熱運動と物質の三態
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学基礎」の内容 (1) ア (ア) ㋓「熱運動と物質の三態」。
内容の取扱いは「物理変化と化学変化の違いにも触れること」を求めている。
0. どういう論点か
温度とは何かを、粒子の運動として捉え直します。ここを粒子で考えられるようになると、
状態変化も、あとの単元の反応も同じ目で見られます。
| 状態 | 粒子の運動 | 粒子の間隔 |
|---|---|---|
| 固体 | その場で振動しているだけ | 狭い(規則的に並ぶ) |
| 液体 | 位置を変えて動き回れる | やや広い |
| 気体 | 自由に飛び回る | 非常に広い |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 温度は粒子の熱運動の激しさを表す(熱の量そのものではない)
- 状態変化は物理変化(物質の種類は変わらない。水が氷になっても水)
- 状態変化の間、温度は上がらない(加えた熱は状態を変えるのに使われる)
1. 熱運動と温度
根拠: 学習指導要領 化基-(1)-ア-(ア)-㋓
物質を構成する粒子が、絶えず不規則に運動していることを何という?
熱運動
固体・液体・気体のどの状態でも起こっている。
温度は、粒子の何を表している?
熱運動の激しさ(粒子の運動エネルギーの平均)
温度が高いほど熱運動が激しい。
熱運動がまったく止まると考えられる温度を何という?また何 ℃ か?
絶対零度。−273 ℃(正確には約 −273.15 ℃)
これを 0 とする温度目盛りが絶対温度(単位 K)。
セルシウス温度 t ℃ を絶対温度 T[K]にするには?
T = t + 273
目盛りの間隔は同じで、原点だけが違う。
インクを静かに水に落とすと、かき混ぜなくても広がっていく。この現象は?
拡散
粒子が熱運動によって自然に散らばるため。熱運動の証拠になる。
2. 物質の三態と状態変化
根拠: 学習指導要領 化基-(1)-ア-(ア)-㋓
固体・液体・気体の 3 つの状態をまとめて何という?
物質の三態
温度と圧力によって、どの状態になるかが決まる。
固体 → 液体、液体 → 気体の変化をそれぞれ何という?
融解(固体 → 液体)と蒸発(液体 → 気体)
どちらも熱を吸収する向き。
気体 → 液体、液体 → 固体の変化をそれぞれ何という?
凝縮(気体 → 液体)と凝固(液体 → 固体)
どちらも熱を放出する向き。
固体から直接気体になる変化を何という?例も挙げると?
昇華
ドライアイス(二酸化炭素)・ヨウ素・ナフタレンなど。
固体が融解し始める温度と、液体が沸騰する温度をそれぞれ何という?
融点と沸点
純物質では決まった値になるので、物質を見分ける手がかりになる。
氷を加熱しているとき、0 ℃ のまま温度が上がらない時間があるのはなぜ?
加えた熱が、氷を水に変える(融解する)ことに使われるから
粒子の結び付きを切るのに熱が使われ、熱運動の激しさは変わらない。
状態変化するとき、粒子の数や種類は変わるか?
変わらない
変わるのは粒子の集まり方と運動の激しさだけ。
3. 物理変化と化学変化
根拠: 学習指導要領 化基-(1)-ア-(ア)-㋓
物質の種類は変わらず、状態や形だけが変わる変化を何という?
物理変化
状態変化・溶解・拡散などがこれにあたる。
ある物質が別の種類の物質に変わる変化を何という?
化学変化(化学反応)
燃焼・中和・酸化などがこれにあたる。
水が氷になる変化は物理変化か化学変化か。水が水素と酸素に分かれる変化は?
氷になるのは物理変化、水素と酸素に分かれるのは化学変化
物質の種類が変わったかどうかで分ける。
食塩が水に溶ける変化は、物理変化か化学変化か?
物理変化
食塩は水中でイオンに分かれて散らばるが、水を蒸発させれば食塩に戻る。
物理変化と化学変化を分ける、いちばん確かな見分け方は?
別の物質になったかどうか
もとの物質に戻せるか、性質が変わったかを見る。