古語と文語のきまり
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
0. どういうまとまりか
古文には、今の日本語には無い文の決まりと、今とは意味の違う言葉があります。中学で押さえるのは次の 3 つです。
| 決まり | 中身 | 例 |
|---|---|---|
| 係り結び | 文中の「ぞ・なむ・や・か・こそ」に応じて、文末の形が変わる | 竹なむ一筋ありける |
| 省略 | 主語や助詞「を・が・は」がよく省かれる | 竹取の翁といふ者(が)ありけり |
| 古語 | 今と意味が違う語(古今異義語)と、古文にしか無い語 | うつくし=かわいらしい、いと=とても |
分かれ目は次の 3 つ。
- 「ぞ・なむ・や・か」なら文末は連体形、「こそ」なら已然形。係りの語が無ければ終止形のまま。
- 「や・か」は疑問か反語、「ぞ・なむ・こそ」は強調。
- 今もある語ほど危ない。「うつくし」「ありがたし」「おどろく」は、今の意味で読むと誤る。
1. 係り結び
根拠: 学習指導要領 国1-(3)-ア
文語のきまりの中で、中学でいちばんよく問われるのが係り結びです。
文中に「ぞ・なむ・や・か・こそ」(係りの助詞)があると、文末の活用形が終止形でなくなります。
例えば過去の助動詞「けり」は、ふつうは「けり」で文が終わりますが、「ぞ」を受けると「ける」、「こそ」を受けると「けれ」になります。
係り結びで、文末が連体形になる係りの助詞は?
ぞ・なむ・や・か
例:竹なむ一筋ありける(「けり」が連体形「ける」になる)。
係り結びで、文末が已然形になる係りの助詞は?
こそ
例:「けり」は「けれ」、「をかし」は「をかしけれ」になる。
係りの助詞「ぞ・なむ・こそ」が表す意味は?
強調
訳すときは、無理に言葉を足さなくてよい。
係りの助詞「や・か」が表す意味は?
疑問または反語
反語は「〜だろうか、いや〜ない」と、問いの形で打ち消しを強く言うもの。
「山里は冬ぞさびしさまさりける」で、文末が「ける」になっているのはなぜか?
係りの助詞「ぞ」を受けて、連体形で結んでいるから。
「ぞ」が無ければ「まさりけり」(終止形)で終わる。
2. 省略
根拠: 学習指導要領 国1-(3)-ア
古文では、話の流れで分かる主語や、助詞の「を」「が」「は」がよく省かれます。
読むときは、省かれた言葉を補って意味を取ります。
「竹取の翁といふ者ありけり」で省略されている助詞は?
が(竹取の翁といふ者がありけり)。
古文では主語を示す「が」や、目的語を示す「を」がよく省かれる。
古文を読むとき、主語が書かれていない文ではどうやって主語を決めるか?
前の文の主語や、敬語の有無から補う。
古文は主語がよく省略され、同じ人物が続く間は書かれないことが多い。
3. 古今異義語と古語
根拠: 学習指導要領 国1-(3)-ア
今も使う言葉で、古文では意味が違うものを古今異義語といいます。今の意味で読むと、文の意味を取り違えます。
古語「うつくし」の意味は?
かわいらしい・愛らしい
今の「美しい」とは違い、小さいものをいとおしく思う気持ちを表す。
古語「ありがたし」の意味は?
めったにない・珍しい
「有り難し(あることが難しい)」から。今の「感謝する」の意味ではない。
古語「おどろく」の意味は?
はっと気づく・目を覚ます
今の「びっくりする」とは違う。
古語「やがて」の意味は?
そのまま・すぐに
今の「そのうちに・まもなく」とは違う。
古語「あはれ」と「をかし」の意味の違いは?
あはれ=しみじみとした趣・感動、をかし=趣がある・興味深い(明るく知的な感じ)。
どちらも「面白い」「かわいそう」と今の意味で訳さない。
古語「いと」「げに」「つとめて」の意味は?
いと=たいそう・とても、げに=本当に、つとめて=早朝(または翌朝)。
どれも今は使わない、古文にしか無い語。