天皇の地位と国事行為
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 公民的分野 C 私たちと政治 (1) 人間の尊重と日本国憲法の基本的原則 ア (エ)「日本国及び日本国民統合の象徴としての天皇の地位と天皇の国事に関する行為」。
0. どういう論点か
国民主権の国で、天皇が政治の力を持つと主権の持ち主が二人になってしまいます。
そこで日本国憲法は、天皇を国の象徴とし、行うことを憲法に書かれた形式的・儀礼的な国事行為に限りました。
しかも国事行為は天皇の判断ではなく、内閣の助言と承認で行い、その責任は内閣が負います。
このしくみから「決めるのは誰で、形式として行うのは誰か」を分けるのが、この論点の核心です。
| 役職 | 指名する(決める) | 任命する(形式) |
|---|---|---|
| 内閣総理大臣 | 国会 | 天皇 |
| 最高裁判所長官 | 内閣 | 天皇 |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 内閣総理大臣を「指名」するのは国会、「任命」するのは天皇(天皇が選ぶのではない)
- 国事行為の責任を負うのは内閣(天皇ではない)
- 衆議院の解散・国会の召集は国事行為だが、それを決めるのは内閣
1. 象徴としての天皇
根拠: 学習指導要領 公-C-(1)-ア-(エ)
日本国憲法 1 条は、天皇をどのような地位と定めている?
日本国の象徴であり日本国民統合の象徴
その地位は「主権の存する日本国民の総意に基く」。大日本帝国憲法では天皇は元首で主権者だった。
日本国憲法 4 条は、天皇が国政についてどのような立場にあると定めている?
国政に関する権能を有しない
天皇が行えるのは、憲法の定める国事に関する行為だけ。
天皇が国事行為を行うときに必要なものと、その責任を負う機関は?(3 条)
内閣の助言と承認が必要で、内閣が責任を負う
天皇が自分の判断で行うのではない。国民主権と両立させるためのしくみ。
2. 国事行為
根拠: 学習指導要領 公-C-(1)-ア-(エ)
主な国事行為(6 条・7 条)は次のとおりです。
- 内閣総理大臣の任命(国会の指名に基づく)
- 最高裁判所長官の任命(内閣の指名に基づく)
- 憲法改正・法律・政令・条約の公布
- 国会の召集
- 衆議院の解散
- 国会議員の総選挙の施行の公示
- 栄典の授与
- 外国の大使・公使の接受、儀式を行うこと
内閣総理大臣を指名するのはどこで、任命するのは誰?
国会が指名し、天皇が任命する
天皇の任命は形式的なもの。実際に選ぶのは国会。
最高裁判所長官を指名するのはどこで、任命するのは誰?
内閣が指名し、天皇が任命する
内閣総理大臣(国会が指名)と、指名する機関を入れ替えやすい。
国会で成立した法律を、国民に知らせるために公布するのは誰?
天皇(国事行為)
法律を定めるのは国会。天皇は公布という形式を担う。
次のうち天皇の国事行為はどれ? ア 衆議院の解散 イ 条約の締結 ウ 予算の議決
ア 衆議院の解散
条約を締結するのは内閣、予算を議決するのは国会。天皇が行うのは条約の「公布」。
国会を召集するのは、形式上は誰が行う国事行為か?
天皇
召集を決めるのは内閣。天皇は内閣の助言と承認によって召集する。