アルケンとアルキン
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学」の内容 (4) ア (ア) ㋐「炭化水素」。
解説はアルカン、アルケン、アルキンの代表的な化合物の構造、性質及び反応を扱い、
立体異性体としてシス‒トランス異性体も扱うとしている。
0. どういう論点か
二重結合・三重結合をもつ炭化水素は「不飽和」で、そこに原子が付加します。
アルカンが置換、こちらが付加——この対比が出題の骨格です。
| エチレン(エテン) | アセチレン(エチン) | |
|---|---|---|
| 結合 | 二重結合 | 三重結合 |
| 形 | 平面(すべての原子が同一平面) | 直線 |
| 付加できる数 | 1 分子ぶん | 2 分子ぶん |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 臭素水の色が消えれば不飽和(付加反応が起きた証拠)
- アセチレンに水を付加するとアセトアルデヒド(ビニルアルコールは不安定ですぐ変化する)
- 二重結合は回転できないので、シス‒トランス異性体ができる
1. アルケン
根拠: 学習指導要領 化学-(4)-ア-(ア)-㋐
アルケンの一般式と、最も簡単なアルケンは?
CₙH₂ₙ。エチレン(エテン)C₂H₄
二重結合を 1 個もつ。
エチレンの分子の形は?
平面形(6 個の原子すべてが同じ平面上にある)
二重結合のまわりは回転できない。
アルケンに臭素水を加えるとどうなる?
臭素の赤褐色が消える
二重結合に臭素が付加するため。不飽和結合の検出に使える。
エチレンに水を付加させると何ができる?
エタノール
リン酸を触媒に使う。工業的なエタノールの製法。
エチレンを付加重合させると何ができる?
ポリエチレン
二重結合が開いて次々つながる。
エタノールに濃硫酸を加えて約 170 ℃ に加熱すると何ができる?
エチレン
分子内脱水。130〜140 ℃ ではジエチルエーテルができる(分子間脱水)。
2-ブテンにシス‒トランス異性体があるのはなぜ?
二重結合の両端の炭素に、それぞれ違う原子・基(H と CH₃)が結合しているから
1-ブテンには無い。
2. アルキン
根拠: 学習指導要領 化学-(4)-ア-(ア)-㋐
アルキンの一般式と、最も簡単なアルキンは?
CₙH₂ₙ₋₂。アセチレン(エチン)C₂H₂
三重結合を 1 個もつ。
アセチレンの分子の形は?
直線形
4 個の原子が一直線に並ぶ。
アセチレンを実験室で作るには?
炭化カルシウム(カーバイド)に水を加える
CaC₂ + 2H₂O → C₂H₂ + Ca(OH)₂
アセチレンに水を付加すると、最終的に何ができる?
アセトアルデヒド
いったんビニルアルコールができるが、不安定ですぐ変わる。
アセチレンを 3 分子重合させると何ができる?
ベンゼン
赤熱した鉄管に通す。
アセチレンが溶接に使われるのはなぜ?
燃焼熱が大きく、非常に高温の炎(酸素アセチレン炎)が得られるから
三重結合をもつぶんエネルギーが大きい。
3. 付加反応のまとめ
根拠: 学習指導要領 化学-(4)-ア-(ア)-㋐
付加反応とは?
不飽和結合が開いて、原子や原子団が結び付く反応
二重結合・三重結合をもつ化合物で起こる。
アルケンに水素を付加させると何になる?
アルカン
ニッケルや白金を触媒に使う。
付加重合とは?
付加反応が次々に繰り返されて、高分子ができる反応
ポリエチレン・ポリスチレンなどはこれで作る。
不飽和結合をもつかどうかを調べる方法を 2 つ挙げると?
臭素水の脱色と過マンガン酸カリウム水溶液の脱色
どちらも色の変化で分かる。