文ずつ訳せても、話がどこで変わり、どこに言いたいことがあるかが分からなければ、文章は読めていません。
古文の文章には、もとの本に段落の無いものが多くあります。そこで、段落に頼らずに、文章の種類ごとの組み立ての型と、場面の変わり目を示すことばからまとまりをつかみます。

文章の種類 構成や展開の型 見るところ
説話 書き出し(時・場所・人物)、出来事、結び(評や教訓) 「今は昔」と結びの語、終わりの評
歌物語 短い章段の積み重ね。地の文が事情を述べ、歌が山場になる 「むかし、男」、歌の前後
日記・紀行 時系列による叙述 日付、時を表す語
随筆 見聞きした出来事から、感想・意見へ 章段の終わりの一文
和歌・詩 叙景と叙情 景色の部分と心情の部分の境目

意見を述べる文章では、言いたいことをどこに置くかで 3 つの型に分けます。

型 言いたいこと(結論)の位置
頭括型 はじめ
尾結型 終わり
双括型 はじめと終わりの両方

尾結型は、尾括型と書くことも多い型です(学習指導要領の解説は「尾結型」と書いています)。

分かれ目は次の 3 つ。

1. 説話の構成

根拠: 学習指導要領 古典探究-(1)-ウ

説話は、物事の由来や出来事、人物の逸話を、人から聞いて伝える形で語る文章です。
そのため、書き出しと結びに伝聞であることを示す決まった言い方があり、あいだは筋(出来事の展開)が中心になります。

『今昔物語集』の話は、どういう語で始まり、どういう語で終わるか? その語は何を示しているか?

「今は昔」で始まり、「となむ語り伝へたるとや」で終わる。人から聞いて伝える話(伝聞)であることを示している。
「今となっては昔のことだが」「と語り伝えているということだ」。説話にはこのような決まった書き出しと結びが多い。

説話の叙述の中心になるのは何か? 終わりにはどういう内容が置かれることが多いか?

中心は筋(出来事や事件の展開)。終わりに教訓や寓意、語り手の評が置かれることが多い。
人物の細かい心理よりも、だれが何をしてどうなったかを追って読む。終わりの評は、その話をどう受け取ればよいかを示している。

『宇治拾遺物語』の書き出し「今は昔、比叡の山に児ありけり。」は、話の何を示しているか?

時(今は昔)・場所(比叡の山)・人物(児)。
説話の書き出しは、この 3 つを短く示してから出来事に入ることが多い。ここを押さえると、あとの主語の無い文も読みやすくなる。

2. 歌物語・日記・随筆の展開

根拠: 学習指導要領 古典探究-(1)-ウ

文章の種類が分かれば、展開の見当がつきます。歌物語は歌へ向かって進み、日記は時の順に進み、随筆は出来事から筆者の考えへ進みます。

歌物語や日記で、歌のやり取り(贈答)がある場面は、どういう順に展開することが多いか? 読むときに押さえることは?

歌を贈る事情を述べる地の文、贈る歌、返しの歌の順に進むことが多い。だれがだれに贈り、だれが返したかを押さえる。
返しの歌は「返し」「御返し」などの語で示され、贈られた歌のことばを受けて詠むことが多い。贈り手と返し手が決まれば、歌の中の主語も決まる。

日記や紀行の文章は、どういう順で述べられることが多いか? まとまりの区切りは何で見つけるか?

時系列による叙述(出来事の起こった順)。区切りは日付や、時を表す語で見つける。
『土佐日記』は日付を追って書かれている。回想を書く日記では、「そのころ」「その年の秋」のような語が区切りになる。

随筆の章段で、出来事を述べる部分と、筆者の考えを述べる部分との境目は、どういう言い方から見つけるか?

文末の言い方の変わり目から見つける。出来事は「けり」などの過去の言い方で語られ、考えは「〜べし」「〜なり」「〜ものなり」のような断定や当然の言い方で述べられることが多い。
『徒然草』の「仁和寺にある法師」の段では、「詣でけり」「とぞ言ひける」と出来事を語ったあと、「あらまほしきことなり」と言い方が変わる。

3. 叙景と叙情

根拠: 学習指導要領 古典探究-(1)-ウ

景色を述べることを叙景、心情を述べることを叙情といいます。
和歌や詩では、景色を先に述べ、そこから心情へ移る展開がよく見られます。どこまでが景でどこからが情かを分けると、作者の言いたいところが見えます。

叙景と叙情は、それぞれ何を述べることか?

叙景は自然の景色やようすを述べること、叙情は感じたこと・心情を述べること。
景色だけを詠んだ歌を叙景歌という。景色の描き方に心情がこめられていることも多いので、2 つはきっぱり分かれるとは限らない。

『万葉集』の山部赤人の歌「田子の浦ゆうち出でて見れば真白にそ富士の高嶺に雪は降りける」は、叙景と叙情のどちらを中心にした歌か?

叙景。
田子の浦を通って眺めのよい所に出て見ると、真っ白に、富士の高い峰に雪が降り積もっている。見えた景色をそのまま述べ、「悲し」「うれし」のような心情の語を使っていない。

『古今和歌集』の歌「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ秋は悲しき」で、叙景の部分と叙情の部分はどこか?

「奥山に紅葉踏み分け鳴く鹿の声聞く時ぞ」までが叙景、「秋は悲しき」が叙情。
景色と音を先に述べ、結びで心情を言う展開になっている。奥深い山で、紅葉を踏み分けて鳴く鹿の声を聞くときこそ、秋は悲しく感じられる。

4. 頭括型・尾結型・双括型

根拠: 学習指導要領 古典探究-(1)-ウ

意見や教訓を述べる文章は、言いたいことをどこに置くかで型に分けられます。
古文では、逸話を語ってから終わりに教訓を言う尾結型が、説話や随筆に多く見られます。

頭括型・尾結型・双括型は、それぞれ言いたいこと(結論)をどこに置く構成か?

頭括型ははじめ、尾結型は終わり、双括型ははじめと終わりの両方。
型が分かれば、どこを先に読めば要点がつかめるかが決まる。

『徒然草』の「仁和寺にある法師」の段は、法師の失敗を語り、「少しのことにも、先達はあらまほしきことなり。」で終わる。この構成は何型か?

尾結型。
出来事を先に語り、終わりの一文で筆者の考え(ちょっとしたことにも、案内する人はあってほしいものだ)を述べている。

『徒然草』の「花は盛りに、月はくまなきをのみ見るものかは。」で始まる段は、冒頭の一文で考えを示し、そのあとに例を挙げていく。この構成は何型か?

頭括型。
はじめに「花は満開のとき、月は曇りのないときだけを見るものだろうか、いやそうではない」という考えを置き、あとの部分でそれを具体的に述べている。

5. 段落の無い文章でまとまりを見つける

根拠: 学習指導要領 古典探究-(1)-ウ

古典の文章には、もともと段落の無いものがあります。教科書の段落は、あとから付けたものです。
段落に頼れないときのために、自分で区切りを見つける手がかりを持っておきます。

段落の無い古文で、場面のまとまりの切れ目を見つける手がかりは?

時・場所・人物の変わり目。
日や季節が変わる、別の場所へ移る、新しい人物が出てくる、のどれかがあれば、そこで場面が変わっている。会話が終わって地の文に戻るところも区切りになる。

場面や話題の切り替えを示す「さて」「かくて」「さるほどに」は、それぞれどう訳すか?

「さて」=そうして・ところで、「かくて」=こうして、「さるほどに」=そうしているうちに。
どれも前の内容を受けて、次の場面へ話を進める語。これらの語が文の頭にあれば、まとまりの切れ目である見当をつける。

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