化学反応式の書き方
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学基礎」の内容 (3) ア (ア) ㋑「化学反応式」。
化学反応に関する実験などを行い、化学反応式が化学反応に関与する物質とその量的関係を
表すことを見いだして理解することが求められている。
0. どういう論点か
化学反応式で守るきまりは 2 つだけです。
- 左辺と右辺で、各原子の数を等しくする(原子は新しく生まれず、消えない)
- 合わせるのは係数だけ。化学式そのものは書き換えない
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 化学式を変えて数を合わせてはいけない(H₂O を H₂O₂ にしたら別の物質になる)
- 係数の 1 は書かない
- 係数は最も簡単な整数比にする(2H₂ + O₂ → 2H₂O を 4, 2, 4 にしない)
1. 化学反応式が表すもの
根拠: 学習指導要領 化基-(3)-ア-(ア)-㋑
化学反応式では、反応物と生成物をどちら側に書く?
反応物を左辺、生成物を右辺に書き、矢印(→)で結ぶ
矢印は反応の向きを表す。
化学反応式の左辺と右辺で、必ず等しくなるものは?
各元素の原子の数
原子は反応によって新しく生まれたり消えたりしない。
化学反応式の係数を合わせるとき、化学式そのものを書き換えてよいか?
いけない
H₂O を H₂O₂ にすると、水ではない別の物質(過酸化水素)になってしまう。
係数が 1 のときはどう書く?
書かない(省略する)
C + O₂ → CO₂ のように書く。
係数は、どんな数にそろえる?
最も簡単な整数比
分数が出たら全体に同じ数をかけて整数にする。
2. 係数の決め方
根拠: 学習指導要領 化基-(3)-ア-(ア)-㋑
係数を決める手順は?
① 化学式を書く → ② 数の多い元素・複雑な物質から合わせる → ③ 最後に酸素など単体の原子を合わせる → ④ 整数比にする
酸素は多くの反応で単体として出入りするので、最後に調整すると速い。
メタン CH₄ の燃焼の化学反応式は?
CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O
まず炭素、次に水素を合わせ、最後に酸素を合わせる。
水の電気分解の化学反応式は?
2H₂O → 2H₂ + O₂
係数を 1 : 1 : 1 にはできない(酸素の数が合わない)。
水素の燃焼の化学反応式は?
2H₂ + O₂ → 2H₂O
4H₂ + 2O₂ → 4H₂O と書いてはいけない(最も簡単な整数比にする)。
炭酸カルシウムに塩酸を加えたときの化学反応式は?
CaCO₃ + 2HCl → CaCl₂ + H₂O + CO₂
二酸化炭素が発生する。石灰石と塩酸の反応。
酸化銅(Ⅱ)を炭素で還元する反応の化学反応式は?
2CuO + C → 2Cu + CO₂
炭素が酸素を奪う(還元)。
3. イオン反応式
根拠: 学習指導要領 化基-(3)-ア-(ア)-㋑
反応に関係するイオンだけを使って表した式を何という?
イオン反応式
反応に関係しないイオンは書かない。
イオン反応式で、左辺と右辺で等しくしなければならないものは 2 つある。何と何?
原子の数と電荷(電気量)の合計
電荷が合っていない式は誤り。
塩酸に硝酸銀水溶液を加えたときのイオン反応式は?
Ag⁺ + Cl⁻ → AgCl
白色沈殿ができる。反応に関係しない H⁺ と NO₃⁻ は書かない。
中和反応の本質を、イオン反応式で表すと?
H⁺ + OH⁻ → H₂O
どの酸と塩基の組み合わせでも、中和の本体はこれ(→ 単元 05)。
化学反応式とイオン反応式は、どう使い分ける?
物質全体の量的関係を見たいときは化学反応式、反応の本質(どのイオンが関与したか)を見たいときはイオン反応式
どちらも同じ反応を別の見方で書いたもの。