和歌
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
0. どういうまとまりか
和歌は、五七五七七の三十一音でよむ歌です(短歌)。前半の五七五を上の句、後半の七七を下の句といいます。
中学では、3 つの歌集の時代と歌風、それに和歌に特有の表現(修辞)を覚えます。
| 歌集 | 時代 | 編者 | 歌風 |
|---|---|---|---|
| 万葉集 | 奈良時代 | 大伴家持が編纂に関わったとされる | 素朴で力強い(ますらをぶり) |
| 古今和歌集 | 平安時代前期 | 紀貫之ら(醍醐天皇の命) | 優美で技巧的(たをやめぶり) |
| 新古今和歌集 | 鎌倉時代初期 | 藤原定家ら(後鳥羽上皇の命) | 余情・幽玄 |
| 修辞 | 中身 | 例 |
|---|---|---|
| 句切れ | 歌の途中で意味が切れるところ | 二句切れ・三句切れ |
| 枕詞 | 決まった語の前に置く、主に五音の飾りの言葉 | ひさかたの → 光 |
| 掛詞 | 一つの音に二つの意味を重ねる | まつ(松・待つ) |
| 序詞 | ある語を導くために作者が自由に作った、七音以上の前置き | |
| 体言止め | 歌の終わりを名詞で結ぶ | 秋の夕暮れ |
分かれ目は次の 3 つ。
- 枕詞は音数が短く(主に五音)、かかる語が決まっている。序詞は七音以上で、作者が自由に作る。
- 最初の勅撰和歌集は古今和歌集(万葉集は勅撰ではない)。
- 句切れは、終止形・命令形や係り結びの結び、「かな」「けり」などで意味が切れるところを探す。
1. 三大和歌集
根拠: 学習指導要領 国3-(3)-ア
和歌は、作られた時代の歴史的背景を知ると読みやすくなります。
- 万葉集は、律令国家の形が整っていく奈良時代にまとめられました。天皇や貴族だけでなく、九州の守りに送られた東国の兵士(防人)や農民の歌まで収められ、漢字の音や訓で日本語を書き表す万葉仮名で記されています。
- 古今和歌集は、平安時代に仮名文字が広まり、貴族の宮廷文化が栄えるなかで作られました。天皇の命令で作られた最初の歌集(勅撰和歌集)です。
- 新古今和歌集は、武士が力を持ちはじめた鎌倉時代の初めに作られました。貴族たちが和歌の伝統を受け継ぎ、言葉の外に広がる味わい(余情)を重んじました。
現存する日本最古の和歌集は?
万葉集
奈良時代にまとめられ、約四千五百首を収める。
『万葉集』の編纂に関わったとされる歌人は?
大伴家持
『万葉集』の歌風を表す言葉は?
ますらをぶり(素朴で力強い、男性的な歌風)
最初の勅撰和歌集は? また、それを命じた天皇は?
古今和歌集、醍醐天皇
紀貫之らが編んだ。平安時代前期。
『古今和歌集』の歌風を表す言葉は?
たをやめぶり(優美で繊細な、女性的な歌風)
掛詞や縁語などの技巧が多い。
『新古今和歌集』の中心となった編者と、重んじられた歌の味わいは?
藤原定家ら(後鳥羽上皇の命)。余情・幽玄
鎌倉時代初期に成立した。
2. 和歌の表現
根拠: 学習指導要領 国3-(3)-ア
田子の浦ゆうち出でて見れば真白にそ富士の高嶺に雪は降りける 山部赤人(万葉集)
見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ 藤原定家(新古今和歌集)
和歌(短歌)の音数の決まりは?
五七五七七の三十一音
前半の五七五を上の句、後半の七七を下の句という。
枕詞「ひさかたの」「あしひきの」「たらちねの」「ちはやぶる」がかかる語は?
ひさかたの → 光(天・空・月)、あしひきの → 山、たらちねの → 母、ちはやぶる → 神
掛詞とは何か? 「まつ」を例に言うと?
一つの音に二つの意味を重ねる表現。
「まつ」に「松」と「待つ」を重ねる。
枕詞と序詞の違いは?
枕詞は主に五音で、かかる語が決まっている。序詞は七音以上で、作者が自由に作る。
どちらも、ある語を導き出すための前置き。
「見渡せば花も紅葉もなかりけり浦の苫屋の秋の夕暮れ」は何句切れか? 結びの表現技法は?
三句切れ(「なかりけり」で切れる)。結びは体言止め(秋の夕暮れ)。
体言止めは『新古今和歌集』に多い。
「田子の浦ゆうち出でて見れば真白にそ富士の高嶺に雪は降りける」の文末が「ける」になっているのはなぜか?
係りの助詞「そ」(=ぞ)を受けて、連体形で結んでいるから。
「そ」は、奈良時代の歌に見える「ぞ」と同じ働きの係りの助詞。