イスラーム
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領「倫理」A (1) ア (イ) の「人生における宗教や芸術のもつ意義についても理解すること」。
内容の取扱いが名指しする「イスラーム」を扱います。イスラームは「(神への)絶対的な帰依」を意味し、
信仰が礼拝や断食といった日々の行いと、社会の決まりにまで及ぶところに特色があるとされます。
0. 何を押さえるか
7 世紀のアラビア半島で、ムハンマドが唯一神アッラーの啓示を受けたとされることから始まりました。
ユダヤ教・キリスト教と同じ唯一神を信じる系譜に立ち、ムハンマドをその最後の預言者とします。
| 中身 | |
|---|---|
| 神 | アッラー(唯一神。偶像崇拝を禁じる) |
| 預言者 | ムハンマド(最後で最大の預言者とされる) |
| 聖典 | クルアーン(コーラン) |
| 信じること(六信) | 神・天使・啓典・預言者・来世・天命 |
| 行うこと(五行) | 信仰告白・礼拝・喜捨・断食・巡礼 |
| 共同体 | ウンマ(信徒の共同体) |
取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。
- 六信は信じる対象、五行は行う務め。天使・来世は六信、礼拝・断食は五行
- ムハンマドは神ではなく人間の預言者。モーセやイエスも預言者として認められている
- スンナ派とシーア派。ムハンマドの後継者をめぐって分かれた。多数派はスンナ派
1. ムハンマドとクルアーン
根拠: 学習指導要領 倫理-A-(1)-ア-(イ)
メッカの商人だったムハンマドは、610 年ごろに神の啓示を受けたとされ、偶像崇拝をやめて唯一神に帰依するよう説きました。
迫害を受けてメディナへ移り、そこで信徒の共同体をつくりました。
7 世紀のアラビア半島で唯一神の啓示を受けたとされ、イスラームを開いた預言者は?
ムハンマド
メッカの商人の出身。神ではなく、神の言葉を預かった人間とされる。
イスラームで信じられる唯一神の名は?
アッラー
姿を像や絵に表すことは偶像崇拝として禁じられる。
ムハンマドに下された神の啓示をまとめた、イスラームの聖典は?
クルアーン(コーラン)
アラビア語で記された神の言葉そのものとされ、信仰だけでなく生活や社会の規範のよりどころになる。
622 年、迫害を受けたムハンマドが信徒とともにメッカからメディナへ移ったことを何という?
ヒジュラ(聖遷)
この年がイスラーム暦の元年とされる。
イスラームでは、アブラハム・モーセ・イエスなどに続くムハンマドをどのような預言者と位置づけるか?
最後の(最大の)預言者(預言者の封印)
モーセやイエスも神の言葉を伝えた預言者として認められている。
イスラームで、同じ唯一神の啓示を受けた聖典を持つとして、ユダヤ教徒とキリスト教徒を何と呼ぶ?
啓典の民
一定の条件のもとで信仰を保つことが認められた。
2. 六信五行
根拠: 学習指導要領 倫理-A-(1)-ア-(イ)
イスラームでは、信じることと行うことが分けて定められています。信仰は心の中だけのものではなく、
毎日の礼拝や年に一度の断食など、具体的な行いとして生活の中に表れます。
ムスリム(イスラームの信徒)が信じるべきとされる 6 つ(六信)は?
神(アッラー)・天使・啓典・預言者・来世・天命
天命は、すべてが神の定めによるとする考え。来世では最後の審判があるとされる。
ムスリムが行うべきとされる 5 つの務め(五行)は?
信仰告白・礼拝・喜捨・断食・巡礼
礼拝は 1 日に 5 回、メッカの方向に向かって行う。
五行のうち、イスラーム暦のラマダーン月に、日の出から日没まで飲食を断つ務めは?
断食(サウム)
飢えを体験して貧しい人の苦しみを知り、神への感謝を深めるものとされる。
五行のうち、財産の一部を貧しい人などのために差し出す務めは?
喜捨(ザカート)
信徒の間での助け合いを制度として定めたもの。
3. ウンマとイスラーム法
根拠: 学習指導要領 倫理-A-(1)-ア-(イ)
イスラームでは、神の前ではすべての信徒が平等とされ、信徒の共同体が民族や部族を越えて結びつきました。
信仰と生活・政治を切り離さず、社会の決まりもクルアーンに基づいて定められます。
民族や部族の違いを越えて、同じ信仰で結ばれたイスラームの信徒の共同体を何という?
ウンマ
神の前での信徒の平等を土台にし、聖職者の身分を置かない。
クルアーンと、ムハンマドの言行に基づく慣行(スンナ)をもとに定められた、生活と社会の全体に及ぶ法を何という?
シャリーア(イスラーム法)
礼拝などの宗教上の務めから、結婚・相続・商取引まで定める。
ムハンマドの後継者をめぐって分かれた、イスラームの 2 つの主な宗派は?
スンナ派(多数派)とシーア派
シーア派は、ムハンマドのいとこで娘婿のアリーとその子孫だけを正しい指導者とする。