原子の構造
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学基礎」の内容 (2) ア (ア) ㋐「原子の構造」。
内容の取扱いは「原子番号、質量数及び同位体を扱うこと。その際、放射性同位体とその利用にも
触れること」を求めている。
0. どういう論点か
原子の中身は 3 つの粒子だけです。どれが数を決めているかを取り違えないことが全部です。
| 粒子 | 場所 | 電気 | 質量 |
|---|---|---|---|
| 陽子 | 原子核 | + | 1 とする |
| 中性子 | 原子核 | なし | 陽子とほぼ同じ |
| 電子 | 原子核のまわり | − | 陽子の約 1/1840(無視できる) |
- 原子番号 = 陽子の数(= 電子の数。原子は電気的に中性だから)
- 質量数 = 陽子の数 + 中性子の数
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 質量数に電子は入らない(電子は軽すぎて無視する)
- 同位体は中性子の数が違うもの(陽子の数が違えば別の元素になる)
- 同位体どうしの化学的性質はほぼ同じ(化学的性質を決めるのは電子のほう)
1. 原子を構成する粒子
根拠: 学習指導要領 化基-(2)-ア-(ア)-㋐
原子の中心にある、正の電気をもった部分を何という?
原子核
陽子と中性子からできている。原子の質量のほとんどを占める。
原子核を構成する 2 種類の粒子は?それぞれの電気は?
陽子(正の電気)と中性子(電気をもたない)
質量はほぼ同じ。
原子核のまわりにあり、負の電気をもつ粒子は?
電子
質量は陽子の約 1/1840 と非常に小さい。
原子が電気的に中性であるのはなぜ?
陽子の数と電子の数が等しく、正負の電気がつり合っているから
陽子 1 個と電子 1 個の電気量の大きさは等しい。
原子の大きさと原子核の大きさは、どのくらい違う?
原子は約 10⁻¹⁰ m、原子核は約 10⁻¹⁵〜10⁻¹⁴ m で、原子核は原子の 10 万分の 1 程度
原子の内部はほとんど空間で、質量は中心に集まっている。
2. 原子番号と質量数
根拠: 学習指導要領 化基-(2)-ア-(ア)-㋐
原子番号は何の数を表す?
陽子の数
原子番号が同じなら同じ元素。中性な原子では電子の数とも等しい。
質量数は何の数の和?
陽子の数 + 中性子の数
電子は軽すぎるので含めない。
質量数と原子番号は、元素記号のどこに書く?
質量数は左上、原子番号は左下
例: ¹²C は質量数 12 の炭素。
原子番号 17、質量数 35 の塩素原子について、陽子・中性子・電子の数は?
陽子 17 個・中性子 18 個・電子 17 個
中性子 = 35 − 17 = 18。電子は陽子と同数。
原子から電子が 1 個取れて陽イオンになると、原子番号と質量数は変わるか?
どちらも変わらない
どちらも原子核の中身で決まるため。変わるのは電子の数と電気。
3. 同位体
根拠: 学習指導要領 化基-(2)-ア-(ア)-㋐
原子番号が同じで質量数が違う原子どうしを何という?
同位体(アイソトープ)
陽子の数は同じで、中性子の数が違う。
同位体どうしで化学的性質はどうなるか。その理由も。
ほぼ同じ。化学的性質を決めるのは電子(電子配置)で、それが同じだから
違うのは質量に関わる性質(密度など)。
水素の同位体を挙げると?
¹H(軽水素)・²H(重水素)・³H(三重水素)
いずれも陽子 1 個で、中性子が 0・1・2 個。
同位体と同素体は、それぞれ何が違うものか?
同位体は「中性子の数が違う原子」、同素体は「同じ元素からできた性質の違う単体」
名前が似ているだけで別のことば。同素体は 01 の 単体と化合物。
原子核が不安定で、放射線を出して別の原子に変わる同位体を何という?
放射性同位体(ラジオアイソトープ)
崩壊して別の元素になる。
放射性同位体の量が半分になるまでの時間を何という?
半減期
同位体ごとに決まっていて、年代測定に使える。
¹⁴C(炭素 14)が利用される例は?
遺跡や化石の年代測定
半減期約 5700 年を使って、どれだけ前のものかを推定する。
放射性同位体の医療での利用例は?
がんの放射線治療・検査(トレーサーとして体内の動きを追う)
工業では材料の内部の検査(非破壊検査)にも使われる。