化学反応式と量的関係
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学基礎」の内容 (3) ア (ア) ㋑「化学反応式」。
化学反応式が化学反応に関与する物質とその量的関係を表すことを見いだして理解することが
求められている。
0. どういう論点か
化学反応式の係数は、粒子の数の比=物質量の比です。ここが読めれば計算の道筋は 1 本です。
| 係数が表すもの | 表さないもの |
|---|---|
| 粒子の数の比 | 質量の比 |
| 物質量(mol)の比 | 体積の比(ただし気体どうしなら体積比にもなる) |
道筋はいつも同じです。
与えられた量 →(mol に直す)→ 係数の比で相手の mol を出す →(求める量に直す)
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 係数の比は質量の比ではない(質量に直すにはモル質量をかける)
- 気体どうしなら、係数の比がそのまま体積の比になる(同温・同圧)
- 両方の量が与えられていたら、足りないほうで決まる(過不足を確かめる)
1. 係数が表すもの
根拠: 学習指導要領 化基-(3)-ア-(ア)-㋑
化学反応式の係数は、何の比を表している?
反応に関与する粒子の数の比(=物質量の比)
2H₂ + O₂ → 2H₂O なら、水素 2 mol と酸素 1 mol が反応して水 2 mol ができる。
化学反応式の係数は、質量の比を表しているか?
表していない
質量に直すには、それぞれのモル質量をかける必要がある。
気体どうしの反応では、係数の比が何の比にもなるか。条件は?
体積の比。条件は同温・同圧であること
アボガドロの法則から、同温・同圧では体積が物質量に比例する。
反応の前後で変わらないものは?
原子の種類と数、および全体の質量(質量保存の法則)
変わるのは物質の種類と、分子の数。
2. 量的関係を読む
根拠: 学習指導要領 化基-(3)-ア-(ア)-㋑
与えられた量から相手の量を出す手順は?
① 与えられた量を mol に直す → ② 係数の比で相手の mol を求める → ③ 求められている量(質量・体積・個数)に直す
どの問題でもこの 3 段。
2H₂ + O₂ → 2H₂O で、水素 4 mol を完全に反応させるには酸素は何 mol 必要?
2 mol
係数の比が H₂ : O₂ = 2 : 1 だから。
同じ反応で、水素 4 mol から水は何 mol できる?
4 mol
H₂ : H₂O = 2 : 2 = 1 : 1。
CH₄ + 2O₂ → CO₂ + 2H₂O で、メタン 1 mol を完全燃焼させると、標準状態で二酸化炭素は何 L 生じる?
22.4 L
CO₂ が 1 mol 生じ、標準状態の気体 1 mol は 22.4 L。
係数の比から求めた mol を質量にするには何をかける?
その物質のモル質量[g/mol]
mol × g/mol = g。
3. 過不足のある反応
根拠: 学習指導要領 化基-(3)-ア-(ア)-㋑
2 つの反応物の量が両方与えられているとき、生成物の量はどちらで決まる?
先に使い切られるほう(不足しているほう)
余ったほうは反応せずに残る。
どちらが不足しているかを調べる手順は?
それぞれを mol に直し、係数の比と比べる
比より少ないほうが先に無くなる。
2H₂ + O₂ → 2H₂O に水素 3 mol と酸素 2 mol を入れた。どちらが余る?
酸素が余る
水素 3 mol には酸素 1.5 mol で足りるので、酸素は 0.5 mol 残る。
反応後に残るものを聞かれたとき、答えるべきものは?
余った反応物と、できた生成物の両方
使い切られたほうは残らない。
化学反応式が読めると、実験で何が言えるようになる?
反応に必要な量や、得られる量を前もって計算できる
過不足の判断もできるので、材料をむだにしないで実験できる。