家族・教育・余暇から見る世界の歴史
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領「世界史探究」A (2) ア (ア) の「衣食住,家族,教育,余暇などの身の回りの諸事象を基に,私たちの日常生活が世界の歴史とつながっていることを理解すること」。
このノートでは、そのうち家族・教育・余暇と、それらを区切る暦と時間を扱います。
0. 何を押さえるか
1 週間が 7 日であること、1 時間が 60 分であること、日曜日に休むこと、学校で紙に字を書くこと、オリンピックを見ること。
こうした日常生活のあたりまえには、それぞれ世界の歴史のなかに生まれた場所と時代があります。
| 身の回りのこと | 来歴 |
|---|---|
| 60 分・60 秒 | メソポタミア(シュメール人)の六十進法 |
| いまの暦(グレゴリウス暦) | エジプトの太陽暦 → ローマのユリウス暦 → 1582 年に改良 |
| 紙 | 中国(後漢の蔡倫が改良) → イスラーム世界 → ヨーロッパ |
| 大学 | 12 世紀ごろのヨーロッパ(ボローニャ大学・パリ大学) |
| オリンピック | 古代ギリシアのオリンピアの祭典 → 1896 年に近代オリンピック |
取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。
- 太陰暦はメソポタミア、太陽暦はエジプト。いまの暦はエジプトの太陽暦の流れをくむ
- イスラーム暦(ヒジュラ暦)は純粋な太陰暦なので、1 年が太陽暦より約 11 日短く、同じ月が季節とずれていく
- 古代オリンピアの祭典は神にささげる宗教行事。近代オリンピックは 19 世紀末にそれを手本に新しく始めたもの
1. 暦と時間
根拠: 学習指導要領 世界史探究-A-(2)-ア-(ア)
暦は、農作業の時期を知り、祭りや儀式の日を決めるために生まれました。どの天体を基準にするかで、暦のしくみが変わります。
古代エジプトで太陽暦がつくられた背景にある、毎年くり返す自然現象は?
ナイル川の定期的な増水(氾濫)
増水の時期を知ることが農業に欠かせなかったため、1 年を 365 日とする暦が発達した。
メソポタミアのシュメール人に始まるとされ、いまも時間や角度の単位に残る数の数え方は?
六十進法
1 時間=60 分、1 分=60 秒、円の 1 周=360 度はその名残である。メソポタミアでは月の満ち欠けにもとづく太陰暦も用いた。
いま世界で広く使われているグレゴリウス暦は、何という暦を改良したものか?
ユリウス暦(カエサルが定めた太陽暦)
1582 年にローマ教皇グレゴリウス 13 世がずれを直して定めた。日本が太陽暦を採用したのは明治初め(1873 年)。
イスラーム暦(ヒジュラ暦)の紀元とされる年と、その暦のしくみは?
622 年(ムハンマドのメッカからメディナへの移住=ヒジュラの年)を紀元とする純粋な太陰暦
閏月を入れないので、断食月(ラマダーン)などは年ごとに季節をめぐっていく。
2. 文字・紙と教育
根拠: 学習指導要領 世界史探究-A-(2)-ア-(ア)
文字を読み書きできる人を育てることが、教育の始まりでした。書く材料が安く手に入るようになると、学ぶ人の範囲も広がっていきます。
紙の製法を改良したとされる後漢の人物は?
蔡倫
紙はそれまでの竹簡・木簡や絹にかわる書写材料となった。製紙法はその後、イスラーム世界を経てヨーロッパに伝わった。
15 世紀中ごろ、活版印刷術を実用化したドイツの人物は?
グーテンベルク
書物が大量に安くつくれるようになり、知識が広い層に届くようになった。宗教改革の思想の広まりにも役立った。
中世ヨーロッパで 12 世紀ごろに生まれた大学の例として、法学で知られるイタリアの大学と、神学で知られるフランスの大学は?
ボローニャ大学とパリ大学
大学は教師や学生の組合から始まった。いまの大学の制度の起源はここにある。
19 世紀の欧米や日本で、国家が国民に一定期間の学校教育を受けさせる制度が整えられたのはなぜか?
国民として共通の言葉や知識を身につけさせ、国民国家をまとめ、産業や軍隊を支える人を育てるため
教育は家や宗教の役割から、しだいに国家の役割になった。日本では 1872 年の学制が近代的な学校制度の始まり。
3. 家族
根拠: 学習指導要領 世界史探究-A-(2)-ア-(ア)
家族のかたちは時代や地域によって大きく違い、宗教や国家の制度とも結びついてきました。
中国で、儒教の教えのもとに重んじられ、同じ祖先をもつ父系の親族が大きな集団をつくったものを何という?
宗族
儒教は親への「孝」を重んじ、祖先の祭りを通じて一族のまとまりを保った。
古代ローマの家族で、妻子や奴隷を含む家の全体に強い権限をもった者は?
家長(家父長)
家族は家長の権威のもとにまとまる単位とされた。家族のあり方は、時代や社会によって変わるものとして見る。
4. 余暇とスポーツ
根拠: 学習指導要領 世界史探究-A-(2)-ア-(ア)
余暇の過ごし方も歴史のなかで生まれ、変わってきました。いま世界中で行われているスポーツの多くは、近代のイギリスでルールが整えられたものです。
古代ギリシアで 4 年ごとに開かれたオリンピアの祭典は、どの神にささげるものだったか?
ゼウス
ギリシア人がポリスの違いを越えて集まり、同じ民族であるという意識を確かめる場にもなった。
近代オリンピックの第 1 回大会が開かれた年と場所は?
1896 年、アテネ
フランスのクーベルタンが古代の祭典にならって提唱した。
古代ローマで、皇帝や有力者が市民に食料と見せ物(剣闘士の試合など)を与えたことを表す言葉は?
「パンとサーカス」
コロッセウムでの見せ物は、市民の支持を得るための政治の道具でもあった。
サッカーやラグビーなど、いま世界で行われている多くのスポーツのルールが整えられたのは、いつどこか?
19 世紀のイギリス
学校や都市の労働者のあいだで広まり、ルールが統一された。イギリスの世界進出とともに各地に伝わった。