みならいノート

公共 2027年度版

消費者の権利と責任

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 公共 B ア (ア)「多様な契約及び消費者の権利と責任」。
根拠の条文は、消費者基本法・消費者契約法・特定商取引法・製造物責任法(e-Gov 法令検索で確認)。

0. 何を押さえるか

契約自由の原則は、当事者が対等であることを前提にしています。ところが、商品について詳しい事業者と、よく知らない消費者の間には、
情報の質と量、交渉力の格差があります(消費者契約法 1 条がこの言葉で書いている)。そこで、契約の原則を消費者の側に寄せて修正する法律が作られてきました。

似た救済が 3 つあり、どの法律の、どんな仕組みかを取り違えやすいところです。

クーリング・オフ 消費者契約法の取消し 製造物責任法(PL 法)
使える場面 訪問販売・電話勧誘販売など、法律が決めた取引 事業者との契約すべて(店頭・通信販売も) 欠陥製品で、けがや物の損害が出たとき
理由は要るか 要らない(一定期間なら無条件) 要る(うそ・不退去などで誤認・困惑した) 要る(製品の欠陥)
期間 書面を受け取った日から 8 日(連鎖販売取引などは 20 日) 追認できる時から 1 年・契約から 5 年 知った時から 3 年(生命・身体は 5 年)・引き渡しから 10 年
できること 申込みの撤回・契約の解除 契約の取消し 製造業者等への損害賠償の請求(過失の証明は要らない)

引っかけの分かれ目は次の 3 つ。

1. 消費者の権利と消費者行政

根拠: 学習指導要領 公共-B-ア-(ア)

1962 年、アメリカのケネディ大統領は、消費者の 4 つの権利(安全である権利・知らされる権利・選ぶ権利・意見を聞いてもらう権利)を示しました。
その後、国際的な消費者団体である国際消費者機構(CI)は、消費者の 8 つの権利と5 つの責任を掲げています。

消費者の 8 つの権利 消費者の 5 つの責任
生活の基本的な需要が満たされる権利・安全である権利・知らされる権利・選ぶ権利・意見が反映される権利・補償を受ける権利・消費者教育を受ける権利・健全な環境の中で働き生活する権利 批判的な意識を持つ・主張し行動する・社会的弱者に配慮する・環境に配慮する・連帯する

日本では 1968 年の消費者保護基本法が、2004 年に消費者基本法へ改められ、消費者を「保護される人」から「権利を持ち、自立した主体」へと位置づけ直しました。
2009 年には、各省庁に分かれていた消費者行政をまとめる消費者庁が発足しています。困ったときの相談先は、地方公共団体の消費生活センター(消費者ホットライン 188)です。

1962 年に「消費者の 4 つの権利」を示したアメリカの大統領は?4 つの権利とは?

ケネディ。安全である権利・知らされる権利・選ぶ権利・意見を聞いてもらう権利

のちに国際消費者機構(CI)が、これを広げた「8 つの権利と 5 つの責任」を掲げた。

2004 年、消費者保護基本法を改めて作られた法律は?何が変わった?

消費者基本法。消費者を保護の対象から、権利を持ち自立した主体へと位置づけ直した

消費者の権利として、安全の確保・選択の機会・情報と教育・意見の反映・被害の救済を明記した(2 条)。

消費者の 5 つの責任とされるものを、環境・社会的弱者に関わるものを含めて挙げると?

批判的な意識を持つ・主張し行動する・社会的弱者に配慮する・環境に配慮する・連帯する

消費者は権利を持つだけでなく、自分の消費が社会や環境に与える影響にも責任を持つ、という考え方。

消費者の苦情や相談を受け付け、助言やあっせんを行う、地方公共団体の機関を何という?また、2009 年に発足した国の行政機関は?

消費生活センターと消費者庁

消費者庁は、各省庁に分かれていた消費者行政を一元化するために置かれた。

2. クーリング・オフ(特定商取引法)

根拠: 学習指導要領 公共-B-ア-(ア)

訪問販売や電話勧誘では、消費者は準備も比較もできないまま、急に決断を迫られます。そこで頭を冷やす(cooling off)期間を与えるのがクーリング・オフです。
期間は、法律が定める内容を書いた書面(電子メールなどの電磁的記録を含む)を受け取った日から数えます。

取引 期間
訪問販売・電話勧誘販売・特定継続的役務提供(エステ・学習塾など)・訪問購入 8 日
連鎖販売取引(マルチ商法)・業務提供誘引販売取引(内職商法) 20 日
通信販売 クーリング・オフは無い

訪問販売や電話勧誘販売で、一定の期間内なら理由を問わず申込みを撤回したり契約を解除したりできる制度を何という?期間は?

クーリング・オフ。法定の書面を受け取った日から 8 日以内

特定商取引法 9 条(訪問販売)・24 条(電話勧誘販売)。

マルチ商法(連鎖販売取引)のクーリング・オフ期間は?

20 日(特定商取引法 40 条)

内職商法(業務提供誘引販売取引)も 20 日。仕組みが複雑で、考える時間が長く要るため。

インターネット通販で買った商品は、クーリング・オフできる?

できない(通信販売はクーリング・オフの対象外)

返品できるかどうかは、広告の返品特約に従う。特約の表示が無ければ、商品を受け取った日から 8 日以内なら解除できる(特定商取引法 15 条の 3)。

クーリング・オフの通知は、いつ効力が生じる?方法は?

通知を発した時(出した時)。書面または電子メールなどの電磁的記録で行う

届く前に期間が過ぎても有効。事業者は損害賠償や違約金を請求できず、商品の引き取り費用も事業者の負担になる。

3. 消費者契約法と製造物責任法

根拠: 学習指導要領 公共-B-ア-(ア)

消費者契約法(2001 年施行)は、店頭販売や通信販売も含む、消費者と事業者の間の契約すべてに使える法律です。
2018 年の改正(2019 年施行)では、成年年齢の引き下げに備えて、「社会生活上の経験が乏しい」ことにつけ込む勧誘(就職の不安をあおる・好意につけ込む〈デート商法〉など)による契約も取り消せるようになりました。
また、国が認めた適格消費者団体は、不当な勧誘や契約条項をやめるよう事業者に求める訴え(消費者団体訴訟)を起こせます。

製造物責任法(PL 法)は 1994 年に制定され(1995 年施行)、欠陥製品の被害について、民法の過失責任の原則を修正しました。

事業者が重要なことについて事実と違うことを言ったり、帰ってほしいと言っても帰らなかったりして結ばせた契約を、消費者が取り消せると定めた法律は?

消費者契約法(4 条)

うそ(不実告知)・「必ずもうかる」(断定的判断の提供)・不退去・退去妨害などが取消しの理由になる。

「当社はいかなる損害についても一切責任を負いません」のように、事業者の損害賠償の責任を全部免除する契約条項の効力は?

無効(消費者契約法 8 条)

消費者の利益を一方的に害する条項も無効になる(同法 10 条)。

製造物責任法(PL 法)で、被害者が製造業者などに損害賠償を求めるとき、証明する必要があるのは製造業者の「過失」か、製品の「欠陥」か?

製品の欠陥(製造業者の過失は証明しなくてよい)

過失が無くても責任を負う無過失責任。製造物責任法 3 条。

製造物責任法の「製造物」とは何か?対象にならない例は?

製造又は加工された動産(製造物責任法 2 条 1 項)

土地・建物などの不動産や、加工していない農産物、サービスは対象にならない。

このノートの 12 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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