データライフサイクル
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス案 Ver.0.1 の小分類 2「データライフサイクル」(大分類 2:データ・AIの利活用/中分類 8:データマネジメント)。
2026-09-26 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
用語は 5 つだけです。順番と、ある作業がどの段階に当たるかが問われます。
| 段階 | 何をするか | 例 |
|---|---|---|
| 生成 | データが生まれる・取得する | 注文の入力、センサの計測、アンケートの回収 |
| 保管 | 安全に保存しておく | データベースへの格納、バックアップ、アクセス権の設定 |
| 処理 | 使える形に加工する | 表記ゆれの修正、結合、集計、匿名化 |
| 活用 | 分析・判断・共有に使う | 売上分析、ダッシュボード、AI の学習 |
| 廃棄 | 復元できないように消す | 保存期間を過ぎたデータの消去、媒体の破壊 |
取り違えやすいのは次の 2 つです。
- 処理と活用は別(加工して使える形にするのが処理、それを判断に使うのが活用)
- 廃棄も段階の 1 つ(「使い終わったら放置」ではなく、消すところまでが管理)
1. データライフサイクルの機能
根拠: シラバス 2-8-2
データは段階ごとに守るべきことが違います。段階ごとに担当とルールを決めるのが、
ライフサイクルで管理する意味です。
データライフサイクルの 5 段階を順に挙げよ。
生成 → 保管 → 処理 → 活用 → 廃棄
活用した結果から新しいデータ(分析結果・レポート)が生まれ、
また生成に戻るので、循環するものとして描かれることも多い。
生成の段階で気を付けることは?
入口で品質と正当性を確保すること
- 何のために集めるかを先に決める(個人情報なら利用目的の特定・通知)
- 入力ミスを防ぐ(選択式にする、形式をチェックする)
- 出どころを記録する(メタデータ)
入口で汚れたデータは、あとの段階でいくら加工しても元に戻らない。
保管の段階で気を付けることは?
失わない・漏らさない・探せる
| 観点 | 対策 |
|---|---|
| 失わない | バックアップ |
| 漏らさない | アクセス権の設定、暗号化 |
| 探せる | 置き場所と名前のルール、メタデータ |
どれだけの期間持つか(保存期間)もこの段階で決めておく。
処理と活用の違いは?
| 何をするか | 例 | |
|---|---|---|
| 処理 | データを使える形に加工する | 表記ゆれの統一、欠損の補完、結合、集計、匿名化 |
| 活用 | 加工したデータを判断や業務に使う | 分析して施策を決める、AI に学習させる、他部署へ共有 |
「形を整える」までが処理、「使って価値を出す」のが活用。
廃棄の段階では何をするか? なぜ段階として持つのか?
不要になったデータを、復元できない方法で消すこと
- ファイルの削除や初期化(フォーマット)だけでは復元できることがある
- 消去ソフトによる上書き、媒体の物理的な破壊などで確実に消す
持ち続けるほど漏えいのリスクと保管の費用が増えるので、
消すところまで計画に入れる。個人情報保護法も、利用する必要がなくなった
個人データは遅滞なく消去するよう努めることを求めている。
次の作業はデータライフサイクルのどの段階か?
「分析に使う前に、顧客データから氏名を削って匿名化する」
「店頭の POS レジで販売記録が作られる」
「保存期間を過ぎた記録を消去する」
「分析に使う前に、顧客データから氏名を削って匿名化する」
「店頭の POS レジで販売記録が作られる」
「保存期間を過ぎた記録を消去する」
| 作業 | 段階 |
|---|---|
| 匿名化する | 処理(使える・渡せる形に加工) |
| POS で販売記録が作られる | 生成 |
| 保存期間を過ぎて消す | 廃棄 |
加工は処理、生まれるのは生成、消すのは廃棄。
データライフサイクルで管理すると何がよいか?
段階ごとに、責任者とルールをはっきりさせられる
- 誰が作ったデータか(生成)
- どこに、いつまで置くか(保管)
- どう加工してよいか(処理)
- 誰が何に使ってよいか(活用)
- いつ、どう消すか(廃棄)
段階が決まっていないと、誰も消さないデータや誰のものか分からないデータが残る。
データの保管と活用で、優先するものがぶつかるのはどういうときか?
保管では「守る」、活用では「使わせる」が優先されるため
- 厳しく守るほど、使いたい人が使えなくなる
- 自由に使わせるほど、漏えいのリスクが増える
どこまで誰に使わせるかは、データガバナンスで決めたルールに従う
(その場の担当者の判断に任せない)。