対立と合意・効率と公正
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 公民的分野 A 私たちと現代社会 (2) 現代社会を捉える枠組み ア (ア)「現代社会の見方・考え方の基礎となる枠組みとしての対立と合意,効率と公正など」。
0. どういう論点か
人は 1 人では生きられず、家族・学校・地域などの集団の中で暮らしています。
考え方や利害の違う人が一緒に暮らす以上、対立が起きるのは当たり前で、大事なのはそれをどう合意に持っていくかです。
合意の中身を確かめるものさしが 効率 と 公正 です。この 2 つは、このあとの経済・政治の単元でもくり返し使います。
| ものさし | 問うこと | 例 |
|---|---|---|
| 効率 | 無駄は無いか | 限られた時間・お金・ものを最大限に生かせているか |
| 公正(手続き) | 決め方は正しいか | 関係する全員が決定に参加できたか |
| 公正(機会・結果) | 中身は正しいか | 不当に不利になる人はいないか |
| 決め方 | 長所 | 短所 |
|---|---|---|
| 全員一致 | 全員が納得する | 決まるまでに時間がかかり、決まらないこともある |
| 多数決 | 一定の時間内に決まる | 少数意見が反映されにくい |
| 代表者が決める | 早く決まる | 全員の意見が反映されにくい |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 効率は「無駄を省く」、公正は「不当に扱われる人がいない」(効率が良くても公正とは限らない)
- 公正には「手続き」と「機会・結果」の 2 つの面がある
- 多数決は「少数意見の尊重」とセット(数で押し切ってよいという意味ではない)
1. 社会的存在としての人間
根拠: 学習指導要領 公-A-(2)-ア-(イ)
告示は、この単元の (イ) を「人間は本来社会的存在であることを基に」と書き出しています。
対立と合意の話は、この「人は集団の中で生きる」という前提から始まります。
人間が、家族・学校・地域などの集団の中で、ほかの人と関わりながら生きる存在であることを何という?
社会的存在
人が属するそれぞれの集団は、社会集団と呼ばれる。
人が生まれて最初に属する、最も身近で基礎的な社会集団は?
家族
学校や地域社会、職場なども社会集団にあたる。
2. 対立と合意
根拠: 学習指導要領 公-A-(2)-ア-(ア)
社会集団の中で、考え方や利害の違いから意見がぶつかり合うことを何という?
対立
人がそれぞれ違う以上、対立が起きること自体は避けられない。
対立が起きたとき、話し合いによって、互いが受け入れられる解決策にたどりつくことを何という?
合意
合意の中身が妥当かどうかを確かめる基準が、効率と公正。
3. 効率と公正
根拠: 学習指導要領 公-A-(2)-ア-(ア)
時間・お金・もの・労力などの無駄を省き、限られた資源を最大限に生かすという考え方を何という?
効率
「みんなが得をする形か」「もっと無駄の少ない方法は無いか」と問う。
一部の人が不当に扱われたり、不利益を受けたりしないようにするという考え方を何という?
公正
効率の良い決定でも、特定の人だけが損をするなら公正とはいえない。
「関係する人全員が、決定に参加できたか」を問う公正を何という?
手続きの公正さ
決め方そのものが正しいかを問う。
「誰にも同じ機会が与えられているか」「立場が変わっても受け入れられる結果か」を問う公正を何という?
機会や結果の公正さ
手続きの公正さが決め方を問うのに対し、こちらは中身を問う。
4. 物事の決め方
根拠: 学習指導要領 公-A-(2)-ア-(ア)
全員一致で物事を決める方法の長所と短所は?
長所=全員が納得できる
短所=決まるまでに時間がかかり、決まらないこともある
人数が少ない集団や、とくに大事な決定に向いている。
多数決で物事を決める方法の長所と短所は?
長所=一定の時間内に決められる
短所=少数意見が反映されにくい
多くの人が関わる決定で使われる。
多数決で決める前に大切にしなければならないことは?
十分に話し合い、少数意見を尊重すること
数の多さだけで決めると、少数の人が不当に扱われるおそれがある。
一人または代表者が物事を決める方法の長所と短所は?
長所=すばやく決められる
短所=全員の意見が反映されにくい
決める人に任せる範囲を、あらかじめ全員で決めておくことが大切。