混合物の分離と精製
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学基礎」の内容 (1) ア (ア) ㋑「物質の分離・精製」。
内容の取扱いは「ろ過、蒸留、抽出、再結晶及びクロマトグラフィーを扱うこと」を求めている。
0. どういう論点か
分離の操作は 5 つだけです。何の性質の違いを使って分けるかで決まります。
| 操作 | 使う性質の違い | どんなとき |
|---|---|---|
| ろ過 | 粒子の大きさ(溶けているか、いないか) | 液体と、溶けていない固体 |
| 蒸留 | 沸点 | 溶液から溶媒を取り出す・液体どうしを分ける(分留) |
| 抽出 | 溶媒への溶けやすさ | 特定の成分だけ溶かし出す |
| 再結晶 | 温度による溶解度の差 | 少量の不純物を含む固体を精製する |
| クロマトグラフィー | 吸着されやすさ(移動の速さの差) | 色素など混ざった成分を分ける |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- ろ紙で分けられるのは「溶けていないもの」だけ(食塩水をろ過しても食塩は取れない)
- 蒸留で出てくるのは沸点の低いほう(枝付きフラスコの温度計は枝の高さに置く)
- 再結晶は「溶解度の差が大きいこと」が前提(差が小さい物質どうしには使えない)
1. 混合物と純物質
根拠: 学習指導要領 化基-(1)-ア-(ア)-㋑
2 種類以上の物質が混ざったものを何という?
混合物
空気・海水・石油・牛乳など。混ざり方によって性質(沸点・融点)が変わる。
1 種類の物質だけからなるものを何という?
純物質
融点・沸点・密度が決まった値になる。
混合物から目的の物質を取り出す操作を何という?また、不純物を取り除いて純度を高める操作は?
分離(取り出す)と精製(純度を高める)
どちらも物質の性質の違いを使って行う。
2. 5 つの分離操作
根拠: 学習指導要領 化基-(1)-ア-(ア)-㋑
液体と、それに溶けていない固体を、ろ紙で分ける操作は?
ろ過
粒子の大きさの違い(ろ紙の穴を通るかどうか)を使う。
ろ過で、食塩水から食塩を取り出せるか?
取り出せない
食塩は水に溶けていて、粒子がろ紙の穴より小さいため通り抜ける。
溶液を加熱し、出てきた蒸気を冷やして液体として取り出す操作は?
蒸留
沸点の違いを使う。海水から水を得るのがこの操作。
沸点の違いを利用して、2 種類以上の液体の混合物を分ける蒸留を何という?
分留(分別蒸留)
石油(原油)からガソリン・灯油・軽油などを分けるのがこれ。
蒸留の実験で、温度計の球部はどこに置く?
枝付きフラスコの枝の高さ(蒸気の温度を測るため)
液の中に入れると、出ていく蒸気の温度が読めない。
蒸留の実験で、液体を入れるのはフラスコの容積のどのくらいまでか。また突沸を防ぐために入れるものは?
半分以下。沸騰石を入れる
入れすぎると突沸して危険。
目的の物質だけをよく溶かす溶媒を使って、混合物から取り出す操作は?
抽出
溶媒への溶けやすさの違いを使う。茶葉から成分を湯に溶かし出すのも抽出。
少量の不純物を含む固体を、溶媒に溶かしてから冷やして、純度の高い結晶として取り出す操作は?
再結晶
温度による溶解度の差を使う。
再結晶が使えるのは、どんな場合か?
目的の物質と不純物で、温度による溶解度の差が大きい場合
冷やしたときに目的の物質だけが析出する必要がある。
ろ紙などに吸着される強さの違いを使って、混合物の成分を分ける操作は?
クロマトグラフィー
移動する速さの差で分かれる。植物の色素の分離に使われる。
水に溶けている物質を、溶媒を蒸発させて取り出す操作は?
蒸発乾固
食塩水を加熱して食塩を得る操作。蒸留とは「何を取り出すか」が逆。
気体の混合物から固体(ヨウ素など)を直接固体として取り出す、昇華を使った操作は?
昇華法
固体から直接気体になる性質を使って分ける。
3. どの操作を選ぶか
根拠: 学習指導要領 化基-(1)-ア-(ア)-㋑
泥水から泥を取り除くには、どの操作を使う?
ろ過
泥は水に溶けていないため。
海水から純粋な水を得るには、どの操作を使う?
蒸留
水と塩化ナトリウムの沸点の差を使う。
硝酸カリウムに少量の塩化ナトリウムが混ざったものを精製するには?
再結晶
硝酸カリウムは温度による溶解度の差が大きいので、冷やすとこちらだけが結晶になる。
ヨウ素が溶けた水溶液から、ヨウ素を取り出すには?
抽出(ヘキサンなどの有機溶媒に溶かし出す)
ヨウ素は水より有機溶媒に溶けやすい。