公害の防止と環境保全
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領 公民的分野 B 私たちと経済 (2) 国民の生活と政府の役割 ア (ア)『社会資本の整備、公害の防止など環境の保全の意義』。
0. どういう論点か
道路や上下水道のような生活と生産の土台は、利益が上がりにくいので企業だけでは十分に整いません。
また、企業が利益を求めて生産を広げると、その費用を払っていない周りの人に被害が及ぶことがあります。それが公害です。
どちらも「市場に任せるだけではうまくいかない」ところで、だから政府が整備し、規制します。
四大公害病は、場所・原因物質・病名の 3 つを組で覚えます。
| 病名 | 地域 | 原因 |
|---|---|---|
| 水俣病 | 熊本県・鹿児島県(八代海沿岸) | 工場排水にふくまれたメチル水銀(有機水銀) |
| 新潟水俣病 | 新潟県(阿賀野川流域) | 工場排水にふくまれたメチル水銀(有機水銀) |
| イタイイタイ病 | 富山県(神通川流域) | 鉱山から流れたカドミウム |
| 四日市ぜんそく | 三重県(四日市市) | 石油化学コンビナートの排煙にふくまれた亜硫酸ガス(硫黄酸化物) |
引っかけの分かれ目は次の 3 つ。
- イタイイタイ病はカドミウム(水銀ではない)
- 四日市ぜんそくだけが大気汚染(ほかの 3 つは水の汚染)
- 公害対策基本法(1967 年)→ 環境基本法(1993 年)(公害だけでなく地球環境まで広げた)
1. 社会資本の整備
根拠: 学習指導要領 公-B-(2)-ア-(ア)
道路・港湾・上下水道・公園・学校など、生活や生産の基盤となる公共の施設を何という?
社会資本(インフラ)
整備して保つのは、主に国や地方公共団体の仕事。
社会資本を、主に国や地方公共団体が整備するのはなぜか?
多くの人が使う一方で利益が上がりにくく、民間の企業だけでは十分に整備されないから
財政の資源配分の働きの一つにあたる。
高度経済成長期にまとめて整備された社会資本について、いま大きな課題となっていることは?
老朽化(古くなった施設の点検・修理・建て替え)
橋やトンネル、水道管などの更新に多くの費用がかかる。
2. 四大公害病
根拠: 学習指導要領 公-B-(2)-ア-(ア)
熊本県・鹿児島県の八代海沿岸で起こった、工場排水のメチル水銀(有機水銀)が原因の公害病は?
水俣病
汚染された魚や貝を食べた人に、手足のしびれなど神経の障害が出た。
新潟県の阿賀野川流域で起こった、有機水銀が原因の公害病は?
新潟水俣病
原因物質が水俣病と同じなので、この名で呼ばれる(第二水俣病ともいう)。
富山県の神通川流域で起こった、鉱山から流れたカドミウムが原因の公害病は?
イタイイタイ病
骨がもろくなり、激しい痛みをともなった。水銀が原因の水俣病と取り違えやすい。
三重県の石油化学コンビナートの排煙(亜硫酸ガス)が原因の公害病は?
四日市ぜんそく
四大公害病のうち、これだけが大気汚染による。
四大公害病の裁判は、どのような結果になったか?
4 つとも被害者(原告)側が勝訴した
1970 年代の初めに判決が出て、企業の責任が認められた。これが公害対策を強める後押しになった。
3. 公害対策から環境保全へ
根拠: 学習指導要領 公-B-(2)-ア-(ア)
公害は、明治時代の足尾銅山鉱毒事件(田中正造が問題を訴えた)までさかのぼりますが、
大きな社会問題になったのは高度経済成長期です。その後、問題は工場の公害から、
自動車の排出ガスや生活排水のような身近な公害、さらに地球規模の環境問題へと広がりました。
1967 年に制定された、公害対策の基本となる法律は?
公害対策基本法
大気汚染・水質汚濁・騒音などを公害と定め、国・地方公共団体・企業の責任を明らかにした。のちに土壌汚染が加わり、いまの 7 つの公害(典型 7 公害)になった。
公害対策基本法を発展させ、地球環境問題にも対応するために 1993 年に制定された法律は?
環境基本法
公害を防ぐことに加えて、環境を守り育てる(環境保全)ことを基本の考え方にした。
1971 年に設けられた環境庁は、2001 年に何になったか?
環境省
中央省庁の再編で庁から省に格上げされ、環境行政の中心を担う。
4. 循環型社会と環境アセスメント
根拠: 学習指導要領 公-B-(2)-ア-(ア)
資源を大切に使い、ごみを減らして、再び利用することを進める社会を何という?
循環型社会
大量生産・大量消費・大量廃棄の社会を見直す考え方。2000 年に循環型社会形成推進基本法が制定された。
3R とは、何と何と何か?
リデュース(ごみを減らす)・リユース(くり返し使う)・リサイクル(資源として再生利用する)
取り組む順番もこの順で、まず減らすことがいちばん大事とされる。
大規模な開発を行う前に、それが環境にどんな影響を与えるかを調査・予測・評価するしくみを何という?
環境アセスメント(環境影響評価)
1997 年に環境影響評価法が制定された。影響を事前に調べ、開発の計画に生かす。