みならいノート

公共 2027年度版

公共的な空間を作る原理

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このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。

学習指導要領 公共 A 公共の扉 (3) 公共的な空間における基本的原理 ア (ア)「各人の意見や利害を公平・公正に調整することなどを通して,人間の尊厳と平等,協働の利益と社会の安定性の確保を共に図ることが,公共的な空間を作る上で必要であること」。

0. 何を押さえるか

人が集まって社会を作るのは、1 人ではできないことが協力すればできるからです(協働の利益)。
しかし利益の分け方が不公正なら、不満が積もって社会は長続きしません(社会の安定性が損なわれる)。
そこで、意見や利害を公平・公正に調整するルールが要る——これがこの事項の筋です。その土台にあるのが、一人一人を等しく尊い存在として扱う人間の尊厳と平等です。

思想家 社会(国家)の成り立ちの説明 鍵になる言葉
ホッブズ 自然状態は「万人の万人に対する闘争」。自然権を国家に譲り渡して平和を得る 『リヴァイアサン』
ロック 自然権を守るために政府に信託する。政府が裏切れば抵抗できる 抵抗権(革命権)
ルソー 全員が共同体に身を委ね、公共の利益をめざす一般意志に従う 一般意志・人民主権
ロールズ 自分の立場を知らない状態で選ぶ原理こそ公正 無知のヴェール・公正としての正義
セン 財の量でなく、何ができるかの幅を平等にする 潜在能力(ケイパビリティ)

引っかけの分かれ目は次の 3 つ。

1. 協働の利益と社会の安定性

根拠: 学習指導要領 公共-A-(3)-ア-(ア)

各自が自分の利益だけを追うと、かえって全員が損をすることがあります。協力すれば全員が得をするのに、
相手を信じられないと協力が起きない——この構図を示すのが囚人のジレンマです。ルールや信頼があってはじめて協働の利益が実現します。

2 人がそれぞれ自分に有利な選択をした結果、2 人とも協力した場合より悪い結果になってしまう——この状況を表すモデルを何という?

囚人のジレンマ

個人にとって合理的な選択が、全体にとっては不合理になる。協働の利益を得るには、ルールや信頼が要ることを示す。

各人の意見や利害を公平・公正に調整して公共的な空間を作るとき、あわせて確保をめざすものは?

人間の尊厳と平等、協働の利益と社会の安定性の確保

協力して得た利益を不公正に分ければ不満が積もり、社会の安定性が損なわれる。

2. 社会契約説

根拠: 学習指導要領 公共-A-(3)-ア-(ア)

社会契約説は、国家や法を「神が与えたもの」ではなく、自由で平等な個人どうしの合意(契約)で作られたものと説明します。
国家がなぜ正しいか(正統性)を、人々の同意に求める考え方です。

『リヴァイアサン』で、国家の無い自然状態を「万人の万人に対する闘争」と描き、人々は自然権を国家に譲り渡して平和を得ると説いたのは?

ホッブズ

強い国家(主権者)への服従を説いたので、結果として絶対王政を擁護する形になった。

『統治二論』で、人々は生命・自由・財産という自然権を守るために政府に権力を信託し、政府がそれを侵せば抵抗できると説いたのは?

ロック

抵抗権(革命権)の考えは、アメリカ独立宣言に影響を与えた。

『社会契約論』で、人々は共同体全体の利益をめざす「一般意志」に従うことで真の自由を得ると説き、人民主権を唱えたのは?

ルソー

一般意志は代表できないとして、直接民主制を理想とした。個々人の利益の総和(全体意志)とは区別する。

3. 公正な調整 — 正義の原理

根拠: 学習指導要領 公共-A-(3)-ア-(ア)

利害をどう調整すれば「公正」と言えるのか。古代から現代まで、正義の基準が考えられてきました。

アリストテレスが部分的正義を 2 つに分けたとき、各人の能力や功績に応じて名誉や財を分けるものと、損害を償わせて利害の不均衡を等しく戻すものを、それぞれ何という?

配分的正義(能力・功績に応じて分ける)と 調整的正義(不均衡を等しく正す)

裁判や取引での公正は調整的正義にあたる。

ロールズが、人々が自分の能力・地位・境遇を知らない状態で社会の原理を選ぶと想定したとき、その想定上の条件を何という?

無知のヴェール(その下にある想定の状態が原初状態)

自分が誰になるか分からないので、特定の人に有利な原理は選ばれず、公正な原理が選ばれる、とした。主著『正義論』(1971 年)。

ロールズの正義の第二原理のうち、社会的・経済的な不平等は、最も恵まれない人々の境遇を最大限改善する場合に限って認められる、とするものを何という?

格差原理

第二原理にはもう一つ、公正な機会均等の原理がある。第一原理は、誰もが平等に基本的自由を持つという平等な自由の原理。

人が実際に「何をすることができ、どのような状態でいられるか」の幅を平等の物差しにすべきだと説いたインドの経済学者は? その概念は?

セン、潜在能力(ケイパビリティ)

同じ額のお金を配っても、障害や病気の有無で実際にできることは違う。財の量でなく、生き方の選択の幅に注目する。

結論の中身ではなく、関係者が等しく参加でき、情報が公開され、決め方が事前に定まっているかという面から見た公正を何という?

手続きの公正

もう一方は、機会や結果(配分)が不当に偏っていないかという面から見た公正。両方がそろって合意は受け入れられる。

このノートの 10 問を、暗記カードで復習できます

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答えを隠して出題し、忘れそうなころにもう一度出します。

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