ルネサンス
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領「世界史探究」C (3) ア (イ) は「宗教改革とヨーロッパ諸国の抗争,大西洋三角貿易の展開,科学革命と啓蒙思想など」を基に理解することを求め、思考の側ではヨーロッパの社会や文化の特色を考えるよう求めています。
このノートは、その前提となるルネサンスを扱います。
0. 何を押さえるか
ルネサンスは、14 世紀のイタリアに始まり、ギリシア・ローマの古典を手本に人間らしい生き方を探った文化運動です。
16 世紀にはアルプスの北に広がり、教会や社会を批判する色合いを強めて、宗教改革につながっていきました。
| イタリア・ルネサンス | 北方ルネサンス | |
|---|---|---|
| 時期 | 14〜16 世紀 | 15〜16 世紀 |
| 中心 | フィレンツェ(メディチ家)、ローマ(教皇) | ネーデルラント・ドイツ・フランス・イギリス・スペイン |
| 特色 | 古典の研究、写実的な美術、富豪や教皇の保護 | 教会や社会の腐敗への批判、民衆の生活の描写 |
| 代表 | ダンテ、ボッカチオ、レオナルド=ダ=ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、マキァヴェリ | エラスムス、トマス=モア、ファン=アイク兄弟、デューラー、ブリューゲル、セルバンテス、シェークスピア |
取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。
- 『愚神礼賛』はエラスムス、『ユートピア』はトマス=モア、『君主論』はマキァヴェリ
- 『神曲』(ダンテ)と『デカメロン』(ボッカチオ)は、ラテン語でなくイタリアの話し言葉(トスカナ語)で書かれた
- 三大発明のうち、火薬と羅針盤はもとは中国で生まれた技術。ヨーロッパで改良されて広く使われた
1. イタリア・ルネサンスと人文主義
根拠: 学習指導要領 世界史探究-C-(3)-ア-(イ)
東方貿易で富を蓄えたイタリアの都市では、富豪や教皇が学者や芸術家を保護しました。
古代ローマの遺跡が身近にあり、ビザンツ帝国から来た学者がギリシアの古典をもたらしたことも背景になりました。
ルネサンスで、ギリシア・ローマの古典を研究し、人間らしい生き方を探ろうとした考え方は?
人文主義(ヒューマニズム)
神中心の中世の見方に対し、人間の知性や個性を重んじた。
フィレンツェで学者や芸術家を保護し、ルネサンスを支えた富豪の一族は?
メディチ家
金融業で富を築き、フィレンツェの政治の実権を握った。
ルネサンスがイタリアで始まった背景は?
東方貿易で都市が富み、古代ローマの遺産が身近にあったから
ビザンツ帝国の衰えとともにギリシアの学者がイタリアに移ってきたことも、古典研究を後押しした。
トスカナ語で『神曲』を書き、イタリア・ルネサンスの先駆けとなった詩人は?
ダンテ
ラテン語でなく話し言葉で書いたことで、イタリア語の文学の基礎を築いた。ボッカチオの『デカメロン』もトスカナ語で書かれた。
君主は道徳にとらわれず、国家を保つための力と策略を持つべきだと説いた『君主論』の著者は?
マキァヴェリ
小国に分かれ、外国の侵入を受けていたイタリアの現実から、政治を宗教や道徳から切り離して論じた。
2. ルネサンスの美術
根拠: 学習指導要領 世界史探究-C-(3)-ア-(イ)
遠近法などを用いて人間や自然を写実的に描く美術が生まれ、富豪や教皇が教会や宮殿を飾らせました。
「最後の晩餐」「モナ=リザ」を描き、解剖学や工学にも通じた「万能の天才」は?
レオナルド=ダ=ヴィンチ
芸術と科学の両方に関心を持った、ルネサンスの理想の人間像とされる。
「ダヴィデ像」を彫り、システィナ礼拝堂に「最後の審判」を描いた芸術家は?
ミケランジェロ
教皇の保護を受け、ローマでサン=ピエトロ大聖堂の建設にも関わった。
多くの聖母子像を描き、優美な画風で知られるイタリアの画家は?
ラファエロ
レオナルド=ダ=ヴィンチ、ミケランジェロと並ぶルネサンスの三大巨匠の一人。
3. 北方ルネサンス
根拠: 学習指導要領 世界史探究-C-(3)-ア-(イ)
アルプスの北では、人文主義が聖書の研究や社会の批判と結び付きました。
このことが、教会の腐敗を批判する宗教改革の土台になります。
『愚神礼賛』で聖職者や教会の腐敗を風刺した、ネーデルラント出身の人文主義者は?
エラスムス
聖書の原典研究も行った。「エラスムスが卵を産み、ルターがかえした」と言われるほど、宗教改革に影響を与えた。
『ユートピア』で、第 1 次囲い込みで土地を失う農民の姿など、イギリスの社会を批判した人物は?
トマス=モア
理想の社会を架空の島として描き、現実の社会を映し出した。
油絵の技法を改良し、ネーデルラントの絵画を発展させた兄弟は?
ファン=アイク兄弟
同じネーデルラントのブリューゲルは、農民の生活を生き生きと描いた。
4. 三大発明
根拠: 学習指導要領 世界史探究-C-(3)-ア-(イ)
ルネサンス期には、火薬・羅針盤・活版印刷術が改良・発明され、戦争・航海・情報のあり方を大きく変えました。
15 世紀半ば、グーテンベルクが実用化した技術と、それが宗教改革に与えた影響は?
活版印刷術。聖書やルターの主張を記した冊子が安く大量に出回り、改革の考えが急速に広がった
それまで手で書き写していた書物が大量に刷れるようになり、知識が広まる速さが変わった。
火薬と羅針盤の改良は、ヨーロッパにそれぞれ何をもたらしたか?
火薬は戦術の変化(騎士の没落)、羅針盤は遠洋航海(大航海時代)
鉄砲や大砲によって、騎士の一騎打ちの価値が下がり、国王の常備軍が力を持つようになった。