システム構成要素
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス案 Ver.0.1 の小分類 4-14-4「システム構成要素」(大分類 4:デジタル技術/中分類 14:システムの種類・構成)。
2026-09-26 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
止まらないシステム、増やせるシステムをどう作り、どう測るかの話です。3 つの柱があります。
| 柱 | 用語 |
|---|---|
| ディスクを束ねて守る(信頼性設計) | RAID・ストライピング・ミラーリング |
| 性能を増やす | スケールアウト・スケールアップ |
| 良さを測る(評価指標) | RASIS・システムの稼働率 |
対になる語が 2 組あり、どちらも向きが逆です。
| 何をするか | |
|---|---|
| ストライピング | データを複数のディスクに分けて書く → 速くなる(守りにはならない) |
| ミラーリング | 同じデータを 2 台に写して書く → 壊れに強くなる |
| スケールアウト | サーバの台数を増やす(横に広げる) |
| スケールアップ | 1 台の性能を上げる(縦に伸ばす) |
計算で確実に出るのは稼働率です。稼働率 = MTBF ÷(MTBF + MTTR)。
1. 信頼性設計(RAID)
根拠: シラバス 4-14-4
RAID とは?
RAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)
= 複数のディスクを組み合わせて 1 台のように扱い、速度や信頼性を高める技術
組み方によって番号(RAID 0、RAID 1、RAID 5 など)が付いている。
速さを取るか、壊れへの強さを取るかが組み方の違い。
ストライピング(RAID 0)とミラーリング(RAID 1)の違いは?
| どう書くか | 速度 | 1 台壊れたら | |
|---|---|---|---|
| ストライピング(RAID 0) | データを分割して複数台に振り分ける | 速い | データを失う |
| ミラーリング(RAID 1) | 同じデータを 2 台に書く | 変わらない | もう 1 台で続けられる |
ストライピングは速さのため、ミラーリングは守りのため。
ミラーリングは同じ内容を 2 つ持つので、使える容量は全体の半分になる。
RAID 5 とは?
データを複数台に分散して書き、あわせて誤り訂正用のパリティ(検査用の値)も分散して書く方式
最低 3 台で組み、1 台が壊れても残りのデータとパリティから復元できる。
ストライピングの速さと、ミラーリングより容量の無駄が少ない守りを両立する。
ただし 2 台同時に壊れると復元できない。
2. 性能を増やす
根拠: シラバス 4-14-4
スケールアウトとスケールアップの違いは?
| 何をするか | 例 | |
|---|---|---|
| スケールアウト | サーバの台数を増やして処理を分担する | Web サーバを 2 台から 4 台に |
| スケールアップ | 1 台の性能を上げる | CPU・メモリを高性能なものに交換 |
アウトは横に広げる、アップは縦に伸ばす。
スケールアウトは処理を分けやすいもの(多数の利用者からのアクセス)に向き、
1 台の性能には上限があるので、スケールアップはいずれ頭打ちになる。
3. 評価指標
根拠: シラバス 4-14-4
RASIS とは? 5 つの文字は何を表すか?
RASIS = システムの信頼性を評価する 5 つの観点の頭文字
| 文字 | 観点 | 意味 |
|---|---|---|
| R | Reliability(信頼性) | 故障しにくいこと(MTBF で測る) |
| A | Availability(可用性) | 使いたいときに使えること(稼働率で測る) |
| S | Serviceability(保守性) | 直しやすいこと(MTTR で測る) |
| I | Integrity(完全性) | データに矛盾や誤りがないこと |
| S | Security(安全性) | 不正なアクセスから守られていること |
R・A・S の 3 つは MTBF・稼働率・MTTR と 1 対 1 に対応する。
MTBF と MTTR とは? システムの稼働率の式は?
| 何か | |
|---|---|
| MTBF(平均故障間動作時間) | 故障から次の故障までの、動いていた時間の平均 |
| MTTR(平均修復時間) | 故障してから復旧するまでの修理時間の平均 |
稼働率 = MTBF ÷(MTBF + MTTR)
分母は「動いていた時間 + 直していた時間」=全体の時間。
MTBF が長く、MTTR が短いほど稼働率は上がる。
MTBF が 480 時間、MTTR が 20 時間のときの稼働率は?
0.96(96%)
480 ÷(480 + 20)= 480 ÷ 500 = 0.96
稼働率を上げる道は 2 つ——
MTBF を伸ばす(壊れにくくする)か、MTTR を縮める(早く直す)か。
稼働率 0.9 の装置 A と B を、直列につないだ場合と並列につないだ場合の全体の稼働率は?
| つなぎ方 | 全体が動く条件 | 計算 | 稼働率 |
|---|---|---|---|
| 直列 | 両方とも動いている | 0.9 × 0.9 | 0.81 |
| 並列 | どちらか一方でも動いている | 1 −(1 − 0.9)×(1 − 0.9) | 0.99 |
直列はつなぐほど下がり、並列は増やすほど上がる。
並列の式は「両方とも止まっている確率」を 1 から引いたもの。