キャリア形成と自立した主体
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 公共 A 公共の扉 (1) ア (ウ)「自主的によりよい公共的な空間を作り出していこうとする自立した主体になることが,自らのキャリア形成とともによりよい社会の形成に結び付くこと」。
0. 何を押さえるか
「公共的な空間」とは、家族や友人のような身近な関係の外に広がる、立場の違う人々が共に暮らす場のことです(地域・国家・国際社会)。
学習指導要領の筋は、自立した主体になる → 自分のキャリアを作る → それが社会を作ることにもなる、の一本です。
| 言葉 | 取り違えやすい理解 | 正しい理解 |
|---|---|---|
| キャリア | 職業上の経歴・出世だけ | 生涯を通じて果たすさまざまな役割の積み重ね(子ども・学生・市民・家庭人も含む) |
| 自立 | 1 人で何でもできること | 自分で考え判断し、他者と協働しながら責任を持って生きること |
| 職業の意義 | 収入を得ることだけ | 代表的な整理では、生計の維持・社会的な役割の分担・自己実現(数え方や呼び名は教科書によって異なる) |
| 成年年齢 | 20 歳 | 2022 年 4 月 1 日から 18 歳(民法 4 条) |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- キャリアは職業だけではない(スーパーは人生の役割を虹の帯で表した)
- 自立は孤立ではない(学習指導要領自身が、孤立せず集団の一員として生きる主体を描いている)
- 18 歳で成年になると、親の同意が無い契約を「未成年だから」と取り消すことはできなくなる
1. 自立した主体とは
根拠: 学習指導要領 公共-A-(1)-ア-(ウ)
学習指導要領は、社会に参画する自立した主体を「孤立して生きるのではなく,地域社会などの様々な集団の一員として生き,他者との協働により当事者として」公共的な空間を作る存在と描いています(A-(1)-イ-(ア))。
自立は、ひとりで閉じこもることではなく、自分で判断しつつ他者とつながることです。
「公共」でいう社会に参画する自立した主体は、孤立して生きる存在か?
孤立して生きるのではなく、様々な集団の一員として、他者との協働により当事者として公共的な空間を作る存在
自分で判断することと、他者と協働することは両立する。
自立をいくつかの面に分けて考えるとき、自分の収入で暮らしを立てることを何的自立という?
経済的自立
代表的な整理では、ほかに自分で考え判断して行動する精神的自立、身の回りのことを自分でこなす生活的自立などが挙げられる。いくつの面に分けるか・何と呼ぶかは教科書によって異なる。
2022 年 4 月 1 日から、民法で成年とされる年齢は何歳か?
18 歳(民法 4 条)
選挙権年齢は、これより先に 18 歳以上へ引き下げられていた(2016 年施行の公職選挙法改正)。
未成年者が親などの法定代理人の同意を得ずにした契約について、民法が未成年者に認めている権利は? 18 歳になると何が変わる?
取り消すことができる(未成年者取消権、民法 5 条)
18 歳で成年になると、自分の判断で契約できる代わりに、この取消権は使えなくなる。自立には責任が伴う。
2. キャリア形成
根拠: 学習指導要領 公共-A-(1)-ア-(ウ)
キャリアは「職業上の経歴」だけを指す言葉ではありません。学生として・家族の一員として・地域の住民として・働く人として、
生涯を通じて果たすさまざまな役割の積み重ね全体を指します。キャリア形成は、その役割を自分で選び取りながら積み重ねていくことです。
人生を虹にたとえ、人は子ども・学生・余暇人・市民・労働者・家庭人などの役割を同時に、年齢とともに比重を変えながら担うと表した人は?
スーパー(ライフ・キャリア・レインボー)
キャリアが職業だけでなく、生涯の役割全体であることを示した図。
職業の持つ意義のうち、収入を得ることとは別に、自分の能力や個性を発揮し、なりたい自分に近づくことを何という?
自己実現
代表的な整理では、ほかに収入を得て暮らしを立てる生計の維持、社会の中で必要な仕事を担う社会的な役割の分担が挙げられる(数え方や呼び名は教科書によって異なる)。
在学中の学生が、企業などで自分の専攻や将来の進路に関わる就業体験をすることを何という?
インターンシップ
実際に働いてみることで、職業観を育て、進路を選び直すきっかけにする。
報酬を目的とせず、自分の意思で社会や他者のために行う活動を何という?
ボランティア
職業以外にも、社会に参画し役割を担う道があることを示す例。自発性・無償性・公益性が特徴とされる。
学校を出たあとも、生涯にわたって学び続けることを何という?
生涯学習
キャリアは一度で決まるものではなく、学び直しながら何度でも作り直していく。
3. キャリア形成と社会の形成
根拠: 学習指導要領 公共-A-(1)-ア-(ウ)
自分のキャリアを作ることは、同時に社会を作ることでもあります。働けば財やサービスを他者に届けることになり、
地域の活動や選挙に参加すれば、自分たちが暮らす公共的な空間のあり方を決めることになるからです。
学習指導要領によれば、自立した主体になることは、何と何に結び付くとされているか?
自らのキャリア形成と、よりよい社会の形成
個人の生き方を作ることと社会を作ることは別々ではない、というのがこの事項の中心。
立場や考えの違う人々が共に暮らし、その在り方を自分たちで決めていく場を、「公共」では何と呼ぶ?
公共的な空間
地域社会・国家・国際社会など。身近な人間関係(家族・友人)より外に広がる場を指す。