アルコールとエーテル
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学」の内容 (4) ア (ア) ㋑「官能基をもつ化合物」。
内容の取扱いはアルコール、エーテル、アルデヒド、ケトン、カルボン酸及びエステルを取り上げ、
「炭素骨格及び官能基により性質が特徴付けられる」ことを扱うよう求めている。
0. どういう論点か
同じ分子式でも、官能基が違えば別物——この単元はそこから始まります。
エタノールとジメチルエーテルはどちらも C₂H₆O ですが、性質はまるで違います。
| アルコール(−OH) | エーテル(−O−) | |
|---|---|---|
| 沸点 | 高い(水素結合) | 低い |
| ナトリウムとの反応 | 水素が発生 | 反応しない |
| 水への溶けやすさ | 炭素数が少なければ溶ける | 溶けにくい |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- ナトリウムを入れて水素が出ればアルコール(エーテルは反応しない)
- アルコールは中性(水酸化物イオンを出さないので塩基ではない)
- 第一級・第二級・第三級の違いが、酸化したときの生成物を決める
1. アルコールの性質
根拠: 学習指導要領 化学-(4)-ア-(ア)-㋑
アルコールの官能基は?
ヒドロキシ基 −OH
炭化水素基に結合している。
アルコールの水溶液の液性は?
中性
−OH をもつが電離しないので、塩基性を示さない。
アルコールにナトリウムを加えるとどうなる?
水素が発生する(ナトリウムアルコキシドができる)
エーテルは反応しないので、この反応で区別できる。
アルコールの沸点が、同程度の分子量の炭化水素より高いのはなぜ?
分子間に水素結合が働くから
−OH をもつことによる。
炭素数が多くなるとアルコールが水に溶けにくくなるのはなぜ?
無極性の炭化水素基の割合が大きくなるから
メタノール・エタノールは水と任意の割合で混ざる。
2. 第一級・第二級・第三級
根拠: 学習指導要領 化学-(4)-ア-(ア)-㋑
何級かを見分けられれば、酸化したあとの生成物が決まります。
この単元でいちばん使う分類です。
第一級・第二級・第三級アルコールは、何で分ける?
−OH が結合した炭素に、他の炭素が何個結合しているか
0 個または 1 個が第一級、2 個が第二級、3 個が第三級。
第一級アルコールを酸化すると、順に何ができる?
アルデヒド → カルボン酸
エタノール → アセトアルデヒド → 酢酸。
第二級アルコールを酸化すると何ができる?
ケトン
2-プロパノール → アセトン。
第三級アルコールを酸化するとどうなる?
酸化されにくい
−OH の付いた炭素に水素が無いため。
アルコールの酸化に使う代表的な酸化剤は?
二クロム酸カリウム(硫酸酸性)や過マンガン酸カリウム
酸化されると色が変わるので、進行が分かる。
3. 脱水とエーテル
根拠: 学習指導要領 化学-(4)-ア-(ア)-㋑
エタノールに濃硫酸を加えて 130〜140 ℃ で加熱すると何ができる?
ジエチルエーテル(分子間脱水)
約 170 ℃ ではエチレンができる(分子内脱水)。
エーテルの官能基は?
エーテル結合 −O−
2 つの炭化水素基が酸素でつながっている。
ジエチルエーテルの性質は?
引火しやすく、沸点が低く、水に溶けにくい。有機溶媒として使われる
水素結合をつくらないので沸点が低い。
エタノールとジメチルエーテルは、どちらも分子式 C₂H₆O。どう見分ける?
ナトリウムを加える
エタノールは水素を発生し、ジメチルエーテルは反応しない。
多価アルコールの例を 2 つ挙げると?
エチレングリコール(2 価)とグリセリン(3 価)
−OH が複数あり、粘り気があって沸点が高い。
メタノールとエタノールの毒性の違いは?
メタノールは有毒で、飲むと失明や死に至ることがある
どちらも無色の液体で見分けがつかない。