亜鉛
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学」の内容 (3) ア (ア) ㋑「遷移元素」。
内容の取扱いは「クロム、マンガン、鉄、銅、亜鉛及び銀を扱うこと」を指定しており、
告示は亜鉛を遷移元素の項で扱うよう求めている(周期表では 12 族)。
0. どういう論点か
亜鉛は 両性元素であり、錯イオンもつくる——この 2 つが重なるので、
沈殿の実験で「酸にも塩基にもアンモニア水にも溶ける」という珍しい動きをします。
| 加えるもの | 水酸化亜鉛はどうなるか |
|---|---|
| 少量の水酸化ナトリウム水溶液 | 白色沈殿ができる |
| 過剰の水酸化ナトリウム水溶液 | 溶ける(両性) |
| 少量のアンモニア水 | 白色沈殿ができる |
| 過剰のアンモニア水 | 溶ける(錯イオン) |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 過剰の水酸化ナトリウム水溶液にもアンモニア水にも溶けるのは、亜鉛の大きな特徴
- アルミニウムは強塩基には溶けるが、過剰のアンモニア水には溶けない
- 硫化亜鉛は中性・塩基性でのみ沈殿する(酸性では沈殿しない)
1. 単体の性質
根拠: 学習指導要領 化学-(3)-ア-(ア)-㋑
亜鉛は周期表の何族か。告示ではどう扱われている?
12 族。告示は遷移元素の項で扱うよう指定している
12 族を遷移元素に含める流儀による。
亜鉛の単体を塩酸に入れるとどうなる?
溶けて水素を発生する
イオン化傾向が水素より大きい。
亜鉛の単体を水酸化ナトリウム水溶液に入れるとどうなる?
溶けて水素を発生する
両性元素なので、強塩基にも溶ける。
両性元素を 4 つ挙げると?
アルミニウム・亜鉛・スズ・鉛
いずれも酸にも強塩基の水溶液にも溶ける。
トタンは鉄に何をめっきしたもの?なぜさびにくい?
亜鉛。亜鉛のほうがイオン化傾向が大きく、先に溶けて鉄を守るから
傷がついても内部の鉄が保護される。
黄銅(真鍮)は銅と何の合金?
亜鉛
金色の光沢があり、楽器や硬貨に使われる。
2. 亜鉛イオンの反応
根拠: 学習指導要領 化学-(3)-ア-(ア)-㋑
Zn²⁺ に少量の水酸化ナトリウム水溶液を加えるとどうなる?
白色の水酸化亜鉛が沈殿する
過剰に加えると溶ける。
水酸化亜鉛が過剰の水酸化ナトリウム水溶液に溶けるのはなぜ?
両性水酸化物で、錯イオン(テトラヒドロキシド亜鉛(Ⅱ)酸イオン)になるから
アルミニウムも同じように溶ける。
水酸化亜鉛が過剰のアンモニア水にも溶けるのはなぜ?
テトラアンミン亜鉛(Ⅱ)イオンをつくるから
ここがアルミニウムとの決定的な違い。
Zn²⁺ と Al³⁺ を見分けるには、何を加えればよい?
過剰のアンモニア水
亜鉛は溶け、アルミニウムは溶けずに沈殿が残る。
Zn²⁺ に硫化水素を通すと、どんな条件で沈殿する?
中性・塩基性のとき(白色の硫化亜鉛)
酸性では沈殿しない。
Zn²⁺ の水溶液に色はある?
無色
同じ遷移元素でも、Cu²⁺(青)や Fe³⁺(黄褐)とは違う。
3. 亜鉛の化合物と利用
根拠: 学習指導要領 化学-(3)-ア-(ア)-㋑
酸化亜鉛の色と用途は?
白色。白色顔料(亜鉛華)や医薬品に使われる
両性酸化物で、酸にも強塩基にも溶ける。
硫化亜鉛は何に使われる?
蛍光体
紫外線を当てると光る性質を利用する。
乾電池の負極に亜鉛が使われるのはなぜ?
イオン化傾向が大きく、電子を出しやすいから
ダニエル電池でも負極は亜鉛。