みならいノート

公共 2027年度版

地方自治のしくみ

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領「公共」B ア (イ) の「地方自治」。内容の取扱いは、政治参加・世論の形成と関連させて扱い、
住民としての自治意識を育てるよう求めています。
条文は 2026-09-26 に e-Gov の日本国憲法(92〜95 条)と地方自治法(74〜81 条・178 条)で確かめました。

0. 何を押さえるか

憲法 92 条は、地方公共団体の組織と運営を「地方自治の本旨」に基づいて法律で定めるとします。
地方自治の本旨は、次の 2 つの要素からなると説明されます。

団体自治 住民自治
意味 地方公共団体が国から独立して、自らの事務を自らの権限で行う 地域の政治を、その地域の住民の意思に基づいて行う
表れ 条例の制定(94 条)・地方分権 首長と議員の直接選挙(93 条)・直接請求権・住民投票
思想の源 自由主義的(国の権力からの自由) 民主主義的(住民の参加)

取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。

1. 地方自治の本旨と地方公共団体の機関

根拠: 学習指導要領 公共-B-ア-(イ)

地方自治は、住民が身近な問題を通して政治に参加し、民主政治の担い手として育つ場でもあります。
イギリスの政治学者ブライスはこれを「地方自治は民主主義の学校」と表しました。

憲法 92 条の「地方自治の本旨」を構成する 2 つの要素は?

団体自治と住民自治

団体自治=国から独立して自らの事務を行う。住民自治=住民の意思に基づいて行う。

首長と議会の議員を、どちらも住民が直接選挙で選ぶ地方のしくみを何という?

二元代表制

憲法 93 条 2 項「地方公共団体の長、その議会の議員…は、その地方公共団体の住民が、直接これを選挙する」。

地方議会が首長の不信任を議決したとき、首長はどうできる?

通知を受けた日から 10 日以内に議会を解散できる(地方自治法 178 条)

解散しなければ首長は職を失う。解散後の議会で再び不信任が議決されたときも失職する。

首長が、議会の議決に異議があるときに審議のやり直しを求めることができる権限を何という?

拒否権(再議権)

首長と議会が互いに抑え合うしくみの一つ。不信任と解散が「対立の最終手段」、再議が「日常の抑え」。

地方公共団体が、法律の範囲内でその地域だけに適用されるきまりとして定めるものは?

条例(憲法 94 条)

罰則を設けることもできる。情報公開や環境保護などで、国の法律より先に条例がつくられた例も多い。

2. 直接請求権と住民投票

根拠: 学習指導要領 公共-B-ア-(イ)

国の政治では国民が直接決める場面は少ない(憲法改正の国民投票・最高裁判所裁判官の国民審査)のに対し、
地方では住民が直接かかわる手段が地方自治法で広く認められています。

請求の内容 必要な署名 請求先 請求のあと
条例の制定・改廃(イニシアティブ) 有権者の 50 分の 1 以上 首長 議会にかけて議決
事務の監査 有権者の 50 分の 1 以上 監査委員 監査して結果を公表
議会の解散 有権者の 3 分の 1 以上 選挙管理委員会 住民投票で過半数の同意があれば解散
首長・議員の解職(リコール) 有権者の 3 分の 1 以上 選挙管理委員会 住民投票で過半数の同意があれば失職

(有権者が 40 万人を超える団体では、解散・解職に必要な署名数が段階的に緩められている。地方自治法 76 条・80 条・81 条。)
条例の制定・改廃の請求は、地方税の賦課徴収や使用料・手数料の徴収に関するものは対象外です(74 条)。

条例の制定・改廃を直接請求するには、有権者の何分の 1 以上の署名で、だれに請求する?

50 分の 1 以上の署名で、首長に請求する(地方自治法 74 条)

請求を受けた首長は議会にかける。議会が否決すれば条例はできない(住民投票で決まるのではない)。

事務の監査を直接請求するときの署名数と請求先は?

有権者の 50 分の 1 以上、監査委員(地方自治法 75 条)

条例の請求と同じ 50 分の 1 だが、請求先が首長でなく監査委員。

議会の解散や首長・議員の解職を直接請求するときの署名数と請求先は?

有権者の 3 分の 1 以上(原則)、選挙管理委員会

そのあと住民投票を行い、過半数の同意があれば解散・失職となる。選挙で選ばれた地位を奪うので、要件が重い。

ある 1 つの地方公共団体だけに適用される特別法を国会が制定するとき、憲法が求める手続きは?

その地方公共団体の住民投票で過半数の同意を得る(憲法 95 条)

憲法に根拠を持つ住民投票。これと別に、地方公共団体が条例に基づいて行う住民投票もあるが、その結果には原則として法的な拘束力がない。

3. 地方財政と地方分権

根拠: 学習指導要領 公共-B-ア-(イ)

地方公共団体の収入のうち、自ら集める自主財源(中心は地方税)の割合は低く、国から配られる依存財源に頼る団体が多いことから、
かつて「三割自治」と呼ばれました(割合は団体・年度で違うので、数字そのものは覚えなくてよい)。

地方交付税(地方交付税交付金) 国庫支出金 地方債
何か 団体間の財政格差をならすために国が配る 特定の事業のために国が支出する 地方公共団体の借金
使い道 自由(一般財源) 決められている(特定財源) 原則として建設事業など

地方公共団体の間の財政力の格差を調整するために国から配られ、使い道が決められていないお金は?

地方交付税(地方交付税交付金)

国税の一定割合を原資にする。使い道が指定される国庫支出金と取り違えやすい。

1999 年に成立し、国が地方を下部機関のように扱う「機関委任事務」を廃止した法律は?

地方分権一括法

地方の事務は自治事務と法定受託事務に整理され、国と地方は上下から対等・協力の関係に改められた。

2004〜2006 年度に進められた「三位一体の改革」で、同時に見直された 3 つは?

国庫補助負担金(国庫支出金)の廃止・縮減、地方交付税の見直し、国から地方への税源の移譲

総務省の整理では、約 4.7 兆円の国庫補助負担金改革と、所得税から住民税への約 3 兆円の税源移譲が行われた。

地方が自分で集めて自分で使える財源を増やし、地方分権を財政面から進めることがねらい。

地方自治への参加は、選挙や直接請求だけではありません。地域の課題に取り組むNPO(特定非営利活動法人)やボランティア、
行政の仕事を住民が点検するオンブズマン(オンブズパーソン)制度など、住民としての自治意識を形にする手段は広がっています。

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