おくのほそ道
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
0. どういうまとまりか
松尾芭蕉が、門人の河合曾良と江戸の深川を出発し、東北・北陸を巡って美濃の大垣に着くまでの旅を書いた紀行文です。
文章の中に、旅先でよんだ句がおさめられています。
| 項目 | 中身 |
|---|---|
| 種類 | 紀行文(俳諧紀行) |
| 時代 | 江戸時代前期(元禄時代) |
| 作者 | 松尾芭蕉 |
| 同行者 | 河合曾良 |
| 旅の行程 | 深川 → 日光 → 白河の関 → 松島 → 平泉 → 立石寺 → 最上川 → 象潟 → 金沢 → 大垣 |
冒頭の原文:
月日は百代の過客にして、行きかふ年もまた旅人なり。舟の上に生涯を浮かべ、馬の口とらへて老いを迎ふる者は、日々旅にして旅をすみかとす。古人も多く旅に死せるあり。予もいづれの年よりか、片雲の風にさそはれて、漂泊の思ひやまず、
現代語訳(このパックの訳):
月日は永遠に旅を続ける旅人のようなもので、過ぎては来る年もまた旅人である。舟の上で一生を送る船頭や、馬のくつわを取って老いを迎える馬子は、毎日が旅であって、旅を住まいとしている。昔の人にも、旅の途中で死んだ者が多い。私もいつの年からか、ちぎれ雲が風に流されるように、さすらいの旅に出たい気持ちがおさまらず、
分かれ目は次の 3 つ。
- 俳句(発句)には季語を一つ入れ、切れ字(や・かな・けり)で句を切る。
- 季語の季節は陰暦で決まる。「五月雨」は今の六月ごろの梅雨で、夏の季語。
- 「夏草や」は平泉、「閑かさや」は立石寺、「五月雨を」は最上川。場所と組で覚える。
1. 作品と冒頭
根拠: 学習指導要領 国3-(3)-ア
『おくのほそ道』の旅は、元禄時代、江戸の町人文化が花開いたころに行われました。
芭蕉は、西行など昔の歌人が歌によんだ土地(歌枕)を訪ねることを旅の目的の一つにしていました。こうした歴史的背景を知っておくと、平泉の段で奥州藤原氏の栄華の跡をしのぶ理由も分かります。
『おくのほそ道』の作者と、作品の種類は?
松尾芭蕉、紀行文
江戸時代前期(元禄時代)の作品。
『おくのほそ道』の旅に同行した門人は?
河合曾良
『おくのほそ道』の旅は、どこから出発して、どこで終わるか?
江戸の深川から出発し、美濃の大垣で終わる。
東北から北陸を回る長い旅。
『おくのほそ道』の冒頭「月日は百代の過客にして、」に続く言葉は?
行きかふ年もまた旅人なり。
「月日は百代の過客にして」の「百代」「過客」の意味は?
百代=永遠・長い年月、過客=旅人
月日を、永遠に旅を続ける旅人にたとえている。
「予もいづれの年よりか」の「予」の意味は?
私(自分を指す言葉)
2. 旅でよまれた句
根拠: 学習指導要領 国3-(3)-ア
夏草や兵どもが夢の跡(平泉)
閑かさや岩にしみ入る蝉の声(立石寺)
五月雨をあつめて早し最上川(最上川)
俳句で、句の切れ目に置いて感動や強調を表す語を何というか? 代表的なものを 3 つ挙げると?
切れ字。や・かな・けり
「夏草や兵どもが夢の跡」がよまれた場所は? 季語と季節は?
平泉。季語は夏草で、季節は夏。
奥州藤原氏が栄えた地で、源義経とその家臣が戦った跡(高館)に立ってよんだ。切れ字は「や」。
「閑かさや岩にしみ入る蝉の声」がよまれた場所は? 季語と季節は?
立石寺(山形県)。季語は蝉で、季節は夏。
切れ字は「や」。
「五月雨をあつめて早し最上川」の季語と季節は?
季語は五月雨で、季節は夏。
五月雨は陰暦五月ごろに降る長雨(梅雨)のこと。
「五月雨をあつめて早し最上川」の「早し」の意味は?
流れが速い
五月雨を集めて水かさが増し、最上川の流れが速い、ということ。
平泉の段で芭蕉が引いた、杜甫の詩の一節は?
国破れて山河あり、城春にして草青みたり
杜甫の詩「春望」の一節を踏まえている。