みならいノート

世界史探究 2027年度版

明の成立と朝貢体制

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学習指導要領「世界史探究」C (2) ア (イ) の「アジア海域での交易の興隆,明と日本・朝鮮の動向」のうち、明の成立とその対外関係のしくみを扱います。
元を北へ追って中国を統一した明は、皇帝に権力を集める体制をつくりました。対外的には、民間の海外交易を禁じ、周りの国々との交易を朝貢の形にかぎりました。

0. 何を押さえるか

明の前半は、洪武帝が国内の体制を固め、永楽帝が外へ勢力を広げた時代です。

洪武帝(朱元璋) 永楽帝
即位 1368 年 1402 年(靖難の役で甥の建文帝から帝位を奪う)
都 南京 北京に移す
政治 中書省を廃止し、六部を皇帝に直属させる 内閣大学士を置いて皇帝を補佐させる
対外 海禁を始める 鄭和の南海遠征、モンゴル高原への親征

取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。

1. 洪武帝の統治

根拠: 学習指導要領 世界史探究-C-(2)-ア-(イ)

紅巾の乱のなかから台頭した朱元璋は、南京で即位して明を建てました。元の支配のあとで、皇帝のもとに権力を集め、農村を把握するしくみを整えます。

1368 年、南京を都として明を建てた人物と、その皇帝としての呼び名は?

朱元璋、洪武帝

紅巾の乱に加わって勢力を伸ばした。皇帝一代に元号を一つとする一世一元の制を始めた。

洪武帝が中書省を廃止し、行政を担う役所を皇帝に直属させたことで何が起きたか?

皇帝に権力が集中した(六部を皇帝が直接指揮した)

宰相にあたる役職がなくなり、皇帝の独裁体制が強まった。

洪武帝が農村を 110 戸ずつの組にまとめ、税の取り立てや治安を担わせた制度は?

里甲制

戸籍と租税の台帳として賦役黄冊を、土地の台帳として魚鱗図冊をつくった。

洪武帝が民衆の教化のために定めた、親孝行や目上の人への敬意など 6 か条の教えは?

六諭

里甲制の村々で唱えさせ、儒教の道徳を民衆に広めた。明は朱子学を官学とした。

2. 永楽帝と鄭和の遠征

根拠: 学習指導要領 世界史探究-C-(2)-ア-(イ)

洪武帝の死後、叔父の燕王が甥の建文帝から帝位を奪い、永楽帝となりました。永楽帝は積極的に外へ打って出ます。

燕王(のちの永楽帝)が、甥の建文帝に対して起こし、帝位を奪った内乱は?

靖難の役

永楽帝はその後、自分の拠点だった北京に都を移した。

永楽帝の命で、大艦隊を率いてインド洋に 7 回遠征した人物は?

鄭和

ムスリムの宦官だった。艦隊は東南アジア・インドを経て、アラビア半島や東アフリカの沿岸にまで達した。

鄭和の遠征の目的は何だったか?

明の威光を示し、朝貢する国を増やすこと

各地から使節が明に来るようになった。遠征は永楽帝の死後、宣徳帝のときの 7 回目(1430 年代初め)を最後に終わり、明は再び内向きになった。

永楽帝が皇帝の政治を補佐させるために設けた役職は?

内閣大学士

はじめは皇帝の秘書役だったが、のちに政治の中心的な役割を担うようになった。

3. 海禁と朝貢

根拠: 学習指導要領 世界史探究-C-(2)-ア-(イ)

明は、元の時代にさかんだった民間の海上交易を禁じ、海外との交易を朝貢に一本化しました。周りの国々の王は明に使節を送り、明の皇帝から王に任命されました。

明が民間人の海外渡航や海上交易を禁じた政策を何という?

海禁

倭寇などの海賊を取り締まるねらいもあった。海外との交易は朝貢に限られた。

周辺の国の君主が中国の皇帝に貢ぎ物を送り、皇帝が返礼品を与えるという関係を何という?

朝貢

形の上では中国の皇帝に臣従する関係だが、朝貢した国は中国の産品を得られ、交易の利益があった。

中国の皇帝が周りの国の君主に称号を与え、その国の王として認めることを何という?

冊封

朝貢と冊封によって、中国の皇帝を中心とする国際秩序が形づくられた。日本の足利義満も「日本国王」に冊封された。

4. 明の対外的な危機

根拠: 学習指導要領 世界史探究-C-(2)-ア-(イ)

15 世紀半ば以降、明は北のモンゴル系の勢力と、南の沿岸を襲う倭寇に苦しめられました。

1449 年、モンゴル系のオイラトが明の正統帝を捕らえた事件は?

土木の変

オイラトの指導者はエセン。これ以後、明は北方の守りを固め、長城を大規模に築き直した。

16 世紀の明を苦しめた、北のモンゴルと南の倭寇による二つの圧迫をまとめて何という?

北虜南倭

北ではアルタン=ハンのモンゴルが侵入をくり返し、南では倭寇が沿岸を荒らした。防衛の費用が明の財政を苦しめた。

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