混合気体と分圧
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学」の内容 (1) ア (ア) ㋑「気体の性質」。
内容の取扱いは「混合気体、分圧の法則」を扱うことを求めており、解説は混合気体についても
気体の状態方程式が成り立つこと、例として空気を取り上げることを挙げている。
0. どういう論点か
混合気体でも、状態方程式はそのまま成り立ちます。 気体分子はお互いを気にしないので、
「他の気体がいない場合と同じように」振る舞うからです。
ここでの分かれ目は、何を全体で考え、何を成分ごとに考えるかの 1 点です。
| 全体(混合気体) | 成分ごと | |
|---|---|---|
| 圧力 | 全圧 P | 分圧 p₁, p₂ |
| 物質量 | 全体の n | 成分の n₁, n₂ |
| 体積・温度 | 同じ(容器を共有している) | 同じ |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 分圧の比=物質量の比(体積比でもある。質量比ではない)
- 成分の状態方程式では、体積に容器の体積をそのまま入れる(成分ごとに分けない)
- 水上置換で集めた気体には、水蒸気の分圧が混ざっている
1. 分圧と全圧
根拠: 学習指導要領 化学-(1)-ア-(ア)-㋑
混合気体で、各成分が単独でその容器を占めたときに示す圧力を何という?
分圧
その成分だけが入っているとして計算した圧力にあたる。
分圧の法則(ドルトンの法則)とは?
全圧は、各成分の分圧の和に等しい(P = p₁ + p₂ + …)
気体分子どうしが影響し合わないことから成り立つ。
成分 A の分圧を状態方程式で書くと?
p_A V = n_A RT
V には容器の体積をそのまま入れる(A のぶんだけに分けたりしない)。
分圧の比は、何の比に等しい?
物質量(モル)の比
同じ V・T なので、p ∝ n になる。
モル分率を使って分圧を表すと?
p_A = P × (n_A / n全体)
全圧に、その成分のモル分率を掛けたもの。
分圧の比は質量の比に等しいか?
等しくない
分子 1 個の重さが違うので、質量比とモル比は一致しない。
2. 混合気体の見かけの分子量
根拠: 学習指導要領 化学-(1)-ア-(ア)-㋑
空気のような混合気体も、1 種類の気体のように扱えると便利です。
そのときに使うのが平均分子量(見かけの分子量)で、モル分率で重みを付けた平均です。
混合気体の平均分子量(見かけの分子量)の求め方は?
各成分の分子量に、そのモル分率を掛けて足す
M = M₁ × x₁ + M₂ × x₂ + …
空気を N₂ 80 %・O₂ 20 %(物質量比)とすると、平均分子量は?
28 × 0.8 + 32 × 0.2 = 28.8
これより分子量が小さい気体は空気中で浮く(He・H₂ など)。
平均分子量を出すとき、体積の割合をそのまま使ってよい?
よい
同温・同圧なら体積比=物質量比なので、モル分率として使える。
3. 水上置換と水蒸気圧
根拠: 学習指導要領 化学-(1)-ア-(ア)-㋑
実験で気体を水上置換で集めると、必ず水蒸気が混ざります。
集めた気体の圧力から水蒸気の分圧を引くのは、この理由です。
水上置換で集めた気体の全圧は、何と何の和になっている?
目的の気体の分圧と、水蒸気の分圧(飽和水蒸気圧)の和
容器の中は水と接しているので、水蒸気は必ず飽和している。
水上置換で集めた気体の物質量を求めるとき、使う圧力は?
全圧から、その温度の飽和水蒸気圧を引いた値
引き忘れると、水蒸気のぶんだけ多く見積もることになる。
水上置換で集めるとき、水面の内外の高さを揃えるのはなぜ?
容器内の全圧を大気圧と等しくするため
高さがずれていると、その分の水柱の圧力を補正しなければならない。
温度を上げると、水上置換で集めた気体に含まれる水蒸気の割合はどうなる?
大きくなる
飽和水蒸気圧は温度とともに大きくなるため。