アメリカ大陸の文明と征服
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
学習指導要領「世界史探究」C (2) ア (イ) の「スペインとポルトガルの活動など」を基に、「諸地域の交易の進展とヨーロッパの進出」を理解する事項のうち、アメリカ大陸を扱います。
アメリカ大陸では、ユーラシアとは別に独自の文明が育っていました。16 世紀、スペインの征服者はそれらの国を滅ぼし、アメリカ大陸の銀と作物は世界の交易に組み込まれていきます。
0. 何を押さえるか
アメリカ大陸の文明は、メキシコ高原・ユカタン半島(メソアメリカ)と、アンデス山地の 2 つの地域で栄えました。
| 文明・国家 | 地域 | 押さえること | 征服 |
|---|---|---|---|
| マヤ文明 | ユカタン半島 | マヤ文字、二十進法、精密な暦、ピラミッド状の神殿 | 16 世紀にスペインが支配 |
| アステカ王国 | メキシコ高原 | 湖上の都テノチティトラン | コルテスが征服(1521 年) |
| インカ帝国 | アンデス山地 | 都クスコ、道路網、文字の代わりのキープ(結縄) | ピサロが征服(1533 年) |
取り違えやすい分かれ目は次の 3 つ。
- アメリカ大陸の文明は、鉄器・車輪の実用・馬や牛などの大型家畜を持たなかった。アンデスではリャマやアルパカを飼った
- アステカを滅ぼしたのはコルテス、インカを滅ぼしたのはピサロ
- 先住民の人口の激減の最大の原因は、ヨーロッパから持ち込まれた天然痘などの感染症。強制労働による酷使も重なった
1. マヤ・アステカ・インカ
根拠: 学習指導要領 世界史探究-C-(2)-ア-(イ)
アメリカ大陸では、トウモロコシやジャガイモの栽培を土台に、神殿を中心とする都市や国家が生まれました。
ユカタン半島を中心に栄え、独自の文字・二十進法・精密な暦を持った文明は?
マヤ文明
石造りのピラミッド状の神殿を建てた。一つの帝国にまとまることはなく、多くの都市国家が並び立った。
14 世紀にメキシコ高原に建てられ、湖上の都テノチティトランを中心に栄えた国は?
アステカ王国
テノチティトランの跡に、いまのメキシコシティがある。
15 世紀にアンデス山地に広い領域を支配し、都をクスコに置いた国は?
インカ帝国
山地に道路網を整えて広い領域を治めた。遺跡のマチュ=ピチュが知られる。
文字を持たなかったインカ帝国で、数などを記録するのに用いられたものは?
キープ(結縄)
縄の結び目の位置や数で、人口や税などの数量を記録した。
アメリカ大陸の文明がユーラシアの文明と大きく違った点は?
鉄器を持たず、馬や牛などの大型家畜がいなかった
車輪も実用には使われなかった。これらを持つスペインの征服者に対して、軍事の面で大きく不利になった。
2. スペインの征服
根拠: 学習指導要領 世界史探究-C-(2)-ア-(イ)
16 世紀前半、スペインの征服者(コンキスタドール)は、少ない兵力で大きな国を次々に滅ぼしました。
1521 年、アステカ王国を滅ぼしたスペインの征服者は?
コルテス
アステカに支配されていた周りの人々を味方につけて攻めた。
1533 年、インカ帝国を滅ぼしたスペインの征服者は?
ピサロ
インカの皇帝を捕らえて処刑し、都クスコを占領した。
スペイン国王が植民者に先住民のキリスト教化を任せる代わりに、先住民を労働力として使うことを認めた制度は?
エンコミエンダ制
キリスト教化を名目とした制度だったが、実際には先住民を酷使することにつながった。
スペインの聖職者で、先住民への残虐な扱いを告発し、その保護を訴えた人物は?
ラス=カサス
『インディアスの破壊についての簡潔な報告』を著した。
3. 先住民の激減と奴隷貿易
根拠: 学習指導要領 世界史探究-C-(2)-ア-(イ)
征服のあと、アメリカ大陸の先住民の人口は激しく減りました。減った労働力を補うため、アフリカから多くの人々が奴隷として連れてこられます。
征服後、アメリカ大陸の先住民の人口が激減した最大の原因は?
ヨーロッパ人が持ち込んだ天然痘などの感染症
先住民はこれらの病気への免疫を持たなかった。鉱山や農園での強制労働も人口の減少に拍車をかけた。減少の規模の推計には研究者の間で大きな幅がある。
先住民の減少を補うため、アメリカ大陸の農園や鉱山の労働力として連れてこられたのは?
アフリカの人々(黒人奴隷)
ブラジルやカリブ海の島々では、黒人奴隷を使うサトウキビのプランテーションが広がった。
4. 銀と作物の交換
根拠: 学習指導要領 世界史探究-C-(2)-ア-(イ)
アメリカ大陸で掘られた銀はヨーロッパとアジアへ流れ、アメリカ大陸原産の作物は世界の人々の食べ物を変えました。
1545 年に発見され、アメリカ大陸の銀の産出の中心となった、いまのボリビアにある銀山は?
ポトシ銀山
その銀は大西洋を渡ってヨーロッパへ、またメキシコからマニラを経て中国へ流れ、世界の交易を結び付けた。
アメリカ大陸原産で、大航海時代以後にヨーロッパやアジアに広まった作物の例は?
ジャガイモ・トウモロコシ・サツマイモ・トマト・トウガラシなど
ジャガイモやトウモロコシは寒冷地ややせた土地でも育ち、各地の人口を支えた。タバコやカカオも広まった。
反対に、ヨーロッパ人がアメリカ大陸に持ち込んだものの例は?
馬・牛・羊などの家畜、小麦、サトウキビ、そして感染症
作物や家畜、病気が大西洋の両側で行き来したことで、両方の世界の暮らしと環境が大きく変わった。