マルチメディア技術
このノートの問いがそのまま復習カードになり、忘れかけたころに出題されます。
シラバス Ver.6.5 の小分類 52「マルチメディア技術」(大分類 9:技術要素/中分類 20:情報メディア)。
2026-08-05 にシラバス本文と突合済み。
0. 何を押さえるか
ファイル形式が大量に出てきますが、種別ごとに束ねると覚えられます。
| 種別 | 形式 |
|---|---|
| 音声 | WAV・MP3・AAC・MIDI |
| 画像(ラスター) | JPEG・GIF・PNG・BMP・TIFF |
| 画像(ベクター) | EPS |
| 動画 | MPEG・H.264・H.265・AVI・MP4 |
| 圧縮 | ZIP |
| 文書 |
そして最頻出は可逆圧縮と非可逆圧縮です。
| 元に戻せるか | 例 | |
|---|---|---|
| 可逆圧縮 | 戻せる | ZIP・PNG・GIF |
| 非可逆圧縮 | 戻せない(そのぶん小さくなる) | JPEG・MP3・MPEG |
写真と音楽と動画は非可逆、文書とデータは可逆——
失っても気づきにくいものだけ捨てる、というのが理屈です。
1. 圧縮
根拠: シラバス 9-20-52
可逆圧縮と非可逆圧縮の違いは? それぞれの例は?
| 元に戻せるか | 例 | |
|---|---|---|
| 可逆圧縮 | 完全に戻せる | ZIP、PNG、GIF |
| 非可逆圧縮 | 戻せない(情報を捨てる) | JPEG、MP3、MPEG |
圧縮率(どれだけ小さくなるか)は非可逆のほうが高い。
文書やプログラムは 1 ビットでも変わると壊れるので可逆、
写真や音楽は多少落としても人が気づかないので非可逆。
ランレングス法とハフマン法の違いは?
どちらも可逆圧縮の方式。
| やり方 | |
|---|---|
| ランレングス法 | 同じ値の連続を「値 × 個数」に置き換える |
| ハフマン法 | 出現頻度の高いデータに短い符号を割り当てる |
ランレングス法は、同じ色が続く単純な画像に効く。
ハフマン法は、偏りのあるデータ全般に効く。
エンコードとデコードの違いは?
| 何をするか | |
|---|---|
| エンコード | データを別の形式に変換する(符号化・圧縮) |
| デコード | 元の形式に戻す(復号・伸張) |
動画を配信するときはエンコードして送り、
受け取った側がデコードして再生する。
2. 音声
根拠: シラバス 9-20-52
PCM とは? アナログの音をどうデジタルにするか?
PCM(Pulse Code Modulation:パルス符号変調)
アナログの音を、
標本化(一定間隔で値を取る)→ 量子化(段階的な数値に丸める)→ 符号化(2 進数にする)
の 3 段階でデジタルに変換する方式。
間隔を細かく、段階を多くするほど原音に近づくが、データ量は増える。
WAV・MP3・AAC・MIDI の違いは?
| 何か | |
|---|---|
| WAV | 音の波形をそのまま記録(基本は非圧縮。大きい) |
| MP3 | 非可逆圧縮の音声形式。広く普及 |
| AAC | MP3 の後継。同じ容量ならより高音質 |
| MIDI | 音そのものでなく、演奏の指示(音程・強さ・長さ)を記録する |
MIDI だけが波形を持たない。 そのためデータが極めて小さく、
再生する機器によって音色が変わる。
3. 画像
根拠: シラバス 9-20-52
ラスターデータとベクターデータの違いは?
| 何で表すか | 拡大すると | |
|---|---|---|
| ラスターデータ(ビットマップデータ) | 画素(点)の集まり | 粗くなる(ギザギザになる) |
| ベクターデータ | 点の座標と線・面の数式 | 粗くならない |
写真はラスター、図形やロゴはベクターが向く。
EPS はベクターデータを扱う代表的な形式。
JPEG・GIF・PNG・BMP・TIFF の違いは?
| 圧縮 | 特徴 | |
|---|---|---|
| JPEG | 非可逆 | 写真向き。色数が多い |
| GIF | 可逆 | 256 色まで。アニメーション・透過が可能 |
| PNG | 可逆 | フルカラー+透過。Web で広く使われる |
| BMP | 基本は非圧縮 | Windows 標準。容量が大きい |
| TIFF | 可逆/非圧縮も可 | 印刷・保存用の高品質形式 |
JPEG だけが非可逆。 写真は JPEG、図やロゴは PNG が定石。
4. 動画
根拠: シラバス 9-20-52
フレームとフレームレートとは?
フレーム = 動画を構成する 1 枚 1 枚の静止画
フレームレート = 1 秒あたりのフレーム数(単位 fps)
数値が大きいほど動きが滑らかになるが、データ量も増える。
MPEG・H.264・H.265 の関係は?
MPEG(Moving Picture Experts Group)= 動画圧縮の規格を定める団体、およびその規格
| 特徴 | |
|---|---|
| H.264 | 広く普及した動画圧縮方式 |
| H.265 | H.264 の後継。同じ画質なら約半分の容量 |
動画は前後のフレームの差分だけを記録することで、
静止画の連続より大幅に小さくできる。
AVI と MP4 の違いは?
どちらもコンテナ形式(映像・音声をまとめて格納する入れ物)。
| 特徴 | |
|---|---|
| AVI | Windows 由来の古い形式。対応する圧縮方式が限られる |
| MP4 | 現在の主流。H.264/H.265 と AAC を格納でき、機器を選ばない |
入れ物(コンテナ)と中身(圧縮方式)は別の話、というのが要点。
5. Web と権利保護
根拠: シラバス 9-20-52
Web コンテンツとハイパーメディアとは?
ハイパーメディア = 文字・画像・音声・動画を、
リンクで相互に結び付けたもの
文字だけを結んだハイパーテキストを、
他の種類のメディアにも広げた概念。
Web コンテンツは、これを Web 上で提供するもの全般を指す。
ストリーミングとは? ダウンロードとどう違うか?
受信しながら順次再生する方式
| 再生開始 | 端末に残るか | |
|---|---|---|
| ダウンロード | 全部受け取ってから | 残る |
| ストリーミング | 受け取りながらすぐ | 基本は残らない |
待たずに見られ、端末にファイルが残らないので著作権の保護にも有利。
DRM と CPRM の違いは?
| 何か | |
|---|---|
| DRM(Digital Rights Management) | デジタル著作物の利用を制御する技術の総称(再生回数、期限、コピー制限) |
| CPRM(Content Protection for Recordable Media) | 記録メディア向けの著作権保護技術(DVD などへの録画) |
DRM が総称、CPRM はその一種。
PDF とは? 何のために使われるか?
PDF(Portable Document Format)
= 環境が違っても同じ体裁で表示・印刷できる文書形式
フォントやレイアウトを文書の中に保持するため、
相手の環境に左右されない。
閲覧・印刷の制限やパスワードを設定できるので、
配布用の文書形式として広く使われる。
ZIP とは?
複数のファイルを 1 つにまとめ、可逆圧縮する形式
アーカイブ(まとめる)と圧縮(小さくする)を同時に行う。
可逆なので、展開すれば元のファイルが完全に戻る。
パスワードを設定できるが、
ZIP のパスワードは強度が高くないため、
機密情報の受け渡しには別の手段が推奨される。