裁判所と司法
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 公民的分野 C (2) 民主政治と政治参加 ア (ウ)「国民の権利を守り,社会の秩序を維持するために,法に基づく公正な裁判の保障があること」。
0. どういう論点か
争いや犯罪を、力の強い人や権力者の都合で片付けてしまえば、人々の権利は守れません。
そこで法に基づいて、公正に裁くのが裁判所の仕事で、そのためにいくつもの仕組みがあります。
- 裁判官がほかの権力から圧力を受けないように → 司法権の独立
- 1 回の裁判のまちがいで人生が決まらないように → 三審制
- 無実の人が罰せられないように → 令状主義・黙秘権・弁護人
裁判には 2 つの種類があり、登場する人の呼び名がちがいます。
| 民事裁判 | 刑事裁判 | |
|---|---|---|
| 扱うもの | 個人や企業どうしの争い(お金の貸し借り・土地など) | 犯罪 |
| 訴える人 | 原告 | 検察官 |
| 訴えられる人 | 被告 | 被告人 |
| 終わり方 | 判決のほか、話し合いで和解することもある | 有罪か無罪か、有罪なら刑罰を決める |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 「被告」は民事裁判、「被告人」は刑事裁判(刑事で起訴される前は「被疑者」)
- 第一審から第二審へが控訴、第二審から第三審へが上告
- 違憲審査権はすべての裁判所がもつ。最終的に決めるのが最高裁判所
1. 司法権の独立
根拠: 学習指導要領 公-C-(2)-ア-(ウ)
日本国憲法は、司法権はどこに属すると定めている?
最高裁判所と、法律で定める下級裁判所
下級裁判所は、高等裁判所・地方裁判所・家庭裁判所・簡易裁判所の 4 種類。
裁判官は、何に従い、何にだけ拘束されて裁判を行う?
自分の良心に従い、憲法と法律にだけ拘束される
国会や内閣など、ほかの権力から干渉を受けない。これを司法権の独立という。
裁判官が辞めさせられるのは、どのような場合に限られる?
心身の故障で職務が行えないと裁判で決まったとき・弾劾裁判で罷免されたとき・(最高裁判所の裁判官は)国民審査で罷免されたとき
これ以外では辞めさせられないという身分保障があるので、圧力を気にせず裁判ができる。
2. 三審制と裁判の種類
根拠: 学習指導要領 公-C-(2)-ア-(ウ)
1 つの事件について、3 回まで裁判を受けられるしくみを何という?その目的は?
三審制。裁判のまちがいを防ぎ、人権を守るため
第一審の判決に不服なら第二審へ控訴、第二審の判決に不服なら第三審へ上告する。
第一審の判決に不服で上級の裁判所に訴えることと、第二審の判決に不服で訴えることを、それぞれ何という?
控訴(第一審 → 第二審)・上告(第二審 → 第三審)
「こ」うそが先、「じょう」こくが後。
個人や企業どうしの争いを扱う裁判で、訴えた人と訴えられた人をそれぞれ何という?
民事裁判。訴えた人=原告、訴えられた人=被告
国や地方公共団体を相手に訴える裁判(行政裁判)も、民事裁判の一種として行われる。
犯罪を扱う裁判で、被疑者を裁判所に訴える(起訴する)のはだれか?
検察官
刑事裁判では、起訴された人を被告人という。被告人の側に立って弁護するのは弁護人(弁護士)。
犯罪の疑いを受けて捜査されている人と、起訴されて裁判にかけられた人を、それぞれ何という?
被疑者(捜査の段階)・被告人(起訴されたあと)
有罪の判決が確定するまでは罪を犯していないものとして扱われる(推定無罪)。
3. 被疑者・被告人の権利と、えん罪
根拠: 学習指導要領 公-C-(2)-ア-(ウ)
現行犯の場合を除き、裁判官が出す令状がなければ逮捕されないという原則を何という?
令状主義
警察などが勝手に人を捕まえたり、家を捜索したりすることを防ぐ。
取り調べや裁判で、自分に不利なことを言わなくてよい権利を何という?
黙秘権
自白を無理にさせることや拷問は憲法で禁じられ、自白だけでは有罪にできない。
刑事裁判の被告人が、自分で弁護人を頼めないとき、国が付ける弁護人を何という?
国選弁護人
被告人には弁護人を頼む権利が憲法で保障されている。
無実の人が罪を着せられることを何という?また、確定した判決にまちがいの疑いがあるときに裁判をやり直すことを何という?
えん罪・再審
死刑判決が確定したあとに再審で無罪になった例もある。被疑者・被告人の権利は、えん罪を防ぐためにある。
4. 裁判員制度と違憲審査
根拠: 学習指導要領 公-C-(2)-ア-(ウ)
司法制度改革は、裁判を国民にとって身近で分かりやすく、利用しやすいものにするために進められてきました。
裁判員制度(2009 年開始)のほか、法律の相談を受ける日本司法支援センター(法テラス)の設置などがあります。
国民の中からくじで選ばれた人が、裁判官といっしょに刑事裁判に参加する制度を何という?
裁判員制度
国民の感覚を裁判に反映させ、司法への理解と信頼を深めるために、2009 年に始まった。
裁判員裁判は、どのような事件の、どの段階の裁判で行われる?
重大な犯罪の刑事裁判の、第一審(地方裁判所)
民事裁判や、控訴・上告のあとの裁判では行われない。
裁判員裁判では、原則として裁判員何人と裁判官何人で、何を決める?
裁判員 6 人と裁判官 3 人で、有罪か無罪か、有罪ならどのような刑にするかを決める
話し合い(評議)で決める。裁判員は評議の内容をもらしてはならない(守秘義務)。
法律や命令などが憲法に違反していないかを判断する権限を何という?また、最高裁判所が「憲法の番人」と呼ばれるのはなぜ?
違憲審査権。最高裁判所が、合憲か違憲かを最終的に決定する裁判所だから
違憲審査権はすべての裁判所がもつ。憲法に違反する法律は効力をもたない。