地方自治
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 公民的分野 C (2) 民主政治と政治参加 ア (エ)「地方自治の基本的な考え方(地方公共団体の政治の仕組み,住民の権利や義務)」。
0. どういう論点か
ごみの収集・学校・上下水道など、身近な暮らしのことは、その地域に住む人がいちばんよく分かります。
そこで地域のことは、その地域の住民が自分たちで決めるのが地方自治です。
身近な問題を通して政治に参加することが民主主義を学ぶ場になるので、「地方自治は民主主義の学校」と言われます。
国の政治と比べると、住民が直接かかわれる場面が多いのが特色です。
| 国 | 地方公共団体 | |
|---|---|---|
| 行政の長 | 内閣総理大臣(国会が指名) | 首長=知事・市(区)町村長(住民が直接選挙) |
| 議会 | 国会 | 地方議会 |
| つくるきまり | 法律 | 条例(法律の範囲内) |
| 住民・国民が直接かかわる手段 | 選挙・国民審査・憲法改正の国民投票 | 選挙・直接請求権・住民投票 |
直接請求権(地方自治法):
| 請求の内容 | 必要な署名 | 請求先 |
|---|---|---|
| 条例の制定・改廃 | 有権者の 50 分の 1 以上 | 首長 |
| 事務の監査 | 有権者の 50 分の 1 以上 | 監査委員 |
| 議会の解散 | 有権者の 3 分の 1 以上 | 選挙管理委員会 |
| 首長・議員の解職 | 有権者の 3 分の 1 以上 | 選挙管理委員会 |
(有権者が 40 万人を超える地方公共団体では、解散・解職に必要な署名の割合が緩められている。)
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- 首長は住民が直接選ぶ(議会が選ぶのではない。国の内閣総理大臣と逆)
- 署名 50 分の 1 は条例・監査、3 分の 1 は解散・解職(人の地位を奪うほうが重い)
- 地方交付税交付金は使い道が自由、国庫支出金は使い道が決まっている
1. 地方自治の考え方としくみ
根拠: 学習指導要領 公-C-(2)-ア-(エ)
「地方自治は民主主義の学校である」と述べたイギリスの政治学者は?
ブライス
住民が身近な地域の政治に参加することが、民主主義を学ぶ場になるという意味。
都道府県や市(区)町村のように、地方自治を行う単位を何という?
地方公共団体(地方自治体)
日本国憲法は第 8 章で地方自治を定めている。
地方公共団体で、首長と地方議会の議員をどちらも住民が直接選挙で選ぶしくみを何という?
二元代表制
国では国会が内閣総理大臣を指名するが、地方では首長も住民が直接選ぶ。
都道府県知事・市町村長・地方議会議員の被選挙権は、それぞれ何歳以上?
知事 30 歳以上・市町村長 25 歳以上・地方議会議員 25 歳以上
選挙権はいずれも 18 歳以上。任期はいずれも 4 年。
地方議会が首長の不信任を議決したとき、首長はどうできる?
10 日以内に議会を解散できる(解散しなければ首長は職を失う)
首長と議会が互いに抑え合うしくみ。首長は議会の議決に対して、審議のやり直しを求めることもできる。
地方議会が、法律の範囲内で定めるその地方公共団体だけのきまりを何という?
条例
国の法律と違い、その地域の中だけで効力をもつ。
2. 住民の権利(直接請求権と住民投票)
根拠: 学習指導要領 公-C-(2)-ア-(エ)
条例の制定・改廃を直接請求するには、有権者のどれだけの署名を集め、だれに請求する?
有権者の 50 分の 1 以上の署名を集め、首長に請求する
請求を受けた首長は議会にかけ、議会が決める。
地方公共団体の仕事(事務)の監査を直接請求するには、有権者のどれだけの署名を集め、だれに請求する?
有権者の 50 分の 1 以上の署名を集め、監査委員に請求する
条例の請求と同じ 50 分の 1。請求先が首長でなく監査委員になる。
議会の解散や首長・議員の解職を直接請求するには、有権者のどれだけの署名を集め、だれに請求する?
有権者の 3 分の 1 以上の署名を集め、選挙管理委員会に請求する
そのあと住民投票を行い、過半数の同意があれば解散・解職になる。
首長や議員を、住民の請求によって任期の途中で辞めさせることを何という?
解職請求(リコール)
選挙で選んだ人を辞めさせるので、必要な署名は 3 分の 1 以上と重い。
地域の重要な問題について、住民が賛成か反対かを投票で直接示す制度を何という?
住民投票
条例に基づいて行う住民投票の結果には、法的な拘束力がないことが多い。1 つの地方公共団体だけに適用される特別法を国がつくるときは、憲法に基づく住民投票で過半数の同意がいる。
3. 地方財政と地方分権
根拠: 学習指導要領 公-C-(2)-ア-(エ)
地方公共団体の収入は、自分で集めるお金(自主財源)だけでは足りない団体が多く、国から配られるお金(依存財源)や借金で補っています。
地方公共団体が住民や企業から集める税で、自主財源の中心となるものは?
地方税
住民税・固定資産税など。国からのお金に頼らずに使える財源。
地方公共団体の間の財政の格差をならすために国から配られ、使い道が決められていないお金を何という?
地方交付税交付金
財政の豊かな団体には少なく、苦しい団体には多く配られる。
義務教育や公共事業など、特定の仕事のために国から支払われ、使い道が決められているお金を何という?
国庫支出金(補助金)
使い道が自由な地方交付税交付金と取り違えやすい。
地方公共団体が、足りない収入を補うために借り入れるお金(借金)を何という?
地方債
国の借金である国債に対応するもの。
国に集中していた仕事や財源を地方に移し、地方公共団体が自分で決められる範囲を広げることを何という?
地方分権
1999 年に地方分権一括法が成立し、国と地方の関係を上下から対等・協力の関係に改めた。