表現の技法
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
0. どういうまとまりか
詩や文章では、印象を強めたり、リズムを生んだりするために、ふつうとは違う言い方をします。
これが表現の技法です。名前と例をセットで覚え、文のどこがふつうと違うかで見分けます。
| 技法 | ふつうと違うところ | 例 |
|---|---|---|
| 比喩(直喩) | 「ようだ」「みたいだ」を使ってたとえる | 雪のような白い肌 |
| 比喩(隠喩) | 「ようだ」を使わずにたとえる | 君は僕の太陽だ |
| 比喩(擬人法) | 人でないものを人のように言う | 風がささやく |
| 反復 | 同じ語句をくり返す | 走れ、走れ、どこまでも |
| 倒置 | 語順を入れかえる | 見てごらん、あの星を |
| 体言止め | 文の終わりを体言(名詞)で止める | 窓の外は一面の雪 |
| 省略 | 言葉を途中で切り、後を読み手に任せる | まさか、あの人が…… |
| 対句 | 形のよく似た語句を並べる | 山は青く、水は清い |
分かれ目は次の 3 つ。
- 直喩は「ようだ・みたいだ・ごとし」があり、隠喩は無い。
- 倒置は語順が入れかわっているだけで、語は省かれていない。省略は語が欠けている。
- 反復は同じ語句のくり返し、対句は形が似た別の語句を並べる。
1. 比喩
根拠: 学習指導要領 国1-(1)-オ
比喩は、あるものを別のものにたとえて、様子を生き生きと伝える技法です。
たとえ方によって、直喩・隠喩・擬人法に分けて整理します。
「ようだ」「みたいだ」などを使って、はっきりとたとえる比喩を何というか?
直喩(明喩)。
例: りんごのような赤いほお。
「ようだ」などを使わずに、「A は B だ」とたとえる比喩を何というか?
隠喩(暗喩)。
例: 彼の心は氷だ。
「花が笑う」「木々が眠っている」のように、人でないものを人のように表す比喩を何というか?
擬人法。
「笑う」「眠る」など、人の動作・様子を表す語を、人でないものに使っている。
「あの人の声は鈴を転がすようだ」と「あの人の声は鈴だ」は、それぞれ比喩の何か?
前が直喩(「ようだ」がある)、後が隠喩(「ようだ」が無い)。
2. 反復・倒置・体言止め
根拠: 学習指導要領 国1-(1)-オ
反復は同じ語句をくり返して、気持ちの強さやリズムを出します。
倒置はふつうの語順を入れかえて、先に出した語を強めます。
体言止めは文の終わりを体言(名詞)で止めて、余韻を残したり、印象を強めたりします。
「行こう、行こう、海へ行こう。」で使われている表現の技法は?
反復。
同じ語句「行こう」をくり返して、気持ちの高まりやリズムを出している。
「忘れないよ、君と過ごした夏を。」で使われている表現の技法は?
倒置。
ふつうの語順は「君と過ごした夏を忘れないよ。」。先に出した「忘れないよ」が強まる。
「夕焼けに染まる、ふるさとの山。」で使われている表現の技法は?
体言止め。
文を名詞「山」で終えて、余韻を残している。
3. 省略・対句
根拠: 学習指導要領 国1-(1)-オ
省略は、言葉を途中で切って、後に続く内容を読み手に想像させる技法です。「……」や「――」で示すことが多くあります。
対句は、組み立てのよく似た語句を並べて、リズムを整え、内容を対比させたり強めたりする技法です。
「もしあのとき、声をかけていれば……。」で使われている表現の技法は?
省略。
「……」の後に続く言葉(〜だったかもしれない など)を書かず、読み手の想像に任せている。
「空は高く、海は深い。」のように、組み立てのよく似た語句を並べる表現の技法を何というか?
対句。
「空は/高く」と「海は/深い」が、同じ組み立て(名詞+は+形容詞)で並んでいる。
「春が来た、春が来た」は反復か、対句か?
反復。
同じ語句のくり返しは反復。形が似た別の語句を並べるのが対句(「春は花、秋は月」)。
4. 呼びかけ・擬声語と擬態語
根拠: 学習指導要領 国1-(1)-オ
呼びかけは、人や物に語りかける形で、親しみや強い気持ちを表す技法です。
音をまねた擬声語(擬音語)と、様子をそれらしく表した擬態語も、様子を生き生きと伝える表現です。
「ねえ、月よ。君は何を見てきたの。」のように、人や物に直接語りかける表現の技法を何というか?
呼びかけ。
語りかけることで、読み手に親しみや作者の強い気持ちを伝える。
「雨がザーザー降る」の「ザーザー」と、「星がきらきら光る」の「きらきら」は、それぞれ何というか?
「ザーザー」は実際の音をまねた擬声語(擬音語)、「きらきら」は音のない様子を表した擬態語。