モル質量と気体の体積
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
根拠は高等学校学習指導要領(平成30年告示)「化学基礎」の内容 (3) ア (ア) ㋐「物質量」。
内容の取扱いが「モル質量や溶液のモル濃度も扱うこと」を求めている部分にあたる
(溶液の濃度は 溶液の濃度)。
0. どういう論点か
mol を、はかれる量につなぐ 2 本の橋を覚えます。
| つなぐもの | 使う数 | 単位 |
|---|---|---|
| 物質量 ⇄ 質量 | モル質量(原子量・分子量・式量に g/mol を付けた値) | g/mol |
| 物質量 ⇄ 気体の体積 | 22.4 L/mol(標準状態) | L/mol |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 原子量・分子量・式量に単位はない(モル質量にすると g/mol が付く)
- 22.4 L/mol は標準状態(0 ℃・1.013 × 10⁵ Pa)での値(条件が変われば使えない)
- 気体の体積は種類によらない(同じ物質量なら、どの気体も同じ体積を占める)
1. 原子量・分子量・式量
根拠: 学習指導要領 化基-(3)-ア-(ア)-㋐
原子量とは何を基準にした、どんな値?
質量数 12 の炭素原子(¹²C)を 12 とした、原子の相対質量の平均値
同位体の存在比を考えた平均になっている。単位はない。
分子量はどう求める?
分子式に含まれる原子の原子量をすべて足す
例: H₂O の分子量 = 1.0 × 2 + 16 = 18。
式量とは何か。どんな物質で使う?
組成式に含まれる原子の原子量の和。イオン結晶・金属・共有結合の結晶など、分子をつくらない物質で使う
NaCl の式量 = 23 + 35.5 = 58.5。
原子量・分子量・式量に単位はあるか?
ない(相対質量だから)
単位が付くのはモル質量(g/mol)にしたとき。
2. モル質量
根拠: 学習指導要領 化基-(3)-ア-(ア)-㋐
モル質量とは何か。値はどう決まる?
物質 1 mol あたりの質量。原子量・分子量・式量に g/mol を付けた値になる
H₂O なら 18 g/mol、NaCl なら 58.5 g/mol。
質量から物質量を求める式は?
物質量[mol]= 質量[g]÷ モル質量[g/mol]
逆に、物質量 × モル質量 = 質量。
水 36 g は何 mol か?
2 mol
36 g ÷ 18 g/mol = 2 mol。関係を確かめるための 1 例。
モル質量の単位が g/mol であることは、計算のどこで役に立つ?
単位を見れば、かけるのか割るのかが分かる
g ÷(g/mol)= mol になる。迷ったら単位で確かめる。
3. 気体の体積
根拠: 学習指導要領 化基-(3)-ア-(ア)-㋐
同じ温度・同じ圧力で、同じ体積の気体には同じ数の分子が含まれる。この法則は?
アボガドロの法則
だから気体の体積は、種類によらず物質量だけで決まる。
標準状態とは、どんな温度・圧力のことか?
0 ℃・1.013 × 10⁵ Pa(1 気圧)
この条件での気体 1 mol の体積が 22.4 L。
標準状態で、気体 1 mol の体積は?
22.4 L
気体の種類によらない。
標準状態の気体の体積から物質量を求める式は?
物質量[mol]= 体積[L]÷ 22.4 L/mol
22.4 が使えるのは標準状態のときだけ。
標準状態で酸素 O₂ 11.2 L は何 mol で、質量は何 g か?(O = 16)
0.5 mol、32 g/mol × 0.5 = 16 g
体積 → mol → 質量、と mol を経由する。
標準状態で同じ体積の水素と酸素を比べると、分子の数と質量はどうなる?
分子の数は同じ、質量は酸素のほうが大きい
数が同じでも、1 分子の質量(分子量)が違う。
気体の密度(1 L あたりの質量)は、どう求められる?
モル質量[g/mol]÷ 22.4 L/mol(標準状態)
分子量が大きい気体ほど密度が大きい。
22.4 L/mol を使ってよいかどうかは、何で判断する?
標準状態(0 ℃・1.013 × 10⁵ Pa)かどうか
条件が違えば体積も変わるので、この値は使えない。