合成繊維
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学」の内容 (4) ア (イ) ㋐「合成高分子化合物」。
内容の取扱いは「代表的な合成繊維及びプラスチックを扱うこと」を求めており、解説は
ナイロン、ポリエチレンテレフタラートなどを取り上げるとしている。
0. どういう論点か
高分子は、小さな分子(単量体)がくり返しつながったものです。
つながり方は 2 通りで、水が取れるかどうかで分かれます。
| 付加重合 | 縮合重合 | |
|---|---|---|
| 何が起こるか | 二重結合が開いてつながる | 水などが取れてつながる |
| 単量体の条件 | 二重結合をもつ | 官能基を 2 つもつ |
| 例 | ポリエチレン・ポリスチレン | ナイロン・PET |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 合成繊維の多くは縮合重合(ナイロン・ポリエステル)
- ナイロン 66 の 66 は、原料の炭素数がどちらも 6 であること
- アミド結合はナイロンとタンパク質に共通(絹に似た手ざわりになる理由)
1. 高分子の基本
根拠: 学習指導要領 化学-(4)-ア-(イ)-㋐
高分子化合物とは?
分子量がおよそ 1 万以上の化合物
小さな単位(単量体)がくり返しつながってできている。
単量体(モノマー)と重合体(ポリマー)の関係は?
単量体がくり返しつながったものが重合体
くり返しの数を重合度という。
付加重合とは?
二重結合が開いて、単量体どうしが次々つながる反応
原子が取れないので、分子式は単量体の整数倍になる。
縮合重合とは?
単量体どうしから水などの小さな分子が取れながらつながる反応
ナイロンやポリエステルの作り方。
高分子に決まった融点がないのはなぜ?
重合度が一様でなく、分子量に幅があるから
加熱すると徐々に軟らかくなる(軟化点)。
2. ナイロン
根拠: 学習指導要領 化学-(4)-ア-(イ)-㋐
ナイロン 66 の原料は?
アジピン酸とヘキサメチレンジアミン
どちらも炭素数が 6 なので「66」。
ナイロン 66 でできる結合は?
アミド結合 −CONH−
タンパク質と同じ結合。
ナイロン 6 はどうやって作る?
ε-カプロラクタムの開環重合
環状の分子が開いてつながる。
ナイロンが絹に似た性質をもつのはなぜ?
アミド結合が、タンパク質(絹)のペプチド結合と同じ構造だから
分子間で水素結合をつくり、強い繊維になる。
アラミド繊維の特徴は?
ベンゼン環を含むアミド結合の繊維で、非常に強く熱に強い
防弾チョッキなどに使われる。
3. ポリエステルとその他の繊維
根拠: 学習指導要領 化学-(4)-ア-(イ)-㋐
ポリエチレンテレフタラート(PET)の原料は?
テレフタル酸とエチレングリコール
縮合重合でエステル結合ができる。
PET の用途は?
飲料用ボトル・衣料用のポリエステル繊維
透明で強く、リサイクルもされている。
アクリル繊維の原料は?
アクリロニトリル
付加重合で作る。羊毛に似た風合いになる。
ビニロンの原料と特徴は?
ポリビニルアルコールをホルムアルデヒドで処理(アセタール化)したもの。適度に吸湿する
日本で開発された合成繊維。
ポリビニルアルコールが水に溶けるのはなぜ?
−OH を多くもち、水と水素結合をつくるから
アセタール化して −OH を減らすと、水に溶けにくいビニロンになる。
合成繊維と再生繊維(レーヨンなど)の違いは?
合成繊維は石油などから合成する。再生繊維はセルロースを溶かして繊維に戻したもの
原料が天然高分子かどうかで分かれる。