糖類
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学」の内容 (4) ア (イ) ㋑「天然高分子化合物」。
内容の取扱いは「単糖類、二糖類及びアミノ酸も扱うこと」を求めており、解説はデンプン、
セルロース、グルコース、フルクトース、マルトース、スクロースなどを取り上げるとしている。
0. どういう論点か
糖類は加水分解でいくつに分かれるかで名前が決まります。
出題の中心は還元性があるかどうかで、スクロースだけが例外です。
| 例 | 加水分解すると | 還元性 | |
|---|---|---|---|
| 単糖類 | グルコース・フルクトース | これ以上分かれない | あり |
| 二糖類 | マルトース・スクロース | 単糖 2 分子 | スクロースだけ無し |
| 多糖類 | デンプン・セルロース | 単糖が多数 | 無し |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- スクロースには還元性が無い(還元性を示す部分どうしで結合しているため)
- デンプンとセルロースは、同じグルコースからできているのに性質が違う(つながり方が違う)
- ヨウ素デンプン反応はデンプンだけ(セルロースは示さない)
1. 単糖類
根拠: 学習指導要領 化学-(4)-ア-(イ)-㋑
単糖類とは?分子式は?
それ以上加水分解されない糖。C₆H₁₂O₆(六炭糖)
グルコース・フルクトース・ガラクトースなど。
グルコース(ブドウ糖)が水溶液中でとる形は?
環状の形が主で、一部が鎖状の形になっている
鎖状の形にはホルミル基があり、これが還元性のもとになる。
グルコースに還元性があるのはなぜ?
水溶液中で一部が鎖状になり、ホルミル基(−CHO)を生じるから
銀鏡反応やフェーリング液の還元を示す。
フルクトース(果糖)にも還元性がある?
ある
構造は違うが、水溶液中で還元性を示す部分ができる。
グルコースをアルコール発酵させると何ができる?
エタノールと二酸化炭素
酵母のもつ酵素(チマーゼ)による。
2. 二糖類
根拠: 学習指導要領 化学-(4)-ア-(イ)-㋑
二糖類とは?
加水分解すると単糖 2 分子になる糖
マルトース・スクロース・ラクトースなど。
マルトース(麦芽糖)を加水分解すると何ができる?
グルコース 2 分子
デンプンをアミラーゼで分解しても得られる。
スクロース(ショ糖)を加水分解すると何ができる?
グルコースとフルクトース
得られた混合物を転化糖という。
スクロースに還元性が無いのはなぜ?
グルコースとフルクトースが、どちらも還元性を示す部分どうしで結合しているから
二糖類の中で唯一の例外。
スクロースを加水分解すると還元性はどうなる?
現れる(還元性を示すようになる)
分解して単糖になるため。
ラクトース(乳糖)は何と何に分かれる?
グルコースとガラクトース
牛乳に含まれ、還元性がある。
3. 多糖類
根拠: 学習指導要領 化学-(4)-ア-(イ)-㋑
デンプンとセルロースは、何が違う?
グルコースのつながり方(結合の向き)が違う
どちらも単量体はグルコース。
デンプンにヨウ素溶液を加えるとどうなる?
青紫色になる(ヨウ素デンプン反応)
らせん構造の中にヨウ素が取り込まれるため。
セルロースはヨウ素デンプン反応を示す?
示さない
まっすぐな構造で、らせんにならない。
ヒトがセルロースを消化できないのはなぜ?
セルロースを分解する酵素をもたないから
草食動物は微生物の助けを借りて分解している。
デンプンを構成する 2 つの成分は?
アミロースとアミロペクチン
アミロースは直鎖、アミロペクチンは枝分かれをもつ。
セルロースが植物の体を支えられるのはなぜ?
分子がまっすぐ並び、水素結合で束になって丈夫な繊維をつくるから
木綿や紙の主成分。
多糖類に還元性が無いのはなぜ?
末端以外の還元性を示す部分が結合に使われ、分子に対して末端の割合がきわめて小さいから
事実上、還元性は認められない。